• "福島光洋"(/)
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  1. 佐賀県議会 2014-06-04
    平成26年6月定例会(第4日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         ○ 開     議 ◎議長(木原奉文君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  昨日に引き続き、一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎古賀陽三君(拍手)登壇=皆さんおはようございます。私ごとでありますけれども、結婚して初めての六月議会で一般質問をする機会をいただきました。(拍手)自由民主党の古賀でございます。早速、質問に入らせていただきたいと思います。  まず初めに、CSO(市民社会組織)活動の活性化についてであります。  「佐賀県総合計画二〇一一」において、県民協働の目指す姿を、「県民一人ひとりがくらしの満足度を高めていく主体となり、公益的活動に参加することで、県民、CSO、企業、行政等の多様な主体が公共を担っている。」とされ、県では、これまでCSOの自立や活動の活性化に積極的に取り組まれていることは評価をしています。その結果、県からCSOへの移行事業数及び協働事業数が増加するなど、県民協働が進みつつあるというふうに私は感じています。  しかしながら一方で、こういった組織が公共を担う主体となるためには、財政面や人材面での不足といった共通の課題を抱えている現状があります。  また、これまでいろんな話を伺う中で、協働と言いつつも、行政との立場は対等ではなく、以前は行政からなされる委託事業はていのいい下請になっているんじゃないかなというふうに私自身は感じることがありました。  委託事業は、NPOなどの組織が力をつける助けとなるようなものでなければならないというふうに考えています。  こうした課題を解決するために、さまざまな活動を行う際の活動資金や人材を確保すること、そうでなければ、安定した活動を継続していくのは厳しく、CSOがみずから資金を調達しながら自立した活動が継続して行うことができるよう、財政基盤や活動基盤の強化を支援し、CSOが公共性の高いサービス提供を担える環境を整えていくことが今後必要であろうかというふうに思っています。  一方、昨年四月にはCSOみずからが佐賀未来創造基金を設立し、あらゆる人たちが主体的に地域の未来を担えるよう、必要な資源、人であったり、金であったり、物、そして、情報を循環させる仕組みをつくり、地域で支え合う社会の実現に寄与するための取り組みが始まったところであり、県においては、当基金が集めた寄附金と同額を補助するマッチングギフト方式による支援を行っていただいています。  先日、六月十五日、佐賀県難病支援ネットワークの総会に出席をしました。その際、一番染色体長腕部分トリソミー症候群という難病を抱える県内でたった一人の子供さんの支援のために佐賀未来創造基金が寄附を募り、県が支援したこともあって、難病調査の実施など、一定の進展があったことが報告をされていました。今後もこうした取り組みをぜひとも継続していただきたいというふうに思いました。  そこで、一点お伺いをしておきます。  今後もCSOが公共を担っていく主体となるためには、それぞれの分野で強い思いを持った方々の集まりであろうCSO組織が自分たちの特性を生かしながら自立して活動を行っていくことや、県民への寄附文化の啓発、定着が重要になってくると思っています。県は、今後どのように取り組んでいこうとされるのかお尋ねをいたします。  問いの二に、特別支援学校に係る今後の教育環境の整備についてお尋ねをしたいと思います。  平成十九年四月から特別支援教育学校教育法に法的に位置づけられることになりました。  これまで県教育委員会においては、平成二十年四月に策定した佐賀県特別支援教育推進プランに基づく特別支援学校の整備により、学校が受け入れる障害者種別の拡大を図ってこられたと思っています。その結果、平成二十二年度末には県内五つの障害保健福祉圏域全てにおいて知的障害と肢体不自由に対応できる体制が整えられることになりました。  このことによって、児童生徒が以前より地域のより身近な場で教育を受けることが可能となり、受け皿の拡大につながったものだというふうに考えています。  ただ一方で、五圏域に体制が整えられたといっても、地域によってはいまだに特別支援学校への通学を負担に感じている児童生徒、保護者がおられ、特別支援学校への就学を希望しながらも通学負担などを考えるとちゅうちょする保護者もおられるようであります。
     このようなことから、本県における特別支援教育の充実を図り、特別支援学校への就学を希望されている保護者の方に子供を安心して預けていただけるよう、県教育委員会においては特別支援学校の教育環境の整備を一層進めることとあわせて、特別支援教育への理解がより一層深まるよう取り組んでいただきたいというふうに考えています。  そこで、伺っていきたいと思います。  まず、特別支援学校の児童生徒の在籍状況についてであります。  昨今は、少子化傾向、子供が減りつつあるということが言われておりますけども、今現在、県内の公立小中学校を見てみると、特別支援学級が三年で一・五倍の五百学級になったというふうな数字が出ておりました。一校当たりに換算すると、大体二学級ある計算になるというふうなことが新聞でも報道されていました。であれば、特別支援学校においても児童数の増加が今後見込まれる可能性もあるんじゃないかというふうに思っています。  来年から自分の子供さんを特別支援学校に通わせなければならないだろうという保護者の方がいらっしゃいました。その方が幾つかの支援学校を見に行った際、初めは国立の特別支援学校を見に行った際に、そこは定員が三名とか四名だったということで、県立の特別支援学校に見学に行かれたときの感想なんですけれども、正直詰め込まれた感があったと。そういった場で教育を受けているような感じを受けたということをおっしゃっていました。  そういった子供を持つ親からすれば、できるだけいい環境で教育を受けさせたいと思うのは当然のことだろうというふうに思うんです。そういった中で、きちんと教室等は対応できているのかなというふうなことを思いました。  今現在の県立特別支援学校児童生徒数がどのような状況となっているのか、お尋ねをしておきたいというふうに思います。  次に、児童生徒の通学時間についてであります。  現在、県内の特別支援学校は県立の特別支援学校が八校、先ほど申しましたように国立が一校、全部で九校。通学の範囲に関しては、視覚、聴覚、病弱を対象とする支援学校に関しては、県内一校であるため、全県域から通われていると思いますけれども、通学の時間、その話を聞いた方は多分一時間ぐらいかかるんじゃなかろうかというふうに言われておりました。  送る──行きに一時間、共働きの世帯であれば、それから仕事に行く保護者もいらっしゃるでしょう。そうでなければ、送った後に今度自分一人で帰っていく、それで一時間。迎えまで含めると往復四時間の時間がとられてしまうということになるんですね。  今、そういった方々も本当に通学を負担に感じておられること、自分の子供さんだから一生懸命取り組んでいかれるであろうかとは思いますけれども、小学校、中学校、高校、十数年これが続く現状があるわけなんですね。こういったことをしっかりと解決しなければならないだろうというふうに思っています。  そこで、今現在、県立の特別支援学校の児童生徒の通学に要する時間はどのようになっているのか、お尋ねをしておきたいというふうに思います。  今後の取り組みについてであります。  これまで県教育委員会においては、平成二十年度から平成二十二年度までの三年間、佐賀県特別支援教育推進プランを実施されました。そして、平成二十四年度から二十六年度、第二次プランを推進してきたものだというふうに理解をしています。  こういった増加する児童生徒への対応であったり、児童生徒または保護者の負担軽減に関する課題は多くあるというふうに思います。中には、負担軽減のためにスクールバスを活用しているという県もあります。例えば、大分県とかもスクールバスを導入されています。  これは藤崎議員も質問をされまして、分校の設置ということがありました。分校の設置も大切であろうかと思いますけれども、分校を設置しないような地域もあるとすれば、通学負担、保護者の方が少しでも楽になるように、希望の持てるような状況をつくっていかなければならないというふうに思うんです。  そういった中で、県も身近な移動手段の確保に向けてこれから取り組んでいかれると思います。スクールバスにもそういったことがきちんと対応できるんじゃないかなというふうに思っていますので、ぜひともそういったことも踏まえて問題の解決に動いていただきたいと思います。  県教育委員会では、特別支援学校の児童生徒の増加への対応や、通学負担のより一層の軽減に今後どのように取り組んでいこうとされるのか、お尋ねをしておきたいというふうに思います。  次に、保育所における保育士確保についてお尋ねをいたします。  経済情勢の変化や女性の社会進出により共働き世帯がふえ、ひとり親家庭もふえつつある中で、これからも保育に対するニーズは高まってくると私は思っています。  現在、全国的に待機児童が問題となっている状況の中で、県においては保育環境の向上を図るとともに、待機児童の解消に向けて、今議会にも七つの保育施設の改築等に関する予算を計上していただいておりますし、平成二十一年度には九カ所、二十二年度には十三カ所、二十三年度には十六カ所、二十四年度十一カ所、二十五年度十四カ所といったように、保育施設の新設や定員を拡充するなど、これまでにも受け皿となる保育所整備を行い、待機児童対策についての取り組みを行ってこられました。  一方で、子供たちを受け入れるための受け皿となる保育所が整備をされても、保育を支える保育士が確保できなければ乳幼児の受け入れは行うことができないことから、今後、待機児童の解消に向けて保育士の確保というものが大変重要な課題であろうと私は考えています。  児童福祉法において、保育については市町が実施すると規定をされてはいるものの、県としてしっかり保育行政を推進していく必要があるというふうに私は考えています。  そこで、次の点について伺っていきたいと思います。  まず、県内の待機児童の状況についてであります。  待機児童の数、平成十八年度から二十二年度は四月一日時点では待機児童はゼロだったというふうに思います。ただ、その後もどの年度も月を追うごとに待機児童が発生をしているんじゃないかなと理解をしています。  県内の今現在の待機児童はどのようになっているのか。また、待機児童のうち、保育士が確保できなかったことが理由で発生している待機児童がどれぐらいの数いるのか、お尋ねをしておきたいと思います。  次に、保育士確保に向けた県の支援実績についてであります。  県はこれまで、保育所整備などを進める一方で、昨年度から保育士の確保支援として保育士の処遇改善や、昨年の十月一日には保育士・保育所支援センターを開設し、保育所での就労を希望する保育士と保育所のマッチング支援に取り組まれてきましたが、昨年の実績はどのようになっているのかお伺いをいたします。  次に、保育士確保に向けた課題についてであります。  昨年度から保育士の確保に対する支援を行う中で、さまざまな課題が見えてきたのではないかと思っています。今後、保育士確保に対する支援を行う中で、県として解決すべき課題はどのようなものがあると考えているのかお伺いをいたします。  次に、今後の取り組みについてであります。  昨年度事業を行う中で見えてきた課題を踏まえ、県として保育士の確保に向けて今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  次に、動物の殺処分をなくすための県の取り組みについてであります。  動物愛護の基本は、人においてその命が大切なように、動物の命についてもその尊厳を守るということにあります。動物をみだりに殺し、傷つけ、または苦しめることのないように取り扱うことや、その習性を考慮して適正に取り扱うとともに、動物に対する感謝及び畏敬の念をその取り扱いに反映させることが欠かせないものであります。  犬や猫などのペットは、私たちの生活をさまざまな形で豊かにしてくれ、癒やしや安らぎを与えてくれるものであり、時には家族と同じかけがえのない存在であろうと思います。  しかしながら、一方で繁殖を放置したり、動物が病気になったからとか、番犬として飼っていたが高齢になって役に立たんようになったと、そういった身勝手な理由で動物を手放す飼い主がいます。  このように、どれも動物の命を手放す理由にはならないことであっても、実際に簡単に引き取りを求めたり、あるいは捨てたりする。そのことによって、全国的に引き取られたり保護される犬や猫の数は十年前の平成十六年度で四十一万頭、その約九割が殺処分されていたということであります。  これまで、行政などの努力によって殺処分は年々減少してはいるものの、平成二十年度で三十一万頭、二十四年度においても年間二十一万頭が引き取られるなどして、いまだにその約八割が殺処分をされているという現状があります。  このような状況を踏まえ、昨年の九月に「動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律」が施行されたと聞いています。  さらに、新聞報道によると、今月三日に環境省から「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」が発表され、これには殺処分をできる限り減らし、最終的にゼロにすることを目指すための計画が示されているということであって、国が本気で犬猫の殺処分をなくそうとしていることへの決意のあらわれだろうというふうに私は理解をしています。  そこで、次の点についてお尋ねをしたいと思います。  まず、「動物の愛護及び管理に関する法律」の改正内容についてであります。  昨年九月に「動物の愛護及び管理に関する法律」の改正がなされました。今回の法改正の趣旨は、人と動物が共生する社会の実現を目標に殺処分がなくなることを目指すものであるというふうに聞いています。  これまでの法律とは具体的にどのような点が違っているのか。今回の法改正の内容についてどのようなものになっているのかお尋ねをいたします。  次に、佐賀県の現状についてであります。  佐賀県における犬や猫の引き取り、殺処分の現状はどのようになっているのか。また、改正法が九月に施行されて以来、法の改正によってどのような効果が今現在もたらされているのかお尋ねをいたします。  次に、殺処分を減らすための取り組みについてであります。  殺処分については年々減少傾向にあるものの、環境省が最終的に目指すゼロに対する取り組みというものは相当大変なものがあるだろうというふうに思っています。  この殺処分を減らすために県はどのような取り組みを行っているのか。また、譲渡を行う際、子犬や子猫については譲渡が比較的容易にできるのではないかというふうに思っていますが、一方で成犬や成猫、大きくなった犬や猫については、子犬や子猫のように譲渡がなかなか簡単にはいかないというふうに思っていますが、成犬や成猫の譲渡をどのように進めていこうとするのかお尋ねをいたします。  次に、動物愛護団体などとの協働についてであります。  行政として殺処分を減らしていこうとする取り組みがなされている一方で、現在、県内に自主的に犬猫の譲渡活動などに取り組まれているボランティア団体も複数あります。こういった団体のほとんどは、活動資金というのは携わる方々の自費によって賄われているというふうに聞いています。中には寄附であったりということもあろうかと思います。寄附ができない方であれば、例えば、ドッグフードやキャットフードをその施設に持ち込んで犬猫に食べさせるといったように、本当に動物の愛護にかける思いというのがすごく伝わってくる面があります。  今後、さらに動物愛護を推進し、殺処分をなくしていくためには、行政機関だけにとどまらず、このような団体関係者の積極的な協力を得て取り組みを推進し、県民全体の意識を向上させていくことも必要ではないかと考えております。  殺処分ゼロに向けて、県としてこのような団体などとどのようにかかわり、協働していこうと考えているのかお伺いをいたします。  最後に五問目、ハローワーク特区についてであります。  県内の雇用情勢は、平成二十六年四月現在で有効求人倍率は〇・八九倍となっており、八カ月連続の上昇。また、新規求人数は前年同月比で七・九%増の六千二百五十六人となり、新規求職者数は前年同月比で五・九%減の六千三百十四人との発表がなされました。  このような中、全国で埼玉県と佐賀県の東西一カ所ずつで地方分権改革に向けた取り組みの一つとして、平成二十四年十月から、これまで国と県が別々に取り組んできた就労支援を一体で運営するハローワーク特区に取り組まれてきました。  このハローワーク特区は、県知事と厚生労働大臣との間で特区協定を締結し、その締結した協定に基づき、佐賀県知事ハローワークの業務に関して、佐賀労働局長に指示する権限を有し、その仕組みの中で県と国で連携をしながら、若年者や障害者、生活保護受給者を対象とした就労支援の強化に取り組まれていると伺っています。  この特区の実施期間はおおむね三年程度、しっかりと取り組みを強化し、さまざまな可能性を探りながら、何よりも利用者の立場に立ったサービスが提供できるよう努めなければならないと考えています。  そこで、伺っていきたいと思います。  まず、これまでの成果と課題についてであります。  スタートから一年半が過ぎました。折り返し地点を過ぎ、これまでの取り組みの成果や取り組みを行う中での課題等も出てきたのではないかと思っています。どのような取り組みの成果があったのか。また、今後どのような課題があると考えているのかお尋ねをいたします。  最後に、今後の取り組みについてであります。  特区スタートの時点では、おおむね三年程度といったことからすると、残りは半分。これまで見えてきたさまざまな課題を踏まえ、今後、県としてどのように取り組んでいこうとするのかお尋ねをして、質問といたします。(拍手) 3 ◎古川知事 登壇=古賀陽三議員の御質問にお答えします。  まず、CSO(市民社会組織)活動の活性化についてのお尋ねでございます。特にCSOの自立、県民への寄附文化の啓発、定着が重要だと思うがどうかというお尋ねでございました。  私どももこのCSOに自立をしていただくこと、そして、県民が寄附をするという文化がもっと広まっていくこと、この二つは非常に大事だと思っております。  まず、CSOの自立について申し上げますと、今日の公共サービスは、もはや行政だけが提供するような時代ではございません。県民や企業、行政のほか、CSOなどの多様な主体が公共的なサービスを担うことによって、暮らしの満足度を向上させることが私どもの目指す姿でございます。社会的なあらゆる存在が一定の公共性を担っていると私たちは考えています。伝統的な地域的な組織もあれば、志で集まった新しいNPOと呼ばれるような集団もございますし、一人一人の県民もまたそういう公共サービスの担い手である部分もあると理解をしております。  県では、地域の課題解決のためにさまざまな活動を行っておられるこれらの組織、とりわけ自発的に集まられた方々でありますCSOを支えたいという気持ちで取り組みを行っております。  議員から御指摘がありましたように、この市民社会組織はどうしても組織力が弱い部分がございます。そのためには、このCSOを支える人材をつくっていかなければなりません。そのために、まずはこうした人材育成のためのセミナーを開催しております。あわせてプロボノと呼ばれます職業上のスキルや経験を生かしてCSOの活動にお手伝いをするという活動、こうしたことの普及を行ってきているところでございます。  例えば、公務員であれば、書類の作成であるとか、公的な機関に出す申請書の作成でありますとか、そういったものにたけているという人材もございます。また、民間で会計的な仕事に従事している人たちは、そういった会計的な処理や決算などをつくるのが得意という方もいらっしゃいます。それぞれの人が持っている、自分が仕事を通じて持っているノウハウや知識というものをこうした活動に生かしていくプロボノという考え方、これをより普及させていきたいと考えております。  また、CSOの資金調達率を高めるためには、何よりこうした活動をやっていますということを多くの方に知っていただかなくてはなりません。どのようにしてCSOの活動を多くの方々に知っていただくのかということを行うために、何をやっていったらいいのかということを学んでいただく研修会、あるいは企業への寄附の提案をどのようにしたらいいのか、こうしたことについての研修会などを行ってきているところでございます。  さらに、平成二十五年度からは、県民からの寄附金でCSO活動を支援する佐賀未来創造基金というものが新しく造成されることになりました。この活動に対しては、県が県民からの寄附金と同じ額の補助を行うという、議員からもお言葉がございましたが、マッチングギフト方式という方式で、CSOが自発的に地域の課題解決を図る取り組みを支援することといたしました。  普通であれば、ある一定の金額が必要なときに、寄附の金額が多ければ多いほど、県が出す金額を減らすというのが一般的なやり方でございますが、もともと佐賀未来創造基金がやらなければいけない、あるいはやりたいと思っている事業というのは、いわば無尽蔵にございました。  そういう中で、どうしても自分たちで集められる金額というものがネックになって、なかなか事業が広がらないということがございましたので、この佐賀未来創造基金が県民の理解と支援を得て、たくさんの金額を集めれば集めるほど、それに対して県も同じ寄附をするということによって、活動が拡大していくということの支援をしていきたいと思って、このような方式にしたところでございます。  もともと大体一千万円程度ということで予想をしていたのが、たしかこの平成二十五年度には、このような方式をとったところ一千四百万円寄附を集めることができたという報告がありました。ということでございますので、県のほうも補正をいたしまして、この一千四百万円に相当する金額を補助金としてこの基金に出すことにしたところでございますが、このように自分たちで努力をすればするほど、県の支援も大きくなるというやり方というのが功を奏したと考えているところでございます。  また、県民の方々、あるいは県内の企業に寄附の文化をもっと広げていくために必要なこととして、寄附をしていただいている企業や団体に対する評価というものを私たちも大きくしていかなくてはいけないと思っております。例えば、イベントなどにおいても寄附をしていただくこともございますし、サガハイマットのようなところに寄附をしていただくこともございます。また、こうした市民社会組織の活動に寄附をしていただける企業などもございまして、このような企業の社会的な寄附という行為について、私どもも関心を持ち、評価をするということを広げていかなくてはいけないと思っております。  ですので、企業に対して、寄附する文化を広げていくということとあわせて、私ども、寄附を受ける側としても、寄附を評価するという、寄附に関心を持つという文化も広げていかなければならないと考えているところでございます。  佐賀県は、ふるさと納税による寄附の金額が非常に高い県でございます。市や町によっては、そのふるさと納税によって得られる、いわば景品といいますか、そういったものが魅力的だというところもございますけれども、佐賀県庁は寄附をした方にそういう非常に高価なものをお配りはしておりません。文字どおり、自分の寄附が地域をよくすることにつながればという気持ちで寄附をいただいておりますが、佐賀県の特徴は、寄附をされる方がこういう用途に使ってくれという形で、寄附の指定ができることでございまして、こうしたことなどを通じて、寄附というものを身近に感じていただくということをこれからはさらに強めていきたいと思っておりますし、また、最近ではクラウドファンディングという言葉にも見られるように、インターネットを使っていろんな方々からお金を集めるという仕組みも出てまいりました。  このように地域的な集まりというのとインターネットを使ったやり方、その両方について、市民社会組織の方々や私どもそのものももっと勉強をしていきたいと思っております。  こうすることによって、CSO活動の支援にかなりお役に立つことができるだろうと思っております。県民活動がさらに進んでいくように支援をしていきたいと思いますし、そのことが県民満足度の向上につながるようにしていきたいと考えております。  私から最後でございますが、ハローワーク特区について、これまでの成果、課題、そして、取り組みについてのお尋ねでございます。  まず、これまでの成果と課題でございますが、ハローワーク特区で重点的に取り組もうとしたことは、若年者、障害者、生活保護受給者に対する就労の支援でございました。それぞれについて申し上げます。  まず、若年者、若い人の中でなかなか就職に結びつかない方、人との面談が苦手であるとか、なかなか外に出ていくことができずにおられる方とか。一般的には若い方というのは就職がしやすいと言われておりますけれども、若い方の中にもなかなか就労が難しい方がいらっしゃいます。こういう方に対して、県のジョブカフェと国のヤングハローワークの職員によって、その人に対してチーム支援を行っています。一人の人間に対してチームでいろんな人たちが、こうしたらいいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないかという形で支援をしております。  そして、このような人に対して、それまではジョブカフェとヤングハローワークというものが、県の機関、国の機関ということで、一遍ここで話を聞いたものが、別の組織に行くと、申請書からもう一遍書かなければいけないという話もございました。これをもうカウンセリング機能をヤングハローワークに移管をいたしました。私どもはハローワークそのものについては地方に移管をしてほしいと言っているところでございますけども、いろいろ仕事をやっていく中で、今、現時点でヤングハローワークとジョブカフェが分かれていることによって、住民の方々にとってそこはマイナスが出ていると感じたものについて、国が県に移管をしていただけないというのであれば、むしろこちらのほうから国のほうに移管を提案して、とにかく利用者の方にとってよりよい形にしていくということを提案して、実行したりしております。  また、ユメタネの平日の開庁時間も一時間延長してまいりました。それでも十八時なんですよね。本当はもうちょっと来ていただきたいためにも、時間を延長する、あるいは開庁日をふやすということをしていきたいと思っているんでありますけれども、なかなか県だけの取り組みではできないところもございまして、現在は一時間延長というところにとどまっているところでございます。  次に、障害者への就労支援でございますが、これもチーム支援をメーンにしております。また、直接障害者で就労を希望しておられる方にお目にかかる際に、タブレット端末を有効に使って、最新の求人情報や求職者の情報などのリアルタイムの提供などを行っております。  生活保護受給者への就労支援については、これが本当は一番力を入れなければいけない部分だと私は思っているんでありますけれども、国の就職支援ナビゲーターが小城、多久、神埼の三つの市の福祉事務所に週一回巡回をしていただいております。そして、市のケースワーカーと同席しながら職業紹介を行っております。この生活保護受給者がどこにいらっしゃって、どういうお暮らしをしていらっしゃるのかということについては、国のハローワークの方は御存じありません。  一方で、世の中にどういう仕事があって、どういう人が求められているのかという情報をこれまでケースワーカーなど自治体の職員は知ることができませんでした。それを一緒にあわせることによって、現在、仕事したくてもなかなかできない環境にあられる生活保護受給者の方々が、仕事をするということで生活保護の状態から脱却することができるようにするということを、その数をふやしていくことが社会的にも、もちろん御本人にとってもいいことだと考えているところでございます。  このような取り組みをしておりました結果、幾つか数値目標を出しておりましたが、大体達成できたと考えております。例えば、チーム支援の人数百二十人目標のところ、その百二十人目標を達成できましたし、その百二十人のうち三十人ぐらい就職できればと思っていたものが、実績は九十八人でございまして、これは非常に成功したと思っております。また、生活保護受給者の就労数は目標十四人のところが実績十七人でございまして、ちょっとよかったかなというところでございます。障害者への就労支援については、就労移行支援事業所というところをお使いいただいている、いわば福祉的な就労をしておられる障害者の方が、一般就労と呼ばれる、普通に労働法規が適用される働き方に移行した人が、目標十六人に対して二十六人でございますので、これは成果があったといえると思います。  一方で、ユメタネの利用者数一万六千人の目標に対して一万三千六百人、正社員の就職者数の目標千百人に対して八百九十三人というのは、達成できなかったところでございまして、これは課題だと考えているところでございます。  今数字的なことを申し上げましたけれども、いろいろよかった点、そうでなかった点、それぞれをきちんと分析して、それを来年につなげていかなければいけないと思っております。  これまでは国というほかの組織がやっていたことでしたから、現場のことがわからなかった部分もございますが、今、特区という形で国と県、そして、市とで一緒になってやっておりますので、どういう点がよかったのか、どういう点が反省すべき点なのかということを非常にリアルな形で私どもは把握しなければいけないと思っております。担当に対してそういう現場感覚にあふれた情報報告を行うようにということを幾度となく指示しておりますが、私の感覚だと、まだその点についての意識が少し足りないような気がしております。  議員からも御指摘いただきましたように、特区のスタートから既に一年半を経過をいたしました。そして、これだけの期間が経過しておりますし、残りの時間というものを考えますと、何がよくて、何が課題で、それをどのようにして改善していくのかということについて、より意識を高くして、今後取り組まなくてはいけないと考えているところでございます。こうすることによって、とにかくハローワーク特区になったところは住民の方々がよかったと思っていただける、それが数字にもあらわれている、そのようなことを達成していきたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 4 ◎古谷くらし環境本部長 登壇=私からは、保育所における保育士の確保についてお答えを申し上げます。  まず、県内の待機児童の状況でございます。  平成二十六年、ことしの四月一日現在の待機児童数は五十人でございます。佐賀市のほうで十二人、鳥栖市が三十八人となっております。また、そのうち保育士が確保できなかったことが理由で発生した待機児童数は二十五人というふうになっております。  この保育士の確保に向けた県の支援の実績でございますが、保育士の処遇改善につきましては、昨年度、県内百七十六の私立保育所のうち百七十四の施設が取り組んでいただいておりまして、約三千五百人について、一人当たり月額およそ九千円の処遇改善がなされたところでございます。  また、昨年十月に開設をいたしました保育士・保育所支援センターにつきましては、求人登録が延べ四十四件、求職登録が延べ五十件となっており、マッチング支援を行った結果、このうち十一人が就職に結びついております。
     この取り組みの確保に向けた課題が見えてきたんじゃないかということで、どのようなものがあるかというお尋ねがございました。  保育士の処遇改善につきましては、これが厚生労働省の事業でありましたことから、対象が保育所に限定をされておりました。保育所の中には幼保連携型の認定こども園として、幼稚園と一体的に運営されているところもございますけれども、こうした園からは今回の処遇改善の措置が保育所の職員に限定をされておりまして、同じ園の中で幼稚園の職員は対象とならないということで、処遇改善の取り扱いに格差が生じることで、実際の運用が難しいとの声を伺っております。平成二十五年度において、この事業の活用を断念した二つの保育所が、いずれもこの幼保連携型認定こども園であることからも、幼稚園と保育所の取り扱いが異なる点に課題があると考えております。  次に、保育士・保育所支援センターにつきましては、求人や求職に係る情報をセンターという形で集約することでマッチングの可能性を高める効果を期待しておりまして、そのためには求人、求職情報をより多く集めることが大変重要であると考えております。しかしながら、保育士資格を持ちながらも勤務をされていない、いわゆる潜在保育士の方がどこにどの程度いらっしゃるかという情報の把握がなかなか難しゅうございまして、新聞広告などの一般的な広報手段による周知にとどまっているところでございます。潜在保育士のセンターへの登録を促進するために、今後どのようにしてより効果的に事業を周知していくのかという点について、さらに検討が必要であると考えているところでございます。  こうした昨年度見えてきた課題を踏まえまして、今後の取り組みについてでございますが、まず保育士の処遇改善につきましては、平成二十七年度から実施予定の子ども・子育て支援新制度におきましては、幼稚園につきましても保育所と同様の処遇改善が実施される見込みでございまして、幼保連携型認定こども園における課題は解消するのではないかというふうに考えております。  それから、保育士・保育所支援センターにつきましては、潜在保育士の登録を促進するために、まずは引き続き事業の周知に努めますとともに、例えば、保育士を養成する短期大学などとも連携をいたしまして、卒業生のネットワークを活用した潜在保育士の発掘など、そうした取り組みができないかなということで、そうした新たな取り組みについても検討をしてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 5 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私からは、動物の殺処分をなくすための県の取り組みについて、四点お答えをいたします。  まず、「動物の愛護及び管理に関する法律」の改正の内容についてというお尋ねでございます。  この法律は、昨年九月に改正法が施行されまして、動物がその生を終えるまで適正に飼養すること、これを終生飼養というふうに言っておりますけれども、この終生飼養の徹底や動物取扱業者による適正な取り扱いなどが定められたところでございます。  動物の終生飼養の徹底につきましては、これまで自治体は犬や猫の引き取りを飼い主から求められたときには、これを引き取らなければならないというふうにされておりました。これを老齢であるとか引っ越しで飼えなくなるなど、そういう理由であっても犬や猫の引き取りを拒むことができなかったわけであります。  しかし、今回の改正により、動物の飼い主はその動物が生を終えるまで適正に飼うこと、要するに終生飼養に努めなければならないということが法律に明記をされたところでございます。これによりまして、自治体は飼い主から引き取りを求められても、相当な事由がないと認められる場合は引き取りを拒否できるということになったところであります。  次に、犬や猫の引き取り等についての佐賀県の現状ということでございます。  平成二十五年度の犬や猫の保護及び引き取りの数の合計は、二千七十五頭となっておりまして、平成十六年度の六千百十五頭と比較すると、約三三%にまで減少をしております。  次に、犬や猫の殺処分数につきましては、平成二十五年度の合計は千四百六十二頭となっておりまして、これも平成十六年度の五千八百四十八頭と比較しますと、約二五%にまで減少をしております。  また、改正法の施行後の効果ということでございますが、昨年九月以降本年五月末現在の引き取りは、犬はゼロ頭、猫は五頭と激減をしております。特に犬につきましては、本年二月以降五月末現在での殺処分数はゼロということになっております。  なお、改正法が施行されて、犬や猫の引き取りを拒否できるようになったということで、あるいは捨て犬や捨て猫がふえるんではないかと懸念をしておりましたけれども、保護されている犬や猫の増加は見られないところでございます。  次に、殺処分を減らすための取り組みについてということでございます。  殺処分の減少のためには、飼い主による適正な飼養の推進のほか、保護、引き取りを行った犬や猫の、これをもとの飼い主へ返還ですとか、あるいは新たな飼い主への譲渡を推進すると、また、繁殖の抑制も必要でございます。返還、譲渡の推進につきましては、県はこれまで保護、引き取りした動物にできるだけ生存の機会を与えるために、県動物管理センターにおきまして、保護期間をできるだけ延長して飼養すると、そういうことをやっておりましたし、また、写真つきで県のホームページに掲載するなど広報、PRをやっておりました。また、今年度から毎月一回の休日譲渡会も開催しているところでございます。  さらに、老齢やしつけができないなどの理由で譲渡が難しい成犬でありますとか成猫、この譲渡の推進を図るために、動物愛護団体の方々に協力をいただき、しつけなどを行った上で新しい飼い主への譲渡を進めるなどの取り組みを行っているところでございます。  また、成犬や成猫のしつけや健康管理などを徹底できる譲渡専用の施設を武雄市に整備中でございまして、来年度の運用開始を予定しております。  次に、繁殖の抑制につきましては、殺処分の大部分は繁殖してしまった子猫が占めているということから、特に猫の繁殖抑制に力を入れるべきというふうに考えております。飼い猫の室内飼いや不妊去勢手術の必要性につきまして、譲渡会や県のホームページ、「動物愛護フェスティバルさが」などを活用いたしまして、啓発に力を入れているところでございます。  最後ですけれども、動物愛護団体との協働についてということでございます。  現在、民間ボランティアの方十六名を動物愛護推進員という形で委嘱をしております。それぞれの地域におきまして、犬や猫の適正飼養の啓発や助言、新しい飼い主を探すお手伝いなどの活動をしていただいております。また、成犬や成猫の譲渡に当たりましては、動物愛護団体の方が持っていらっしゃるネットワークを通じて、新たな飼い主を探していただくなどの協力をいただいているところでございます。  さらに、来年度運用開始予定の武雄の譲渡専用施設につきましては、動物愛護団体の方やボランティアの方などの御意見も聞きながら、この施設を利用した連携について協議を進めているところでございます。  今後も動物愛護を推進するために、動物愛護団体等と協働しながら、動物の殺処分をなくすための取り組みを進めてまいります。  私からは以上でございます。 6 ◎池田教育長 登壇=古賀議員の御質問にお答えをいたします。  特別支援学校に係る今後の教育環境の整備について、三点御質問がございました。  まず、特別支援学校の児童生徒の在籍状況についてのお尋ねでございました。  平成二十六年度におきます県立特別支援学校児童生徒数は、分校を含む九校の合計で千八人となっております。障害種別の内訳は、視覚障害二十人、聴覚障害二十七人、知的障害六百七十五人、肢体不自由二百十五人、病弱七十一人であり、知的障害が約六七%を占めております。  これを特別支援法が法的に位置づけられました平成十九年度の児童生徒数七百三十四人と比較いたしますと、二百七十四人、約三七%の増となっているところでございます。障害種別では、病弱と知的障害が増加傾向にありまして、特に知的障害は平成十九年度の四百三十六人に比べ、二百三十九人、約五五%の大幅な増となっているところでございます。  また、学校別で見てみますと、中原特別支援学校、大和特別支援学校、うれしの特別支援学校の三校の増加傾向が著しくなっております。  これらの傾向はしばらく続くものと考えておりまして、今後の児童生徒数の推移を注視しているところでございます。  次に、児童生徒の通学時間についてのお尋ねでございました。  本年度の県立特別支援学校の全児童生徒千八人のうち、全体の約六三%に当たります六百三十人が自宅から通学しているほか、寄宿舎利用が二百二十一人、これは二二%です。施設、病院その他が百五十七人、これが約一六%となっているところでございます。  自宅から通学する児童生徒の通学時間及び通学方法を見てみますと、通学時間につきましては、片道三十分以内が約六九%、三十分から一時間が二七%、一時間を超えるものが約四%。  通学方法につきましては、保護者による送迎が約七九%、公共交通機関利用が約一五%、徒歩または自転車が約六%となっているところでございます。  最後に、今後の取り組みについてのお尋ねでございました。  県教育委員会では、特別支援学校への通学負担の一層の軽減を図り、あわせまして児童生徒数の増加に対応するため、平成二十四年十月に策定しました佐賀県特別支援教育第二次推進プランにおきまして、特別支援学校の分校設置について検討することといたしております。  具体的には、通学時間が三十分を超える児童生徒が多く在籍する特別支援学校のうち、知的障害及び肢体不自由を対象とした金立特別支援学校、大和特別支援学校、唐津特別支援学校及びうれしの特別支援学校の四校を検討対象としております。  また、設置の形態といたしましては、地域の小中学校との交流及び共同学習を推進する観点も踏まえまして、まずは地域の小中学校の余裕教室等を活用した分校設置を検討することといたしているところでございます。  なお、通学支援のあり方につきましては、分校設置の検討結果を踏まえまして、寄宿舎及びスクールバスによる通学支援について必要に応じて検討することといたしております。  県教育委員会では、児童生徒数の増加の状況や教室の使用状況、児童生徒の通学状況等を踏まえ、分校設置の必要性の高い大和特別支援学校から、まずは検討を進めることとし、関係市町の小中学校における余裕教室等の状況や整備計画等の把握に着手したところでありまして、他の支援学校についても順次着手することといたしております。  障害のある児童生徒が地域のより身近な場で教育を受けることができるよう、今後、関係市町とも連携を図りながら、早期の分校設置に向け積極的に取り組んでまいります。  私からは以上です。 7 ◎古賀陽三君 登壇=幾つか再質問させていただきたいと思います。  まず、保育士の件についてですけれども、四月一日時点で五十名ということは、多分また十月一日ぐらいに待機児童の数をとられると思うんですけど、多分また増加する傾向にあるんじゃないかなというふうに思います。というのも、平成十八年度から平成二十二年度は四月一日の時点でゼロだったものが、年度途中でずっとふえてきているというふうな現状があります。で、平成二十六年の今年度五十人、佐賀市が十二名、鳥栖市が三十八名ということで、意外に多いなというふうに思ったところでありました。  佐賀市は今まで新設はしないというふうな状況で来ていたんですけれども、一つふやされたと思います。そういった中で、まだ十二名いらっしゃる。  で、保育士の確保ができずに二十五人の待機児童が発生したということでありますけれども、保育士の半数が賃金に不満というデータ、アンケートがとられていますね。で、今、全国的に保育士の処遇に関しては取り組んでいただいています。佐賀だけが保育士の給料が上がったわけじゃないんですね。ほかの地域も上がっている中で、例えば鳥栖、今、三十八名出ているというふうなことがありましたけれども、やっぱり条件のいいほうに、鳥栖は隣に行けばすぐ福岡。であれば、福岡の賃金体系がいいなというふうに正直思われる方もいらっしゃると思います。そういった中で、県内で保育士を確保していくと、なかなか鳥栖のような地域は大変だろうというふうに思います。その答えはないというふうに思いますけれども、やっぱり外に流れていく分を解決しなければ、保育士の確保がなかなか厳しいのでなかろうかと。であれば、なかなか待機児童の解消にもつながらないというふうに思うんです。  そういった意味で、外に流れていこうとする保育士をどのようにして県にとどめておくか、考え等があればお示しをいただきたいと思います。なかなか答えは難しいと思いますけれども、答弁をお願いいたします。  特別支援学校についてですけれども、池田教育長、もう分校の設置は大歓迎です。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。あとはもういつやるのかということだろうと思います。藤崎議員の答弁にもあっています。検討しているという状況でありますけれども、もうこういったものこそきちんと数値目標を定めて、いつまでにやるんだということが大切だと思っています。というのも、やっぱり一時間かけて通う子供や保護者もいる。三十分以内の方がほとんどであろうかと思いますけれども、その通学が何年と続くわけですね。だから、いかに早くこういったものを解決していくのかが課題であろうと思います。  平成二十年度から平成二十二年度までの三年間が佐賀県特別支援教育推進プランで、平成二十三年度には「佐賀県総合計画二〇一一」において、特別支援教育の一層の充実のための取り組みの方針を示しておられました。  二次が平成二十四年度から平成二十六年度までというふうになっていますけれども、これは書き方が、普通、平成二十六年度までとなれば三次のプランが出てきてもいいなというふうに思うんですね。で、ゴールドプランは切れ目なく、ずっと計画がなされていて、たしか私も質問したときに説明等もありました、どういった計画でこれから先をやっていくのかということで。  特別支援教育についても、きちんと方向性を示すことが大切だろうというふうに思うんです。これには、「当面、平成二十四年度から二十六年度までとし、社会状況の変化や国及び県の施策の動向等を踏まえ、必要に応じて見直しを行う。」と。こういった書き方ではなく、きちんとこれからの方向性を示していただきたいと思います。いつまでにきちんと示していただけるのかと。  あわせて、特に特別支援学校に限らず、特別支援教育の分野で、今、北川副小学校、私の地元のことで申しわけないんですけれども、UDを教育に取り入れた活動をしていただいています。分校ができることによって、普通の小学校に通う子供たちと触れ合う機会があることはすごくいいことだと思うんです。特別支援学校に限らず、特別支援教育という立場に立って見ると、やっぱりUDの教育ということもしっかりと進めていかなければならないというふうに私は思うんです。  特に、今の小学生が十年ぐらいすれば、多分十年後には国体であったり全国障害者スポーツ大会があります。こういった子供たちをしっかりとUD教育をしておくことが、これからの障害教育、全国障害者スポーツ大会を誘致したときにでも、やっぱりその環境に置いておくことが、例えば、そういった今の子供たちが国体とかスポーツ大会の運営にかかわることもあろうかというふうに思うんですね。  そういった意味で、しっかりと教育を推進していかなければならないということで、きちんと数値的な目標を定めて取り組んでいただきたいと思いますし、スクールバスのお話もありました。分校設置の後にというようなお話がありましたけれども、これまで他県はスクールバスを導入している県もあります。県はこれまでスクールバスの導入については検討してこられたと思いますけれども、どういった理由で導入に至らなかったのか。  そして、今後の方向性として、分校設置の後ということでありましたけれども、分校が設置できない地域で通学時間が相当かかっている地域もあるというふうに思うんです。そういった分校だけでは解決できない部分は、通学負担の軽減ということでスクールバス等も同時に検討しなければならないと思いますので、その検討についてどのようにあるべきかお答えをいただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。(拍手) 8 ◎古谷くらし環境本部長 登壇=古賀議員の再質問にお答えをいたします。  今年度の待機児童が五十名ということで、鳥栖市のほうで三十八名、佐賀市のほうで十二名。で、保育士が確保できなかったことが理由で待機児童になったというのが二十五名ということでございますけれども、実はこの二十五名というのは全て鳥栖市のほうで発生をしております。  確かにその確保について、安定的にこうやったら確保できるという方策はなかなか難しいのかもしれませんけれども、例えば、一つの処遇の問題について、佐賀県だけで解決しようとしたらどうなるかというと、これは、福岡県との賃金格差とか、一定の前提を置いてなんですけれども、全体で解消するとすれば十億円弱のさらなる補助金が要るということで、お金だけで全体の処遇を合わせていくということで解決するという方策はかなり難しいのかなとは思います。  ただ、来年度から始まります子育ての新制度について、全体でもともとは一兆円を超す財源が必要だと、こう言われているわけですけれども、今のところ消費税によって確保できている財源というのは〇・七兆円ということで、処遇改善についても、来年度、若干の上乗せにとどまっているところがございます。全体の保育所の処遇改善に関して言えば、やはりそこの財源というものをしっかり確保していただくというところを、県としてもこれから先もしっかりと要請していかなければならないのかなというふうに思っております。  それからもう一つが、先ほど鳥栖市と申し上げましたけれども、実際に確保が必要であった保育士の数で申しますと、あと六人確保する必要があったということでございました。これについては、新卒の方が県外に流れていくというふうなことも確かにあるのかもしれませんけれども、やはり昨年度に開設いたしました保育士・保育所支援センターの事業におきまして、潜在保育士の方をしっかり確保できないかということの取り組みも、我々としては足元のやり方として考えられるんじゃないかと思っていまして、ことしの一月に鳥栖市のほうで保育士の就職面談会を実施するなど、重点的な取り組みを行ってまいりました。今年度も引き続き、鳥栖市とも連携しながら、鳥栖市において保育士就職面談会を実施するなどして、そういった潜在保育士を含めた保育士の確保というものについての取り組みを強化していきたいと思っております。  それからもう一つ、これは学校の関係者の方から伺ったんですけれども、保育士の養成課程を卒業される学生さんの中で、必ずしも保育士に進まずに、というのは、採用する側が保育士さんという特性といいますか、非常に細かな配慮ができるとか、優しさを備えているとか、そうしたことから一般の企業でもちょっと採用ということで、そちらのほうに行かれる方も結構いらっしゃるというお話を伺っています。そういった意味では、保育士としてのやりがいといったものを学生さんにどうやって伝えていくかといったことについても、関係者の方ともいろいろと話をしてみたいと思っております。  いずれにしても、保育士が確保できないために預かれないという事態が出ないように、県としてもいろんな形で取り組みを行っていきたいと思っております。  私からは以上でございます。 9 ◎池田教育長 登壇=古賀議員の再質問にお答えをいたします。  幾つか特別支援学校について御質問がございました。  まず、いつやるのか、その目標をきちんと定めるべきではないかという御指摘がございました。  今の計画が、御指摘のように平成二十六年度までとなっております。そうしますと、次の計画をいつにするのかと、そこの計画の中でどう盛り込んでいくのかという形になろうかと思っております。  まず、今年度中は今の第二次推進プランの成果と課題について検証を行うこととしておりまして、その検証結果を踏まえまして、来年度の半ばを目途に次期プランを策定するということで考えているところでございます。  じゃその中で、具体的に分校設置がいつごろになるのかといったことまで明記できるのかということになってくるかと思います。それで、分校設置をいつにするのかというところまでは書き込むことはなかなか難しいとは思いますけれども、例えば、一般的な例といたしまして、平成二十七年の十月ごろに次のプランを策定したといたしますと、その次の当初予算で設計等の予算要求をいたしまして、そして、平成二十八年度に校舎改築、供用開始が平成二十九年度と、一番早い時間でいけばそれぐらいのスピード感になるのではないかというようなことを今考えているところでございます。これはまた状況によっては変わるかと思いますけれども、早ければそういったこともあり得るというふうに考えております。  それからもう一つ、UDとか、普通教室のことについても御指摘があったかと思います。  今年度、分校設置協議会を立ち上げまして、現在、中原特別支援学校の鳥栖田代分校の取り組み状況の検証、これは普通の学校の中で特別支援の学級を設けておりますけど、そこらあたりの状況、それから分校設置に係る意見交換などを行うこととしておりまして、そういった状況を踏まえ検討していきたいというふうに思っております。  それから、スクールバスのことについての御質問があったかと思います。  先ほどのお答えの中で、まず分校の設置に向けた検討結果を踏まえ、寄宿舎及びスクールバスによる通学支援について、必要に応じてそのあり方を検討するというふうにお答えいたしました。  特にスクールバスにつきましては、その機能をあわせ持つ社会資源を活用した通学方法とかを引き続き検討する必要があると思いますので、関係部署との意見調整等もやっていきたいというふうに思っているところでございます。  私からは以上です。 10 ◎福島光洋君(拍手)登壇=ただいま議長より登壇の許可をいただきました自民党の福島光洋でございます。  六月定例会一般質問の内容を勉強させていただいております。各議員さんの思いの中に人口減少、これが社会問題にというふうな根底があるんではないかなという思いで聞いております。  そういう中において、やはり人の力、佐賀県の底力というか、これを大いに発揮できる環境をつくっていかなければならないというふうな思いで、私は、うちの御近所に多久聖廟がございます。儒学儒教の教えがある孔子様のお言葉であります仁の心、忠恕、思いやり、慈しみを持って皆さん方とこの問題に対して考察をできればという思いで登壇をいたしました。  限られた時間、貴重な時間であります。早速、通告いたしております五項目につきまして、順次質問を行います。  まず第一項目は、人口減少問題についてであります。  平成二十四年一月に国立社会保障・人口問題研究所から発表された日本の将来推計人口では、我が国の総人口は二〇一〇年に一億二千八百六万人だったものが二〇四〇年には一億七百二十八万人、二一一〇年には四千二百八十六万人まで減少するとされています。  また、元岩手県知事である増田寛也氏を座長とする日本創成会議の分科会において、若者が地方から大都市へ流出していることに着目して、独自の推計が行われ、先月八日、消滅可能性のある市区町村が公表されました。この推計によりますと、二〇一〇年から二〇四〇年までに二十歳から三十九歳の女性人口が五割以下に減少する八百九十六市区町村は、幾ら出生率を上げても子供を産む女性の数の減少の影響が大きく、消滅の可能性がある都市とされ、その中でも二〇四〇年時点で人口が一万人未満となる五百二十三市町村は消滅の可能性が高いと言わざるを得ないとされております。  このような中、先週十三日に開催された経済財政諮問会議において、「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる骨太の方針の素案が示されました。この素案では、迫り来る人口急減・超高齢化社会の流れを変え、「五十年後に一億人程度の安定した人口構造を保持することを目指す」という目標値を定め、女性が輝く社会を目指し、男女の働き方に関する制度を抜本的に改革していくなど、政府としても本腰を入れて取り組んでいくとされています。  私も、佐賀県において若い女性が仕事を求めて毎年都市部へ流出している状況を踏まえますと、増田氏の警鐘は非常に重く受けとめなければならないと感じているところでございます。  人口減少により本県から人がいなくなれば、地域経済の縮小のみならず、これまで培われてきた地域住民同士のつながりの衰退も余儀なくされ、佐賀県の活力が失われてしまいます。  このため、本県における若者、特に若い女性の働く場の確保を初めとする本格的人口減少への対応が必要であると考えております。そこで、次の点について質問をいたします。  まず、政府の人口に関する目標等についてでありますが、骨太の方針、この素案において、「五十年後に一億人程度の安定した人口構造を保持することを目指す」という目標や、女性の活躍、少子化対策に関する政策が示されましたが、知事はどのように受けとめておられるのかお伺いいたします。  次に、佐賀県の人口減少問題の取り組みについてであります。  今後、急激に人口減少が進んでいくと思われるわけですが、佐賀県が存続していくために、若い女性の働く場の創出を初めとしてどのような取り組みが必要と考えておられるのか、古川知事の答弁を求めます。  第二項目は、女性の働く場の確保についてであります。  本県を初め、地方において人口減少を食いとめるには、雇用の場を確保することが重要であります。  先ごろ公表された「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」の提言「ストップ少子化・地方元気戦略」によりますと、人口減の背景として出生率の高い地方から出生率の低い都市への、若年層を中心とした人口移動を指摘されております。また、近年進学を機に都市へ転出した若年、特に女性が以前のようにUターンやJターンで帰郷するのではなく、戻ってこないなどの傾向も問題視され、雇用を初め魅力的な地域づくりが必要と訴えられているところであります。  もっとも女性の雇用といいますと、しばしば医療や福祉であったり、あるいは飲食、小売りなどサービス関連が挙げられますが、賃金水準や雇用形態などの面で女性にとって必ずしも魅力的なものばかりではないと思っております。  このような中、先日、この本であります。(本を示す)「女性資本主義論」といいまして、この中に「綻び出した『おっさん資本主義』」、「男のフロンティア精神だけでは『経済が崩壊する』」という指摘をされ、「市場は男性的に開拓するのではなく女性的に『育てる』時代へ」ということで、高橋仁さんというジンコーポレーションの社長でございますが、この著書が非常に気になって読ませていただきました。  この高橋仁さんの本によりますと、狩猟、開拓、征服といったおっさん資本主義が行き詰まる中、利他的、共感力、忍耐強さ、愛情の深さといった女性的な資質が重視される女性資本主義への転換の必要性が主張されております。  ポスト資本主義だとか知識社会などと言われて、もう随分とたつわけでありますが、私はこの本が指摘しているように、やわらかい女性的な資質、能力が生かされるような産業を起こすことは、我が国産業の競争力の維持、向上を図ることはもとより、地方における女性の働く場の確保を通じた人口減少対策にも資すると思うのであります。
     県にもぜひ、今後の産業振興や雇用対策の中で、こうした視点も十分に踏まえながら、施策の企画立案に当たっていただきたいと考えるところでもあります。  そこで、次の点について質問いたします。  まず、女性になじみやすい産業の活性化についてであります。  地域の企業、産業の活性化には、経営の維持安定はもちろんでありますが、さらに新たな製品、サービスの開拓や市場開拓、顧客創出に意欲的にチャレンジする企業を支援していく必要があるわけでありますが、ただ県の施策は、これまで例えば、自動車関連産業の振興を初め、どちらかといえばかたいイメージのある産業分野の振興策に重点が置かれてきた印象は否めないものと思いますが、今後はそれらに加えて、よりやわらかい、例えば、デザインのような感性を生かす仕事や、健康、美容など生活の豊かさにかかわる仕事など、女性が働く場としてなじみやすい産業分野の活性化にも力を入れてほしいと思いますが、どのように考えておられるのか。  次に、女性が働きやすい雇用環境の整備についてであります。  女性の労働者については、結婚による退職が約三割、また出産や子育てに伴う退職が約六割との調査結果があります。女性が社会に出て活躍できる雇用の場を創出したとしても、その後に結婚や育児のため仕事の継続を諦めることになるのは本当に残念なことであると思います。  佐賀県での人口問題、労働力問題への対応のためにも、女性の方には雇用の場で生き生きと頑張ってもらうことが重要でありますし、そのためには県内企業において、結婚、出産を経た女性が仕事と家庭、特に育児との両立ができる雇用環境の整備を進めていく必要があると考えますが、県の取り組みについて、石橋農林水産商工本部長の答弁を求めます。  次に第三項目は、子ども・子育て支援新制度についてであります。  保育所につきましては、地域において女性が働く職場として大きな受け皿となっております。また、保育士を志す女性も多いと認識をしております。しかしながら、処遇や厳しい労働環境などを理由にやめていく保育士も多いと聞いております。  人口減少社会が問題となっている昨今、地域への女性の定着を図るためにも、保育所は女性にとって働きやすい職場でなければならないと考えております。  平成二十七年度から幼児期の学校教育や保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進するため、子ども・子育て支援新制度が実施される予定であり、この新制度において保育士の処遇が改善されると聞いております。  そこで、次の点について質問いたします。  まず、新制度における保育士の処遇改善についてであります。  新制度において保育士の処遇は具体的にどのように改善されるのか。また、処遇の改善以外にも保育士の労働環境を改善するような取り組みは盛り込まれているのか。  次に、新制度における保育士処遇改善の評価についてであります。  新制度における保育士処遇改善などの取り組みについて、県はどのように評価をしておられるのか。  そして、県としての取り組みについてですが、保育所が女性にとってさらに働きやすい職場となるよう、県としても国への働きかけを行うなど、取り組みを行っていくべきではないかと思います。県の取り組みについて古谷くらし環境本部長の答弁を求めます。  第四項目は、図書館等まなびの拠点施設のあり方についてであります。  先般催されました多久市の市制六十周年記念式典において、古川知事が祝辞を述べられ、そこで知事は、東原庠舎や多久聖廟を引き合いに、多久が古来、非常に教育に熱心な土地柄であることを評価されました。またあわせて、後藤家文書や多久家文書などを引き合いに、多久にはさまざまな古文書が残されている。非常に価値のある土地であることを評価されておられました。  その評価は大変ありがたいと思いますが、そうした中においても、古文書は何も手当てをしないと散逸するおそれがあるため、多久では地域活動の一つとして、住民や研究者が一体となって「多久古文書の村」が結成され、古文書の収集や保存、解読に携わってこられているところであり、古川知事も祝辞の中で、このような古文書を読める人材の育成の必要性を大いに認識し、マニフェストに入れたというお話をされました。  そこで、県としても古文書を読める人材の育成に取り組んでいるものと思いますが、とりわけ、これまで実質的に県内の古文書センターの役割を果たしてきた県立図書館については、その将来的な機能のあり方に関しての議論が始まっているところであり、注目をしております。  これまで県では、公共図書館が全体で一つの大きな図書館として機能することにより、必要な情報を迅速に提供できるような図書館サービスを目指した図書館先進県づくりに取り組まれ、図書館の基本的機能について一定の充実強化が図られてきたものと認識しておりますが、ICTの著しい進展など、社会環境が大きく変化する中で、今後、県立図書館にはさらなる機能充実が求められ、時代の変化を先取りした対応が必要と思います。  私自身は、図書館は公文書館の機能をあわせ持った形で、いにしえの雰囲気のある穏やかな環境の中にあり、子供から大人までさまざまな図書や資料を日常的に入手できるという、住民に身近に使える施設であってほしいと考えております。  そこで、次の点について質問をいたします。  まず、図書館先進県づくり事業についてであります。  県でこれまで取り組まれている図書館先進県づくり事業の状況はどのようになっているのか。  次に、「これからのまなびの場のビジョン検討懇話会」についてであります。  県では、県立図書館、博物館及び美術館を学びの場と捉え、その将来有するべき機能のあり方について検討するため、有識者で構成する「これからのまなびの場のビジョン検討懇話会」を運営しているところですが、そこでの検討状況はどのようになっているのか。  さらに、まなびの拠点施設のあり方についてですが、図書館、博物館、美術館を取り巻く状況が変化する中で、これらのまなびの拠点となる施設にはさらなる機能充実への対応が求められていると思いますが、これらの施設の今後のあり方について、県としての所見を質問し、伊藤文化・スポーツ部長の答弁を求めます。  第五項目は、水循環基本法と森林・林業の活性化についてであります。  森林は、木材の生産を初め、清らかな水を育み、土砂の流出や地球温暖化を防止するなどのさまざまな機能を有しており、広く国民に恩恵をもたらしています。しかしながら、こうした森林も一見、健全そうに見えますが、長引く木材価格の低迷や林業担い手の減少、高齢化などにより、林業生産活動は停滞し、一部の森林においては間伐などの手入れがなされず、荒廃した森林も見受けられます。  また、新聞報道などによれば、一部の県では外国資本による森林の買収などにより、水源地域の森林の保全が懸念される状況にあると聞いております。  このような中、国においては、国土の多くを占める森林により、水循環の恩恵を受けてきたことを再認識し、この水循環を維持することが必要であるとして、ことし三月に水循環基本法が成立したと伺っておりますが、この法律ができたことで、国民全体で森林を守っていくことができると大いに期待しているところであります。  私は、先人たちが残してくれた大切な森林が、将来にわたってさまざまな機能を十分に発揮していくためには、県民みんなでしっかりと森林を守っていくことが重要であると考えております。  ここで皆様方に御紹介、御案内をさせていただきます。  ただいま県内の映画館、シネマ館で、「WOOD JOB!(ウッジョブ)」という映画がつくられて放映されています。これは都会に住む若い青年が、学校を卒業して、ちゃらんぽらんな青年ということでございますが、国、そして県も取り扱っています緑の雇用事業のパンフレットを見て、山里のコンビニもない、携帯電話もつながらないところですが、一年間の研修に向かったドラマであります。  あんまり詳しく言うと、おちがですね、(笑声)皆さん方に見ていただいて、感動、感激していただきたいという思いで、御案内でございますが、この映画は本日も市内のシネマ館で六時二十分から放映されます。(笑声)しかも、五十五歳以上の御夫婦とかペアであれば格段に割引をしていただく制度をそのシネマ館はつくってありますので、ぜひこの一般質問が終わった後に、この「WOOD JOB!(ウッジョブ)」、緑の雇用事業とタイアップして、とにかくコミカルにですね、明るく楽しく、笑いあり、涙ありでつくってありますので(「見たよ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。御同慶にたえません。  そういう意味で、子供たちも一緒になって見ていただきたいなというふうに思いますし、そういう意味においては、「アナと雪の女王」もいいですけれども、「ありのまま」の森林の姿を映し出してありますので、ぜひ見ていただきたいと思います。御案内でございました。  それでは、本題にまた戻ります。  県ではこれまで、造林事業や森林整備加速化・林業再生基金事業などの国の補助事業を活用し、森林の整備や林業の振興に鋭意努められております。このような中、国の経済対策の一環として、平成二十一年度から実施されてきた森林整備加速化・林業再生基金事業につきましては、平成二十六年度で終了すると聞き及んでおります。  この基金事業の活用によって、高性能林業機械の導入や木材加工施設の整備などが一段と進んでおり、本県の林業、木材産業の発展に大きく貢献していると高く評価されていることから、この基金事業が今年度末で廃止されれば、将来における林業の振興に支障を来すのではないかと危惧をしているところであります。  このため、県や各市町村の議員で構成している森林・林業活性化促進議員連盟においても、この基金事業の継続を要望しているところであり、今後、国に対して強く働きかけていきたいと考えております。  本県の森林は、戦後に造林した杉、ヒノキ等の人工林が収穫期を迎えており、木を育てる時代から使う時代へと移ってきていることから、こういった基金事業などを活用して、木材の生産や利用拡大などの林業生産活動を盛んにし、本県の森林・林業を活性化することが重要であり、そのことが本県の森林の整備、ひいては森林の持つさまざまな機能の発揮にもつながるものと考えているところであります。  そこで、次の点について質問いたします。  まず、水循環基本法についてであります。  森林がもたらす水源涵養能力などの水循環に着目し、水循環の維持などの基本理念を定めた水循環基本法がことし三月に成立しましたが、その内容はどのようなものなのか。  次に、森林の整備についてであります。  水源の涵養など森林が有するさまざまな機能を発揮していくためには、どのように森林の整備を進めていくのか、副島県土づくり本部長の答弁を求めます。  最後に、森林・林業の活性化についてであります。  本県の森林資源が、育成段階から利用段階へ移行する中、県では今後、森林・林業の活性化に向けてどのように取り組んでいくのか、古賀生産振興部長の答弁を求めまして、全般五項目の質問といたします。(拍手) 11 ◎古川知事 登壇=福島光洋議員の御質問にお答えします。  私からは、人口問題についてのお答えをさせていただきます。  まず、政府の今回の人口に関する目標についての私の受けとめでございます。  五十年後に一億人程度とするという目標については、なるほどというふうに思っておりましたが、では、具体的にどうしなければならないのかということをその政府の計画の中で見てみますと、去年の段階で合計特殊出生率は日本全体で一・四三でございます。これを五十年後に一億人程度とするためには、二〇三〇年までに、あと十六年で二・〇七まで、二をちょっと超えるぐらいまで合計特殊出生率を上げなければいけない。二・〇七まで上昇させなければならないということでございまして、それを考えると、なかなか大変だなと思っております。  国の計画をさらに細かく見ますと、東京オリンピック・パラリンピックが二〇二〇年、二〇二四、五年ぐらいまでに、現在、国民が希望している希望出生率、本当はこれぐらい子供いたらいいのになというその数で計算したものが一・八ということでございまして、まずは、これを目指そうということのようでございます。  私もまずは、国民が望んでいるのに、現実にはそれだけの子供が生まれていないというのであれば、それはもったいないよねということで、国民の希望がかなうようにしていこうという、そういうスタンスで目標をつくっていくということがいいのではないかと思っております。  私どもの「418(しあわせいっぱい)プロジェクト」も同じような気持ちで、結婚をしたいとか、赤ちゃんが欲しいと思っている人のその幸せのお手伝いをするという考え方に立っておりまして、その意味では、この政府の目標は高いなと思っておりますけれども、そうやって何段階かに分けて書いてあるのを見れば、希望出生率を達成するという目標についてはよく理解できるところだと思っております。  また、女性の活躍と少子化対策に関する政策については、男女の働き方に関する制度の抜本的な改革、男女が意欲や能力に応じて労働参加をする、出産、育児、介護の双方を実現する、こういう仕組みをつくっていくということや、第三子以降への重点支援など、これまでの少子化対策の延長線上にない政策をやっていくといったことが書いてありまして、この国の骨太の方針やそれをブレイクダウンした戦略を見ておりますと、従来の、ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、お役人さんが書かれた文章ではない感じで、何とかしていかなくちゃいけないという取り組みに対する意欲のようなものは非常に感じるところでございます。  やはり政府がこのまま人口減少が続いていけば大変なことになるということを強く認識しているからだろうなと思っておりますし、我が国の国力や経済にとってということもありますが、それ以上に、女性にしても、高齢者にしても、若者にしても、障害者にしても、能力がありながら、社会的な準備ができていないから活躍ができないというのはまことに残念でございます。  誰もが活躍できる社会をつくり出していくことは、誰にとっても望ましい社会だと私は思っておりますので、そういったことの実現を通じて、政府に関する目標も実現していただければなと思っているところでございます。  次に、では、佐賀県の人口減少問題についてどう取り組んでいくのかということでございます。  これは大きく分けると二つあるんだろうと思っております。  一つは、とは申しましても、残念なことに人口はこれから減ってまいります。そうすると、人口が減っていくということを前提にして、経済や社会を組み立て直さなければなりません。例えば、その一つとして、高齢者の方が六十歳ぐらいで今引退される方が多いとすると、それはもったいないので、やっぱり七十歳ぐらいまでは働いていただかなくちゃいけないという七十歳現役社会というものは、放っておけば、労働力人口が減っていってしまいますので、そうならないようにという対応策の一つだろうと思っております。  また、女性について、主に女性ということになりますが、出産や育児ということを理由にして、それまで働いていた仕事をやめる、あるいは離れなければならないという方が多数いらっしゃいます。佐賀県はまだいいほうでございますけれども、それでも、残念なことにいらっしゃるというものがある。こうしたものも働き続けたい、あるいは育児をしながら在宅でもできる仕事をしていきたい、そういうさまざまな生き方、働き方、子供の育て方に対応できるようにしていかなくてはいけないと思っておりますし、障害者についてもしかりでございまして、障害者の方が持っておられる能力を開発し、そして、生かせるような社会にしていかなくてはいけないと思っております。  それが大きな一点目でございまして、あともう一点は、この人口構造を我々が望まない方向にならないようにしていくにはどうするのかということであろうと思っております。  そのことの一つが、人口移動の問題でございまして、高校卒業時に、あるいは大学や専門学校の卒業のときのタイミングで、佐賀県の場合にはたくさんの方々が県外に出られております。県外に大学進学する率は、たしか全国で最新の数字で五位ぐらいだったと思います。これはお隣に福岡県、あるいは長崎県もそうなんですけども、定住人口に比べると、大学や専門学校の数が非常に多い県が東と西にございますので、そういったところに通学しやすいというところが半分はメリットなんだろうと思っておりますけれども、半分はそのような結果を生んでいるということにもなっていようかと思います。  これから目指すべき方向として、そういう県外に行く必要がないように、県内に大学や専門学校といった、そういう進学先となり得るものをふやしていきたい、つくっていきたいという思いが私としては一つございまして、そのことも総合計画に書いているところでございます。  しかしながら、子供の数が減っていく中で新しく大学や専門学校をつくるということは、本当に学生が来るのかということが問題になるわけでございまして、相当魅力のある学校をつくらなければいけないということだろうとも思っているところでございます。  それともう一つは、これは後ほど詳しく農林水産商工本部長から答弁をさせますが、一旦は県外に出たとしても、将来的に帰ってくるだけの魅力のあるような働く場、あるいは住まう場、子供を育てる場というものを実現していくということをしなければならないということでございます。これについても最近は、移住という言葉が非常によく聞かれるようになりました。私の知り合いで、今、東京でIT関係の仕事をしている人間も、来年九州に移住するからというようなことを言っている人間とかがおりまして、結構、今、そういう東京で仕事をしている人たち、特にネット系の方たちが九州に移住をしてくるということをよくおっしゃっておられます。そして、東京で仕事があるときにはLCCで行けばいいから、一万円かからないから、用事があるときだけ東京に行くというほうが、生活コストとして見たときに随分安いんじゃないかというようなことをおっしゃっておられたりもいたします。  こうした移住を考えておられるような方々を、我々の仲間になり得る方々と自分たち自身がしっかり捉えることということが課題だろうと思っておりまして、そういう方たちが新しく我々佐賀県の仲間として仕事や生活をしやすい環境をどうやってつくっていくのかということもぜひともチャレンジしてみたいと考えているところでございます。  決して都会である必要はないと思います。住環境が恵まれている、あるいは子育てする環境が恵まれているということは大事だろうと思いますし、ただし、交通環境や情報通信技術というものは、これはきちっとした環境でないと、仕事や暮らしができないということでありましょうから、こうしたことを考えながら、いろんな方々を佐賀県に引っ張ってくるような、そういったこともこれからの佐賀県の取り組みとして考えてみたいと思っているところでございます。  私からは以上でございます。 12 ◎古谷くらし環境本部長 登壇=私からは、子ども・子育て支援新制度について、特に保育士の処遇改善という観点からのお尋ねをいただいておりますので、お答えをいたします。  まず、新制度におきます保育士の処遇改善がどういうふうになされるのかということで、保育士の処遇改善につきましては、先ほど御紹介をいたしましたとおり、平成二十五年度から国の事業を活用して取り組んでおりまして、昨年度におきまして、一人当たり月額約九千円の改善がなされております。  この処遇改善につきましては、新制度がスタートいたします来年度においても引き続き盛り込まれる予定となっております。  また、処遇改善以外の取り組みとしてどのようなものがあるのかということですけれども、例えば、これまで三歳児について、二十人に対して保育士を一人配置するということが基準とされておりまして、この基準に従った配置がなされておりましたけれども、新制度においては、より手厚い保育を行うために、三歳児十五人に対して保育士を一人配置するというふうにした場合には、そのための経費が加算措置をされるなど、保育士の方の労働環境の改善にも配慮された取り組みが行われる予定でございます。  それから、この新制度におきます保育士処遇改善の評価についてでございます。  子ども・子育て支援新制度につきましては、一兆円を超える経費が必要とされておりますが、そのうち〇・七兆円を消費税の増税による増収分で充てるというふうにされております。ただ、残りの〇・三兆円を超える財源につきましては、今後、予算編成過程において確保に取り組むものとされ、現時点においては確保のめどが立っていない状況でございます。  こうした結果、保育士の処遇改善につきましては、一兆円を超える財源というものが確保された場合には五%の改善を行うというふうなことでされておりましたが、結果的には昨年度を若干上回る三%の改善にとどめられたところでございます。  また、職員配置の改善につきましても、一歳児、三歳児、それから四、五歳児について行うとされておりましたが、先ほど御紹介したとおり、三歳児に限って保育士の増員に対して加算措置があるという形で、限られたものになっているところでございます。  このように新制度による保育士の処遇改善などについて、一定の評価はできますものの、当初検討されていた取り組みの一部しか実施が予定されないなど、さらなる改善が望まれるところであるというふうに考えております。  そういうところで、県としての取り組みですけれども、県としてはこれまでも国への政策提案などを通じまして、新制度の円滑な運営に必要な財源の確保について、関係者に要請を行ってまいりました。しかしながら、御紹介したとおり、十分な財政措置がなされていない状況にございますことから、引き続き保育士の処遇や労働環境が改善され、女性にとって働きやすい職場となりますように、必要な財源措置については現場の状況を訴えながら、国に対して強く働きかけてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 13 ◎石橋農林水産商工本部長 登壇=私からは、女性の働く場の確保について二点お答えさせていただきます。  まず、女性になじみやすい産業の活性化についてということでございますが、県ではこれまでその地域経済の活性化、あるいは雇用の場の確保ということを図るために、企業の誘致でございますとか、あるいは物づくり中小企業の振興、さらには、商店街の活性化などの施策に取り組んできたところでございますけれども、例えば、特に企業誘致の場面におきましては、より雇用効果の高い企業を誘致するといった観点から、議員御指摘のようなかたいイメージの産業分野という、そういった印象を与えてきたのかもわかりませんけれども、そういった振興とあわせて、例えばコールセンターやそのバックオフィスの誘致、あるいはICT産業でございますとか、クリエイティブ産業の振興などにも取り組んできたところでございます。  また、今年度から新たに県内のデザイナーなどを活用した県内企業の製品のブラッシュアップなどを支援します、「データ&デザイン新市場創出事業」でございますとか、フランスのコスメティックバレーとの連携協力協定のもと、コスメ産業の集積を図る「唐津コスメティック構想推進事業」などにも取り組むこととしてございます。  こうした女性の感性などがより生かされやすいデザインでありますとか、あるいは美と健康など、こうしたことに関連した産業の活性化にも今後一層力を入れていきたいというふうに考えているところでございます。  また、これらの施策を推進する中で、あわせて議員御指摘のような女性の資質、能力を生かすという視点も、これも当然大事にしながら、今後とも県内産業の育成、振興にしっかりと取り組んでまいります。  続きまして、二点目の女性が働きやすい雇用環境の整備についてでございます。  意欲と能力のある女性が、結婚、出産を経た後も、仕事と子育てを両立できるためには、一方で安全で安心して子供を預けることができる環境ということとあわせて、特に育児中の女性にとって働きやすい雇用環境の整備を進めていく必要があると認識してございます。  このため県といたしましては、ワーク・ライフ・バランスの推進の一環として、県内事業所において労働時間の短縮に取り組んでいただくゆとりチャレンジを実施してきてございまして、それぞれの事業所においてノー残業デーの設置でございますとか、有給休暇の取得促進など、そういった女性が働きやすい雇用環境づくりに取り組んでいただいているところでございます。  加えて、その取り組みを強化するために、昨年度から仕事と子育ての両立支援推進事業に新たに取り組んできております。この事業は、県内事業所に対しまして、専門家による個別訪問を実施いたしまして、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定や見直しなどについての助言を行っておりまして、例えば、短時間勤務でございますとか、より使いやすい形の子供の看護休暇といった、その制度の導入について検討いただくように各事業所へ支援を行っているところでございます。  先ほどの知事の答弁にもございましたように、いわゆる国の骨太の方針の素案においても、「女性の活躍、男女の働き方改革」が重点課題の一つとして示されてございます。その具体化に向けた議論も踏まえながら、今後とも庁内の関係部局でございますとか国の関係機関、あるいは県内の経済団体などとも連携して、女性が働きやすい雇用環境の整備が進んでいくように努めてまいります。  以上、お答えいたします。 14 ◎副島県土づくり本部長 登壇=私のほうから森林・林業の活性化のお尋ねの中で、水循環基本法と森林の整備についてお答えをいたします。  まず、三月に成立いたしました水循環基本法の内容についてでございますが、この法律は水が絶えず循環することで人々の生活や産業、文化の発展に重要な役割を果たしており、特に森林の多い日本はその恩恵を大いに受けており、これを将来にわたっても維持するように、水循環に関して制定されたものでございます。  この法律の基本理念といたしましては、水循環の重要性、水の公共性、健全な水循環への配慮、流域の総合的管理、水循環に関します国際的協調が定められているほか、国、地方公共団体、事業者、国民のそれぞれの責務が定められているところでございます。  また政府は、水循環の施策を推進するために、水循環基本計画をつくりまして、その計画を実施するための経費や必要な措置を行うと定められているところでございます。  さらには、基本的な施策といたしましては、国及び地方公共団体は水循環に関係する森林、河川、農地、都市施設等の整備や水循環に関する規制などの措置を行うことが定められているところでございます。  以上が主な内容でございます。
     続きまして、森林の整備についてお答えいたします。  先ほど議員から御指摘のとおり、森林は水源の涵養機能を初めといたしまして、山地災害や地球温暖化の防止など、さまざまな機能を有しているところでございます。また、この森林は県民の共有財産としてしっかり次の世代に引き継ぐ必要があると考えているところでございます。  このため県では、森林の有するさまざまな機能が将来にわたり十分に発揮できるよう、「新しい佐賀の森林(もり)づくりビジョン」に基づきまして、杉、ヒノキの人工林の適切な管理や針葉樹と広葉樹がまじり合った森林への誘導など、多様な森林(もり)づくりに市町や森林所有者などと一緒になりまして取り組んでいるところでございます。  具体的には、公益的機能を保全するための県や市町が行う森林の整備、CSOが行う森林保全活動への支援、森林所有者等が行う森林整備への支援などの取り組みによりまして、森林保全と林業振興の両面から森林の整備を進めているところでございます。  今後とも県といたしましては、水源の涵養機能など森林の有するさまざまな機能が将来にわたって十分発揮できるよう、森林所有者を初め、市町やCSOと連携しまして、森林の整備をしっかりと進めてまいります。  私からは以上でございます。 15 ◎伊藤文化・スポーツ部長 登壇=私からは、大きな問いの四番、図書館等まなびの拠点施設のあり方についてお答えいたします。  まず一項目め、図書館先進県づくり事業の状況についてでございますが、県では使い勝手がよく、より多くの県民の皆さんから頼りにされる情報拠点としての図書館づくりを目指し、図書館先進県づくり事業に取り組んでいるところでございます。  取り組みに当たりましては、四本の柱、読書環境づくり、図書館ネットワークの充実、学校図書館等との連携推進、県立図書館の機能充実という四本の柱を掲げまして、具体的には県内図書館の横断検索システム及び相互の貸し借りの仕組みづくりや、学校での総合的な学習の時間などに利用できる図書セットの貸し出し、また、身体に障害のある方を対象とした郵送貸し出し、さらには医療センター好生館内における分室の設置、これは都道府県立図書館では全国初の取り組みでございますけれども、こういったサービスを提供しております。  こうした取り組みによりまして、県内の公共図書館のどこに自分が欲しい本があるのかといった、そういった検索がスムーズに行われ、また取り寄せも最短の場合、一日でできるようになるなど、県全体が大きな一つの図書館として機能するための環境が整ってきているというふうに考えているところでございます。  次に二項目め、「これからのまなびの場のビジョン検討懇話会」での検討状況ですが、懇話会では、まず中長期的視点に立ちまして、これからの公立の図書館、博物館、美術館に求められる機能に関する展望、いわゆるビジョンにつきまして御議論いただいてきたところでございます。  これまでの主な議論の中では、例えば、いずれの施設も図書や美術品などの資料を収集、保存して貸し出し、展示するという機能が共通しておりますので、図書館、博物館、美術館及び公文書館相互の連携を重視することという意見や、年齢、性別、障害の有無、さまざまな社会的な要素に関係なく、あらゆる人が快適に過ごせる空間であることなどの意見をいただいているところであります。  今後の懇話会の運営についてでございますが、いわば総論としてのビジョンを早急に確定させまして、その上で現在の県立図書館及び県立博物館、美術館の将来あるべき機能に関して各論を議論していただくこととしております。  次に三項目め、まなびの拠点施設のあり方についての県としての所見ということでございますが、県立図書館及び県立博物館、美術館は本県における知の拠点としてはもとより、図書や美術品などの資料を活用したまなびの拠点としての役割を大いに期待されているものと認識しております。  そのため、これらの施設を単に学習の場だけではなく、利用者それぞれのスタイルに応じて興味や関心を満たしてくれるような場にし、これまで余り利用してこられなかった方々にも積極的に利用していただきたいということから、例えば、これまで図書館ではビジネス相談、法務相談などのサービスやICTを活用した地域の資料の提供、また博物館、美術館ではメディア芸術など新しい分野の取り組みや、ナント美術館展、ポーラ美術館展などの企画展と連携した町なかのにぎわいづくりなどに取り組んでいるところであります。  今後とも、それぞれの特性を踏まえ、県民の皆様から身近な施設として利用をしていただけるよう、これまでの概念にとらわれない新しい発想でさまざまな企画を打ち出しながら、世代を超えて多くの方が多様な文化に出会い、楽しんでいただける場、そして多くの方が交流することを通じてさまざまな活動の出発点となるような場を目指し、施設の一層の充実に取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 16 ◎古賀生産振興部長 登壇=私からは、水循環基本法と森林・林業の活性化についてのお尋ねのうち、森林・林業の活性化についてお答えいたします。  議員から御指摘がございましたように、本県の森林は戦後を中心に植林された杉やヒノキの人工林資源が充実期にございまして、木材として利用可能な面積は人工林の約八割を占め、育成段階から利用段階に移行している状況にございます。これらの人工林資源を有効に利用し、その収益を林業生産活動に還元することによって、植える、育てる、使う、そしてまた植えるというサイクルを円滑に機能させていくことが重要となっているところでございます。  このため、木材の生産拡大対策といたしまして、高性能林業機械の導入による木材生産コストの縮減や間伐材の出荷促進、さらには林業を支える担い手の育成などに取り組みますとともに、木材の需要拡大対策といたしまして、品質の安定した県産乾燥木材の供給促進や、学校などの公共施設やクリーク防災事業など公共事業への県産木材の利用推進などに、引き続き積極的に取り組んでいくこととしているところでございます。  また、議員から御指摘がございました森林整備加速化・林業再生基金事業につきましては、さまざまなメニューがあり、地域のニーズも高く、木材の生産拡大や需要拡大を図る上で非常に効果的な事業であると認識をしているところでございます。  議員から森林・林業活性化促進議員連盟の活動を御紹介いただきましたが、県といたしましても、国に対して本事業の平成二十七年度以降の継続及び拡充につきまして、先般五月の政府提案において要請を行ったところでございます。今後も機会を捉えて要請をしてまいりたいと考えております。  今後とも、林業に携わる関係機関・団体が一体となりまして、木材の生産から流通、加工、消費に至る取り組みを強化いたしまして、本県の森林・林業の活性化が図られるよう引き続き努めてまいりたいと思います。  以上、お答えいたします。 17 ◎議長(木原奉文君) 暫時休憩します。     午後零時四分 休憩 平成二十六年六月二十日(金) 午後一時三十分 開議  出席議員    三十五名     一番  江 口 善 紀  一五番     岡 口 重 文     三一番  伊 東 猛 彦     二番  原   康 彦  一七番     伊 藤   豊     三二番  石 井 秀 夫     三番  古 賀 陽 三  一八番     内 川 修 治     三三番  留 守 茂 幸     四番  服 巻 稔 幸  一九番     田 崎 信 幸     三四番  石 丸   博     五番  川 崎 常 博  二〇番     大 場 芳 博     三六番  竹 内 和 教     六番  定 松 一 生  二一番     古 賀 善 行     三七番  福 島 光 洋     七番  八 谷 克 幸  二二番     指 山 清 範     三八番  藤 木 卓一郎     八番  徳 光 清 孝  二三番     土 井 敏 行     九番  藤 崎 輝 樹  二四番     桃 崎 峰 人    一〇番  米 倉 幸 久  二五番     石 倉 秀 郷    一一番  向 門 慶 人  二七番     武 藤 明 美    一二番  坂 口 祐 樹  二八番     宮 崎 泰 茂    一三番  宮 原 真 一  二九番     稲 富 正 敏    一四番  原 田 寿 雄  三〇番     中 倉 政 義 欠席議員    一名    三五番  木 原 奉 文 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   古  川     康          副   知   事    坂  井  浩  毅          副   知   事    牟  田     香          統 括 本 部 長    西  中     隆          くらし環境本部長     古  谷     宏          健康福祉本部長      船  津  定  見          農林水産商工本部長    石  橋  正  彦          県土づくり本部長     副  島  良  彦          経営支援本部長      山  口  康  郎          文化・スポーツ部長    伊  藤     正          国際・観光部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       古  賀  俊  光          交通政策部長       西  村     平          会 計 管 理 者    西  村  宏  之          公 安 委 員 長    諸  隈  博  子          警 察 本 部 長    長  嶋     良          教 育 委 員 長    牟  田  清  敬          教   育   長    池  田  英  雄          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       中  島  博  文          同    副事務局長          議事調査課長事務取扱   蓮  把  邦  彦          総  務  課  長   向  井  久美男          政務調査室長       毛  利  明  彦          議事調査課参事      前  田  利  則          総務課副課長       松  本  定  利          議事調査課副課長     篠  田  博  幸          議事調査課議事担当係長  山  口  義  徳          同    議事担当主査  佐  藤  隆  一         ○ 開     議 18 ◎副議長(藤木卓一郎君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。 19 ◎川崎常博君(拍手)登壇=藤木副議長に登壇の許可をいただきました自由民主党の川崎であります。  私は前回、十一月議会で一般質問をさせていただきました。そのときも三日目の三番バッターということで、なぜか三日目の三番バッターに縁がありますけれども、皆さん、もう三日目でありますので、元気よくいきたいと思います。よろしくお願いいたします。  先日、物の本に競馬が成り立つのはなぜかというお話が載っておりました。かける人がいるからなのか、それとも真面目に真っすぐ走ってくれる馬がいるからなのか、その作者の方は人間の意見の相違があるから成り立つというふうに書いてありました。  県議会と県もいろんな場面で協力をしながらやっていくこと、また意見の相違があること、いろいろあると思いますが、向かう方向は一緒、県民の安心・安全、福祉の向上というところでありますので、ベクトルを同じにしつつやっていきたいと思いますので、そういう意味で執行部の方々には御答弁をよろしくお願いいたします。  それではまず第一問目、スマートウェルネス住宅について御質問をさせていただきます。  今日、我が国では急速な高齢化が進んでおり、同時に高齢者人口も急速に増加しつつあります。要介護者または要支援者の数は約五百万人、介護保険の総費用は年々増加し、平成二十四年度では実に八・九兆円にまで達しています。さらに、二〇二五年には団塊の世代が七十五歳に達し、要介護認定者などのさらなる増加が見込まれています。  このような中、安心・安全な住環境や生活支援、介護、医療サービスなどの安定した供給体制の確保を図ることが急務となっております。  もちろん、要介護者や要支援者の状態を望む人は誰一人としていないでしょう。健康で安心・安全な生活を送ることは老若男女、国民全ての願いであり、そのためにも予防医学の考えに立った取り組みが重要でありますし、その一つが今県が進めておられるロコモティブシンドロームの予防であると思っております。  また、高齢者を含め、現代人の健康要因の五〇%が生活習慣に起因すると言われる一方、約二〇%が生活環境──温度であったり湿度であったり──によるものであるという研究結果もあります。  例えば、冬場の屋内の温度差、いわゆるヒートショックを原因として健康を害し、介護の必要な状態になる高齢者の方が少なくないそうであります。  このようなことから、現在、健康の維持増進に資する住宅の普及が求められていると考えております。いわゆるスマートウェルネス住宅であります。  国は、平成二十六年度にスマートウェルネス住宅等推進モデル事業というのを創設しました。ここで、このことについて詳しく議論をするつもりはありませんが、御参考までに御紹介をしたいと思います。  住宅事業者等が医療や福祉関係者などと連携しながら行う、既存住宅の改修工事や普及啓発事業等の先進的な取り組みを公募、選定し、国がその取り組みを直接支援することによって、高齢者等の健康の維持増進に資する住まいづくりを推進するモデル事業であるというふうに聞いております。  これまでは、スマートウェルネス住宅について健康面のみにスポットを当ててお話をしましたが、片や経済面に目を向けてみると、もしこのスマートウェルネス住宅という考え方が定着をするとします。すると、まず住宅の建設やリフォームを担う住宅産業の育成につながってくる。結果として、この住宅産業界の発展、ひいては地域経済の活性化にもつながるものだというふうに思っております。  するとどうなるかというと、当然県の税収がふえてくる可能性があるというふうにも考えております。
     また、県民の皆さんが健康になることにより、医療費、介護費用の抑制にもつながってくるのではないかというふうに考えております。  もう一点、ストレス抑制の面から見ると、内装の木質化というのが非常に効果があるというような研究結果も出ておりますので、今、県も進めてもらっております県産木材の需要の増などにもつながってくるのではないかというふうにも考えます。  ちなみにこの内装の木質化というのは、見た目や香りというところが非常に効果的であるということで、集成材よりも無垢材を使ったほうがより効果が高いというような一部研究結果もあるようであります。  知事のマニフェストの中に、誰もがいつまでも健康でいられるように総合的に対策を進めるという一文がありました。また、エコハウスやユニバーサルデザイン対応などの住宅リフォームの支援というのも掲げられておりました。  このエコハウスというのは、何も環境やお財布に優しいということではなくて、住む人にも優しいということにもつながってくるかと思っております。  このような取り組みはこれからの時代にふさわしく、先進的な住まいづくりのための取り組みであります。医療や建築の研究機関である大学、行政とも連携して取り組んでいくべきだというふうに考えます。  ぜひ、産学官連携して、佐賀県においての効果的なスマートウェルネスな住宅という研究を進めてほしいし、県においてもいち早く取り組むべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いしたいというふうに思います。  続きまして二問目、三重津海軍所跡の活用に向けた取り組みについて御質問させていただきます。  本県佐賀市の三重津海軍所跡を構成遺産に含む「明治日本の産業革命遺産」は、本年一月に政府からユネスコに正式に世界遺産登録の候補として推薦をされ、現在も本年秋ごろまでに行われるであろうイコモスの現地調査に向け、佐賀県はもとより地元住民や関係者、国、世界遺産登録推進協議会を構成する九州・山口などの自治体が連携して、登録に向けた重要な詰めの取り組みが今現在進められているところであります。  先日、江口議員の質問に対するお答えの中で、知事はもう一押しと言わず、二押しも三押しも頑張ってやりますという力強いお言葉をいただきました。私はこの言葉を聞いて、登録間違いなしと気持ちを強くしたところであります。  さて、世界遺産に登録をされれば、私はされると思っておりますが、三重津海軍所跡にも多くの方々が訪れていただけるものと思っております。何といっても世界遺産でありますから。  実際、日本の世界遺産、これは上位ですけれども、二〇一三年ぐらいの統計でしょうか、第一位清水寺、五百十万人、二位が平泉、二百六十四万人、ずうっと続きまして十位の北海道知床であっても百二十六万人、ここまでとは言いませんが、非常に多くの方々に来ていただきたいし、来ていただけるだろうというふうに思っています。  もちろん、世界遺産の意義というのは、そういう観光面というよりも、先人に残していただいた全人類にとっての宝を守り、後世に伝えていくことであるというふうに思っております。  その上で近い将来、来ていただくであろう方々に遺産の価値や先人の偉業を御理解いただくためにも、今、検討すべき課題も多いというふうに考えています。  世界遺産委員会まであと一年、ついては世界遺産登録を見据えた活用に向けて県では今からどのように取り組もうとお考えなのか、文化・スポーツ部長さんにお伺いをしたいというふうに思います。  続きまして、第三問、英語教育の充実についてお聞きしたいと思います。  グローバル化が急速に進む中、外国語、とりわけ英語によるコミュニケーション能力の獲得に向けた教育の充実が求められております。  文科省におきましても、昨年、「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を策定し、重点的に取り組まれており、また、学習指導要領でも外国語教育の充実が求められているというふうに聞いております。  ただ、近年を見ても、果たして学校現場における英語教育が必ずしも成功であったかというと、私はそうは思っておりません。  なぜ日本人は英語がしゃべれないのかということをわかりやすく紹介したところがありましたんで、幾つか問題点を言ってみたいと思います。  まず、受験が優先されるという現状です。そのために教科書どおりに進めなければいけない。また、授業ということで、欧米あたりと違ってなかなかディスカッションの場が少ない。加えてリスニングが強化をされない。  それから、英語教師の質の問題です。日本の授業で使われている英語が実際に使えない。シーンに合っていない、世代に合っていないということも指摘をされております。  それから、発音を軽視しがちです。ニュースやドラマ、映画、音楽などの活用が少ないというような問題点が指摘をされております。  ちなみに教育長さんは英語は御堪能ですか。──ああ、だめですか。たしか黒岩部長さんが非常に御堪能だと新聞で拝見をしました。多分非常に努力をされたんだろうなというふうに思っております。  佐賀県でもいろんな取り組みをしていただいております。総合計画二〇一一の中でも国際的視野と外国語によるコミュニケーション能力を身につけさせるためのいろんな取り組み、例えば、佐賀県の子供たちを毎年五十人海外に留学というチャンスも与えていただいております。  また、知事のマニフェストの中には、「すべての県立高校をはじめ、多くの学校が海外に姉妹提携校を持つように支援」、海外ですから英語とは限りませんでしょうが、世界の公用語が英語であるということを考えれば、多分そういう場がふえれば英語の活動の場もふえていくんだろうなというふうに思っておりますが、海外留学については、今、志望する人が少ないということが再三言われております。  これは全国のデータですけれども、二〇〇二年にアメリカの大学へ留学する生徒の数が中国では六万三千人、インド六万六千人、韓国四万九千人、日本が四万六千人、そう差はありません。これが十年後の二〇一二年になると、何と中国十九万人、インド十万人、韓国七万人、日本は一万九千人。唯一減っておりますし、もう既に中国と一〇倍の差がついております。  今後、国際化、グローバル化の中で、アジアの中で競争していかなければならない若い世代が、留学だけが全てとは思いませんが、こういう現状ということを考えると、非常に暗たんたる気持ちにならざるを得ません。  具体的に英語が使える日本人を育成するための戦略というのが二〇〇二年には打ち出されておりますが、どういうスキルかというと、中学卒業までに英検三級、高校卒業までに準二級、そして、大学を卒業したときにTOEIC七〇〇点程度、具体的にはこの辺だろうというふうに言われております。  しかしながら、英検三級程度を身につけたと思われる中学生は、平成十九年に三二%、高校生で準二級、平成十九年で三〇%、実に全体の三分の一しか目標を達成しておりません。  かくいう私も英語は全くだめであります。前職がプロパンガス屋でありましたので、LPGぐらいは知っておりますけれども、私もやる気のないと言ったら言い過ぎでしょうか、この英語教育の犠牲者であります。  また、学校の先生、先ほど教師の指導力というところが言われておりましたが、生徒の英語力を問う場合には、もちろん先生の英語力も重要になってきます。TOEICでは七百三十点、英検準一級が一つの目安だというふうに言われておりますが、中学校の英語教師でこの基準に到達しているのは二四・二%、高校の英語の先生で四八・九%というデータがあります。  また、これらのテストは一〇〇%の先生が受けたわけではありませんで、実際に中学校の先生で、五七%の先生が受けた中での二四・二%、高校においては、六九%の先生が受けた中での四八・九%ということであります。やはり気がかりでなりません。  そういった中で、これまでも重要性が言われ、現在さらに重点化されている英語教育には、より効果的な取り組みが必要ではないかというふうに考えております。例えば、英語能力を測定する統一テストを実施し、その結果を次の教育活動に生かしていくなど成果と課題を把握し、そこから授業改善を図るための取り組みを充実させていくことなどが考えられるのではないかというふうに思っております。  そこで、今後ますます英語によるコミュニケーション能力が求められる中、本県の英語教育の現状と県教育委員会としての英語教育の充実にどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いをします。  最後、四問目であります。子供の自殺対策について質問したいと思います。  平成十年に全国の自殺者数は初めて三万人を超え、三万二千八百六十三人、以来連続して十五年間、三万人を超えておりましたが、平成二十四年、十五年ぶりに三万人を切りました。二万七千八百五十八人、平成二十五年度においても二万七千二百八十三人ということですから、二年連続三万人を下回り、一定の取り組みの効果が出ているのではないかなというふうには見られております。  本県においても、自殺者数は平成十一年以降、毎年二百人を超えておりましたが、ここ数年は減少傾向にあり、平成二十五年は百八十二人と、十五年ぶりに二百人を下回ったというふうに聞いております。  しかしながら、皆さんも耳にされたでしょうか、ショッキングなニュースが聞こえてきました。六月三日に発表された自殺白書で、日本は十五歳から三十四歳の若い世代の死因の第一位が自殺であります。こうした状況は国際的に見ても深刻であり、先進七カ国の中でも日本だけだということであります。この少子化の中で、国の存亡にかかわる問題であるというふうに認識をしております。  また、きょうの新聞に、昨日、文科省が児童生徒の自殺に関する実態調査の結果ということで、自殺予防に関する有識者会議に報告した問題点というのが報道されておりました。  その調査結果では、学校的背景では進路問題、家庭的背景では保護者との不和、個人的背景では精神科の治療歴ありなどが自殺の大きな要因であるという内容となっておりました。実際、自殺の原因、動機というところで、高齢者になればなるほど健康問題というのが一様に原因であるというふうな調査結果がある一方、若い方々ではさまざまな原因による自殺、要するに原因がさまざまであるということであります。  本県の子供の自殺者については、十九歳以下で平成二十四年、平成二十五年はそれぞれ二人と人数は少ないんですが、少子・高齢化が進行し、人口減少社会となっている中で、このような事態は非常に残念であります。子供たちから自殺を何とか防ぐことができないかというふうに思わずにはおれません。  そこで、次のことについてお伺いをしたいというふうに思います。  まず、自殺者の状況についてであります。  佐賀県内の自殺者の状況はどのようになっているのかお伺いいたします。  二番目に、自殺対策の取り組みについてであります。  県では、自殺対策のためにどのようなことに取り組んでいるのか。また、自殺を減らすために、今後どのようなことに取り組んでいかれるのかお伺いをします。  最近、たまたまですが、ホームページといいますか、ネットで茨城県の阿見町というところのホームページの中に、「こころの体温計」というページを見つけました。  これは、いろんなチェック項目がありまして、ネットの来訪者の方がそれにチェックを入れていくと、今の自分の状況といいますか、心のありようが自分でチェックできるというページであります。  金魚鉢の中に金魚が泳いでいます。これが自分であります。中には黒い金魚がいます。これは対人関係。それから、金魚鉢の横で猫が金魚を狙っております。これが大きな外的ストレス要因、社会的なストレス。それから、状況が悪いと金魚鉢自体にひびが入ります。これは住環境のストレス。また、その結果、自分の精神状態がどういうふうに落ち込んでいるかということが水の濁りであらわせる、ビジュアル的に非常にわかりやすいといいますか、興味──興味といいますか、関心を持つには非常にいいものでありました。  ただ、もちろん医学的に正確に判断をするというものではありませんので、あくまで関心を持っていただくということでありますが、これだったら多分、子供さんでもちょっとやってみて、何か最近弱っとっとかなというようなことがわかりやすいのではないかなという、こういう取り組みもありました。  で、先ほど聞いたように、今後どのようにやっていくのかお伺いをしたいというふうに思います。  三番目に、学校現場における取り組みについてであります。  こういう言葉の使い方がいいのか悪いのかよくわかりませんが、本当に若い方が自殺をして命を落とされると、非常にもったいないという気持ちが強いわけであります。ほかのいろんな施策であったり、成果指標であったり数で、ある目標というのは、いろんな場面で行政では使われますが、事この自殺問題に関していえば、ゼロを目標に、命にかかわる問題ですから当然ですけれども、ゼロを目標にやってほしい、やるべきである、そこに挑戦をしなければならないというふうに思っております。  子供を自殺から守るために、学校現場では現状を踏まえてどのような取り組みを行っていらっしゃるのか、これは最後に教育長にお聞きをしたいと思います。  以上四問、よろしくお願いいたします。 20 ◎古川知事 登壇=川崎常博議員の御質問にお答えします。  私からは、スマートウェルネス住宅の取り組みについてお答え申し上げます。  人口減少や高齢化社会が進展していく中、あるいは、こうした高齢者、障害者、さまざまな方々が施設から地域へ移行していく中、多様な状況の方々が同じようなところに住まい、交流して、安心、そして健康に暮らすことができるということは、まさに私どもが掲げているユニバーサルデザインの理念そのものだと考えています。  そういう中で、住まいというものは一番長く暮らす空間でもございます。健康であること、気持ちよいこと、そして、できれば経済的であること、こうしたことが何より必要だと思っています。  スマートウェルネス住宅というのは、このような問題意識のもと、これからの住まいづくりの担い手であります住宅事業者の方々が、地域の医療や福祉関係者と一緒になって、健康と住宅というものの関係を調査していこうという取り組みであります。そして、モデル住宅をつくって、どういう方々に住んでいただければいいのか、またそれを普及していく際に何が課題になっていくのか、そういったことをやっていこうという取り組みでございまして、私どもとしては、これからの時代を考えたときには大変に意義深いことと考えております。  県としては、この住宅をこれからどのようにしていくべきなのかということについては、佐賀県住生活基本計画というものを持っております。これは住宅の基本計画ではなく、住生活基本計画というところがポイントでございまして、これは単に住むところ、雨露をしのぐところがあればいいというのではなく、健康で豊かな住生活を送るためにはどのようにしたらいいのかということで、さまざまな住宅施策にこれまでも取り組んでいるところでございます。  このスマートウェルネス住宅と称される住宅を目指した取り組みというものについては、私どもとしても大変関心を持っているところでございます。現在、その担い手となる事業者の公募がなされている段階だと承知をしております。  県ではこれまでも、例えば、公営住宅の一部を障害者が住まう在宅系の施設のために開放したりなど、さまざまな方々が一緒に暮らしていくということに対する施策を展開したり、また、これからは身近な移動手段の確保というものとあわせ持って、さらには人口問題がどう変化していくのかということを考えたときには、地域のどこかにみんなが一緒に住んでいくということを考えなくていいのかという問題意識を持っております。その際に、このスマートウェルネス住宅の考え方というのは非常に参考になるものであると考えております。  議員からは、産学官連携のもと、いち早く佐賀県としても取り組むべきであるということの御指摘をいただきました。その御指摘を踏まえまして、私どもとしてもこの動きにいち早く対応をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 21 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私のほうからは、子供の自殺対策について、二点お答えをいたします。  まず、本県における自殺者の状況でございます。  本県の自殺者数の状況としましては、中高年の男性が占める割合が高く、過去五年間で見ますと、全体の自殺者数千九十二名ですけれども、このうち四十歳以上の中高年男性が六百二名で、全体の五五・一%を占めております。一方、十九歳以下の自殺者数は、過去五年間で十七名亡くなられておりまして、全体の一・六%となっております。  自殺の要因といたしましては、全体では健康問題と経済、生活問題の割合が合わせて五九・三%と半数以上を占めておりますのに対しまして、十九歳以下では、家庭問題と学校問題が合わせて六二・五%を占めている状況となっております。  次に、自殺対策の取り組みについてということでございます。  県では、自殺の要因がさまざまな分野に及ぶことから、警察本部や医師会、弁護士会、さらには支援団体などで構成する自殺対策協議会を開催するなど、多方面の関係者とともに自殺対策に取り組んでおります。  特にこれまでは中高年男性の自殺者数が多かったことから、職場におけるメンタルヘルス対策や、かかりつけ医から精神科への紹介システムなど、労働面や医療面からの取り組みを強化して実施してきたところでございます。  一方、若年層に対しましては、児童虐待防止対策の推進でありますとか、児童相談所や精神保健福祉センターなどにおける相談支援、ニートと言われる若者の自立支援など、未然防止や早期対応という観点から、自殺対策に取り組んでいるところでございます。  また今年度からは、これらに加えまして、大学生を対象とした心の健康チェックや健康教育を新たに実施することによりまして、若年層に対するさらなる自殺対策の強化を図ることとしております。  いずれにいたしましても、自殺を防ぐには、悩んでいる人に周囲の人が早く気づき、適切に対応すること。それと、困ったときには、一人で抱え込まずに身近な人に伝えることが重要でございます。これらのことを多くの人に理解していただけるよう、学校等関係機関と連携をとりながらしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 22 ◎伊藤文化・スポーツ部長 登壇=私からは、大きな問いの二番、三重津海軍所跡の活用に向けた取り組みについてお答えいたします。  議員からは、三重津海軍所跡の活用に向けてどのように取り組むつもりなのかという御質問でございましたが、県といたしましても、三重津海軍所跡を訪れた方に、遺跡の価値や幕末佐賀藩の偉業について理解を深めてもらうとともに、来てよかったと思っていただけるような見せ方の工夫や周辺の環境整備など、さまざまな課題について佐賀市とは情報を共有しておりまして、その解決に向けた取り組みを進めていかなければならないと考えております。  三重津海軍所跡に関しましては、次代を担う子供たちに、それを築いた先人たちの偉業を知り、地域の誇るべき宝として守っていく心を育てるといった教育的活用が非常に大切なことと考えておりますが、特に三重津海軍所跡に世界遺産というブランドが加われば、本県の情報発信の重要な資源として観光面での活用にも寄与することになります。そこにどう取り組むかということが重要な課題の一つと考えております。  ただ、観光的側面の活用につきましては、埋蔵文化財の性質上、実物を見せることができないことに加えまして、文化財保護法や河川法、さらにはバッファーゾーンと呼ばれる周囲の景観を保護するための区域の設定によりまして、新たな構築物の設置が禁止されております。そのような前提条件のもとでどういうことができるのか、私たちだけで考えるのではなくて、展示や表現方法に知見をお持ちの有識者やクリエーターから意見を聴取したほか、来訪者の視点で旅行会社の意見も伺いました。また、外国からのお客様も想定されることから、外国人留学生の方にも感想をいただくなど、いろいろな角度から活用方法について検討しているところでございます。  幕末佐賀藩の先人たちの功績は大きな価値を有するものですが、その価値という見えないものをどのように伝えていくのかと、来訪者の興味、関心を呼ぶためにどうすればいいのかといったことについて、引き続き検討を進めていくこととしております。  議員御指摘のとおり、世界遺産委員会まであと一年と迫っている中に、いろいろな課題の中には、佐賀市単独で取り組むもの、あるいは県や国等と連携して取り組むものなど、さまざまなものがあります。私は、県として今一番大事なことは、イコモスの調査にしっかり対応して、登録をかち取ることだというふうに考えておりますが、先を見越した利活用の検討も重要な課題であることも十分認識しております。  佐賀市の世界遺産登録推進室と県の世界遺産推進室でしっかりと意思疎通を行い、それぞれの課題にどのように対応していくのか、観光や教育を初めとした関係部局を巻き込んで協議する連絡会議を立ち上げるなど、課題の解決に向けた取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 23 ◎池田教育長 登壇=川崎議員の御質問にお答えいたします。  まず、英語教育の充実についてのお尋ねがございました。  先ほど議員さんから、壇上から私のほうに向かって英語力はどうですかとお尋ねがありました。私は思わず首を横に振ってしまいましたけれども、議員の説の中にありましたように、私のころの勉強というのは、まさに受験英語だったんだなという反省をしているところでございます。  そこで、現在の佐賀県の英語教育について、まずお答えをさせていただきます。  本県教育の基本方針におきましても、「グローバル化に対応した教育の推進」を掲げ、世界で活躍する人材づくり事業として、体験的な英語活動や海外留学の推進、英語コンテストの奨励、教員の海外派遣研修などに取り組んでいるところでございます。  また、学校における英語教育の充実を図るために、県としては主に二つの柱で取り組んでおります。  一つは、英語のコミュニケーション能力の向上を目指した授業の充実を図ることでございます。小学校、中学校、高等学校に研究指定校を設けまして、英語の使用機会をふやすことや、学習意欲の向上につながる授業の工夫改善を図る研究を行いまして、県全体への周知に取り組んでいるところでございます。さらに、高校の英語の授業では、英語で行うことを基本としており、英語の使用機会をふやす工夫を行うなど、英語によるコミュニケーション能力の向上を目指した取り組みを行っているところでございます。  また二つ目は、指摘ありましたけれども、英語の指導力向上を図ることでございます。小学校外国語活動研修会や中学校外国語教育研修会の実施、高等学校では英語の到達目標設定や評価についての研修を行いまして、英語力の総合的な育成に資するための研修に取り組んでおります。生徒の英語力の検証方法につきましては、高等学校では、例えば、普通科高校十校で英語の力を総合的に評価するテストを実施し、英語教育の改善に生かしております。また、専門高校九校で英語の検定試験を行い、学習意欲の向上に生かしているところでございます。  今後のことですけれども、今年度は、これまでのこうした取り組みに加えまして、小学校から高等学校までの系統的な英語教育の充実を図るため、外国語教育充実プラン事業に取り組んでいるところでございます。この成果を県全体に広めることで、佐賀県の子供たちの英語によるコミュニケーション能力向上につなげていきたいと考えております。  いずれにいたしましても、県教育委員会といたしましては、小学校、中学校及び高等学校での英語教育の充実を図るため、教員の指導力向上や外国語活動や英語の授業の改善、児童生徒の英語学習に対する意欲の喚起が必要であると考えておりまして、国際的な視野を持ち、外国語によるコミュニケーション能力を備えた、国際社会で活躍できるような人材の育成に重点的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  次に、子供を自殺から守るための学校現場における取り組みについてのお尋ねでございました。  学校は、児童生徒が将来の夢や目標に向かって、心身ともに成長する場であり、健全な人間関係や自己解決能力を養う場でもございます。しかし、中学校、高等学校の思春期におきましては、人間関係や病気から孤立感を覚え、一人で悩みを抱え込む生徒もおります。  各学校におきましては、児童生徒と関係が深い担任や養護教諭が中心となり、また全教職員が、児童生徒の日々の心や行動の変化に気づくゲートキーパーとして、生徒指導上のさまざまな問題についてきめ細やかな対応を図っているところでございます。  また、道徳や特別活動の時間を初め、授業の中でも命の大切さや重さを実感させる取り組み、自己肯定感や人間関係を高める取り組みを行いますとともに、県内全公立小中学校におきましては、保護者や地域の方々に道徳の授業を公開する「ふれあい道徳教育」を通して、家庭及び地域を含めた心の教育を行っているところでございます。  県教育委員会では、児童生徒の悩みを受けとめ、心のケアに努めるために、全公立学校にスクールカウンセラーを配置しますとともに、二十四時間心のテレホン相談窓口を設置するなど、児童生徒の相談体制を整えてきているところでございます。
     いずれにいたしましても、現在、国を挙げて取り組んでおります道徳教育の中で、文部科学省が作成した教材であります「私たちの道徳」を活用するなど、人権教育や命の教育の充実を図りますとともに、教職員の資質向上や児童生徒がみずから自己有用感を高め、将来に夢や目標を抱いていけるよう、家庭や学校、地域一体となった児童生徒の健全育成に努めてまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上です。 24 ◎川崎常博君 登壇=二点だけ再質問をさせてください。  スマートウェルネスについては、いち早く対応していきたいというお答えがありましたので、これはぜひやっていただきたいと思います。なぜならば、民間にとっても、県民の皆さんにとっても、業界にとっても、県にとっても、多分プラスになるようなお話だろうなという思いですから、これはしっかりやっていただきたいと思います。これは要望です。  世界遺産の件ですが、古川知事のマニフェスト、これもまたマニフェストの中に、「国の内外からの観光客を倍増させます。」とありました。それを受けて、国際・観光部も立ち上げをなされました。  もちろん観光に利用するという意味ではありませんが、せっかくこれだけ注目をされる世界遺産、まだなるかどうかはわかりませんが、もう本当に佐賀県にとっては二度とない観光資源をどのように活用していくのか。しかも、もう来年という話であります。これは本当に大きな観光戦略の目玉、僕はなっても、ならなくてもそうだろうというふうに思うんですね。  先ほど文化・スポーツ部長さんにお伺いをしましたが、もちろん佐賀市云々という話もありますけれども、この問題は、我々県民のアイデンティティーにかかわる部分でもあると思っていますので、教育にとっても大事、文化財云々というところにとっても大事、観光にとっても大事ということであれば、僕はぜひ早急にやっぱり県庁内に、世界遺産推進室を中心でも結構ですから、そういう何かこう、利活用のプロジェクトチーム、国際・観光部も引き込んで、教育委員会も引き込んでというようなことをぜひやってほしいと思うんですね。もう時間はありません。佐賀にとっての「あれ」になり得るかどうかの瀬戸際でありますので、ここは何か連携をしてやっていきますというような話ではありましたけれども、そこについて知事さんのお考えをお聞きしたいというふうに思います。  それからもう一点、英語教育についてであります。  非常に難しい問題であるというのはわかっております。生徒さん本人のやる気、意気込みも重要だろうというふうに思います。  我々の時代は、英語を話せなくても、頑張れば何とかやっていけました。現在、グローバル社会に、世界に羽ばたく人材というふうによく言われますが、ひょっとすると十年後あたりに、英語を話せないと、例えば仕事もない、もうこれだけ人口減少社会で内需の拡大が見込めない中で、全ての多くの企業が海外にシェアをターゲット、狙っている中で、悠長なことを言っている暇はないのではないかというふうに思います。であれば、現在の文科省、もちろん県の教育委員会においても、その子供たちに対する責任というのは非常に重いものがあるというふうに思います。多分次の時代は、英語を話せないと非常に困難な人生を歩まざるを得ない可能性もあるというふうに思っています。  現状やっていらっしゃることも、今後取り組むこともいろいろ言っていただきましたが、私の耳には全て文科省の指導要領の中での、何といいますかね、メニューみたいな感じに聞こえました。僕はここはぜひ、佐賀県独自であっても、もちろんいろいろ縛りがあるのはわかります。わかりますが、佐賀県独自であっても、本当に英語を話せる、使える生徒さんたちを育てていくという意気込みで、もっと抜本的に、機動的に、攻撃的にといいますか、英語教育について先生のスキルアップも含めてやっていかないと、十年後、二十年後の生徒さんたちに対して責任はとれないというふうにも思いますので、そこのところで改めて教育長さんの思いをお話しいただければというふうに思います。  以上二点、よろしくお願いします。 25 ◎古川知事 登壇=川崎議員の再質問にお答えします。  私からは、三重津の海軍所跡の世界遺産の活用についてのお尋ねでございます。  この三重津の海軍所跡が世界遺産になれば、ほかの世界遺産とやや違って、九州・山口、さらには岩手県に至るまで、全国各地の遺産が同時に指定を受けることになります。となると、一般的なイメージとして、その一連の遺産群をあちこち回ってみようという人たちがたくさん出てこられると思うんですね。そうしたときに、この三重津の海軍所は跡地なものですから、行っても、ただ単に川が見えるだけということにしかならないわけであります。このままでは、世界遺産に指定を受けたときに、来たけれども、何にもなかったということがフェイスブックでみんながアップしてしまうということで、とんでもないことになるということの危機感を私は持っておりまして、もう随分前から、そうなるとまずいので、何か目に見えるものをつくり上げるということを考えるべきだと常々申し上げてきました。  そういったことを受けて、担当のほうでも、この展示や表現方法に知見をお持ちの方の有識者やクリエーターから意見を聴取したという答弁を部長がいたしましたけれども、それは、そういったことによるものなんですね。  確かに、あそこの部分に有形のものをつくり上げるのは、いろんな規制がかかってなかなかできません。そのときに私が、ちょっと今どうなっているのかわからないので、私の個人的な意見ということになるのかもしれませんけど、申し上げていたのは、プロジェクションマッピングのような、要するに有形のものではなくて、デジタル技術を使って、その当時がどうであったかということを表現するようなことができないのか。例えば、今だったらグーグル眼鏡みたいなものがあります。ああいう3Dの眼鏡とか、新しい眼鏡をかけて見ると、当時どういう様子だったのかというのが、例えば動きというか、動画でそういったものを、何か3Dみたいな感じで見ることができるとか、そういったことを何か考えなければ、あそこの場所は今のままで、ボランティアの方とかが多分説明はしていただけると思うんですけれども、魅力のある観光地にならないし、何より、せっかく住民の皆さんの盛り上がりで指定を受けても、住民の皆さんたちも、来られた方々に対して何をどうお話ししたらいいのかわからないというということになってしまうんではなかろうかと思っております。  それとか、例えば固定したものが無理であれば、船を浮かべたらどうだというような議論もいたしました。当時の凌風丸そのものを復元しようとすると、今の日本の法律に反するようでございまして、極めて細いものだったようでして、それを浮かべると多分かなり危ないものになってしまうだろうということで、そうであれば今の法律に従わざるを得ませんけれども、例えばの話、琵琶湖に浮かんでいるミシガンのような、ああいう大きな船とは言いませんが、例えばあそこの三重津の海軍所跡地に近いどこかの船着き場から、福岡県になるんでしょうか、三池の世界遺産のところまで船を時々航行させるようなことができないだろうかとか、何かそういったことを、我々はかなり中で議論をしていたところでございます。  今、担当部長に確認をしましたが、そういう議論はあったものの、内部での検討会議とか連携会議みたいなものはまだできていないということでございましたので、至急そういったものを立ち上げて、何とか間に合うように、いいものを準備するように検討を指示させたいと思います。  恐らく、事務的にはとにかく地道にこつこつと登録に向けての準備をして、そしてその上で、どうやったらお客様に来ていただけるのかということを、ステップで考えているんだと思いますが、もう私がこの場からも何度も申し上げておりますように、今の時代は一遍悪い評価を得たものを変えるのはとても難しい時代になっておりまして、世の中に存在した瞬間にいいものであるかどうかというのが問われていると思っております。  だから、一遍何かスタートしたものをどんどん改善させていけばいいというふうにはなっておりませんで、特に観光地のような、人々が選ぶか選ばないかみたいなやつは、「いいらしいよ」とか「何かすごからしかばい」とか、そのようなうわさが広まるとみんなが見に来ます。でも、「行ったばってん、何もなかったぼ」というような話が広まると、誰もそこを選んでくれないようなことになるのではないかということを大変心配をしております。  議員からも御指摘ありましたように、この三重津の海軍所跡地は、恐らくは佐賀県における唯一の世界遺産の候補地であろうと思っておりますので、この貴重な機会を逃すことなくいい形で活用できるように、早急に対応について取り組みをさせていただきます。  以上でございます。 26 ◎池田教育長 登壇=川崎議員の再質問にお答えをさせていただきます。  佐賀県の英語教育にかける私の思いといったものを聞かせていただきたいというふうなことだったろうと思います。議員の御指摘の中には、佐賀県がどうも文科省の範囲内でやっているんではないかといった御指摘もあったかと思います。  一つ例を挙げてみますと、平成十九年から二十一年にかけまして、県単独で小学校外国語活動のための教員の悉皆研修を実施しております。そういったことを受けまして、玄海町は今、小・中・高一貫した指導のあり方の研究なども取り組んでいるところでございます。こうしたように、文科省だけではなく、私どもも独自でいろいろな取り組みをしているところでございます。  議員御指摘がありましたように、十年後には本当に英語ができなければ仕事がないような状況になるのではないかと、そういった危機感は私どもも持っております。急速にグローバル化が進む時代というのは、激しい変化の流れの中で、まさに国際協力が求められる時代でありまして、あらゆる分野において国際的な視点なくしては物事が進展しない状況にあると、これは議員の認識と私も一緒だと思っております。一方では、異なる文化、文明の中にあっても、調和や共生を旨としまして、それぞれの立場で活躍できるような子供たちに育成することも求められていると思っております。  時代の要請に応えまして、広く国際社会で活躍し貢献できる人材へと育っていくためには、さまざまなスキルの向上が求められると思いますけれども、中でも、議員から御指摘のありましたように、自由に操ることができる実践的な語学の力、特に英語力の習得、それから最初の質問の中でもありましたけれども、明確な意思表示ができるような交渉力とかプレゼンテーションの習得、そういったものが必要だというふうに考えております。  こうしたことを念頭に置きまして、一人一人の適性や能力に応じたきめ細かやでわかりやすい授業を目指すなど、授業改善を初めといたしまして、英語教育の充実を図り、時代の要請に応え、また学校教育への期待に応えるべく努力してまいりたいというふうに考えております。 27 ◎古賀善行君(拍手)登壇=自民党の古賀善行でございます。副議長より登壇の許可を得ましたので、通告に従いまして順次質問を開始していきたいと思っております。  きょうはたくさんの応援団も見えておりますので、自然と張り切らざるを得ないかなという気がいたしております。  それでは、ただいまより質問を開始いたします。  まず一番目、「さが桜マラソン」についてでございます。  桜マラソンについてというよりも、自治体が主催する、あるいは共催するマラソン大会そのものについて、ちょっと言葉はオーバーですが、私は懐疑的な考え方をしておりました。今でもそう思っております。  参加者は高い参加料を払って、四十二キロも走って、死ぬような思いまでして、何が楽しいんだろうと思っておりましたし、主催者側も多額の税金を使ってやる価値があるのかどうか、もっとほかに有効な使い道があるんじゃなかろうかとか、数千万円使ってやるものなのかどうか、そういう考え方を持っておりましたし、今もそう思わないわけじゃないわけです。  ところが、四月六日の桜マラソンのスタート会場に行って見ますと、ランナーだけで一万人、スタッフ、ボランティアを含めますと、何万人という人々が和気あいあいと、そして、思い思いのユニフォーム、あるいは服装で参加されておりましたし、特に女性の方々は非常にカラフルで、やけに楽しそうなんですよ。周囲の人々も妙な高揚感がありまして、あーはー、これがマラソンかなと思いました。  それともう一つは、一人のランナーの言葉でございますが、この方は、私の家のすぐそばに十戸程度の団地がございますが、そこの住人の一人で、桜マラソンに参加したそうです。年は三十六、七歳ぐらいで男性ですが、この方の参加動機が非常に単純で、会社の社長が誰かマラソンに出る者はおらんかと、うちの会社からも誰が出せという、いわば社長命令みたいなもので、そしたら、そこにいた社員の中でその人が一番若かったということもあって、そんなら、自分が出ましょうということになったそうであります。  もちろんこの人は一回もマラソンは走ったことはないそうでして、ただ、体型はからっとして、見るからにスポーツマンみたいなタイプで、何か野球とか、サッカーとかをやっていたのかもしれません。ただ、マラソンは一回も走ったことはないと、ジョギングもほとんどしたことがないということで、どうしようということで、一カ月ぐらい前から嘉瀬川の堤防をずっと北上しまして、石井樋の辺まで三回程度走ったそうです。距離は結構ありますので、最初は片道ぐらいで、三回目にやっと往復走ったということで、そして、桜マラソンに臨んだそうです。  その人は、最初は非常に順調で三十キロぐらいまでは快調に走れたそうですが、三十キロを過ぎたころから全然足が動かなくなったそうでして、いわゆる足は痛いし、膝はがくがくだし、もう走れないということで休んでは少し走って、また歩き、休んでは少し走って、また歩きということで、何とかゴールにたどり着いたそうです。  そうしてゴールにたどり着いたそうですが、タイムが何と四時間台後半だったそうでありまして、本人に言わせれば、最初にしてはまあまあそこそこのタイムだったんじゃなかろうかということを言っておりました。  その走ったのはいいんですが、また、その後が大変で、とにかく一週間ぐらいは自分の体じゃないんじゃなかろうかと、とにかく歩くのも、座るのも大変で、もう何とも言えん状態だったそうです。そういう思いをしておりますので、「もう来年は走らんみゃあだい」ということを言いましたところ、間髪を入れずに、「いいえ、来年も出ますよ。タイムを四時間台前半を狙いますよ」と言うんですね。そんな思いまでして次も出たいと思わせるマラソンとは、一体何なんだと思っておりまして、これからは少し考え方も変えんといかぬかなという思いをしております。  そういう思いで、この質問を取り上げました。若干前語りが長くなりましたが、早速質問を開始いたします。  フルマラソン化されて、今年が二回目となる「さが桜マラソン」が四月六日に開催されました。昨年度に引き続き、本大会は全国から約一万人ものランナーが参加され、沿道では約七万人の方々がランナーに温かい声援を送られ、大会を盛り上げていただきました。また、まだ肌寒い中、多数のボランティアスタッフがランナーへの給水や沿道での応援者の整理などに協力され、まさに県民みんなで大会を支え、盛り上げた印象であり、佐賀県を代表するイベントとして定着しつつあると感じているところであります。  また、招待選手として国内のマラソンのみならず、海外マラソンでも優勝されている川内選手なども参加され、大会の盛り上げに一役買ってもらったところであります。  加えて、コース途中やゴールの会場では、「さがほのか」や神埼そうめん、小城羊羹、丸ボーロなどの佐賀県産の食べ物が提供されまして、いずれも好評で、佐賀県のアピールにも大いにつながったと思っております。  今後も引き続き、たくさんのランナーが参加して、楽しんでもらえるとともに、応援に来られた方々など、より多くの方にも喜び、楽しんでいただき、また、来年も参加したいと言ってもらえるような大会になることを期待しているところであります。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず一点目は、大会を終えた感想についてでございます。  昨年に引き続き、今年も「さが桜マラソン」は成功裏に終わることができましたが、まずは、大会を終えた感想を知事にお伺いいたします。  二点目は、次回大会開催に向けての改善点についてでございます。  参加したランナーから評価は高かったと聞いておりますが、実際に大会を開催してみて、課題もあったかと思われます。次回大会を見据え、さらに満足度を高めるために、どのようなことに取り組んでいかれるのか、文化・スポーツ部長にお伺いいたします。  二番目、消費税率引き上げ後の県内経済の動向についてでございます。  この件につきましては、一般質問初日に我が会派の指山議員が質問されましたし、知事が懇切丁寧に答えられました。指山議員の質問の趣旨は、県経済の現状の認識と今後の見通しについてという質問だったかと思っております。私の質問は、現状認識と今後の県の対応についてということですので、現状認識については指山議員と同じですので、取り下げたいと思います。ただ、今後の県の対応についてのみ、農林水産商工本部長にお伺いしたいと思います。  三番目でございます。新たな国際戦略についてでございます。  県では、平成二十三年六月に、佐賀県国際戦略「世界とつながる佐賀県行動計画」を策定されまして、中国を初めとした東アジアを当面の主たるターゲットエリアと位置づけ、瀋陽、香港、上海の海外拠点による現地の活動も含め、幅広い分野で本県の国際化を推進されてきたところであります。  そして今回、本県の国際化が次のステージに進んでいくことを目指し、世界の一員として発展していくための取り組みを取りまとめた新たな佐賀県国際戦略「世界とともに発展する佐賀県行動計画~羅針盤~」を策定されたところであります。  この新たな国際戦略において、東アジアはもとより、世界各地域に視野を広げ、取り組む分野の目的に応じて、ターゲットエリアを見極めていくこととされており、その考え方には賛同するものでございます。特に近年、安定した経済成長を続けてきた東南アジア地域は、県内企業においても製造業を中心として関心が高く、また、訪日観光ビザの緩和による訪日観光客の増加が期待されるなど、重要なエリアだと認識いたしております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず一点目、海外拠点の成果と課題についてであります。  瀋陽と香港の海外事務所、そして、現在、商工ビル内に設置してある上海デスクの計三つの海外拠点を開設して三年弱が経過しておりますが、これまでの成果や課題はどうなっておるのか、国際・観光部長にお伺いしたいと思います。  二点目、東南アジア地域での展開についてであります。  中国は市場としての重要性は依然として高いところでありますが、近年、我が国との国際間の緊張関係や経済成長の鈍化、人件費高騰などによる生産コストの上昇などといった不確実性、いわゆるチャイナリスクが顕在化いたしております。  一方、東南アジア地域は、近年、安定した経済成長を続けており、国際社会における存在感が急速に高まっております。新たな国際戦略では東南アジア地域をどう位置づけ、どう取り組みを展開されていくのか、知事にお伺いいたします。  三点目、九州各県共同による海外事務所の設置、運営についてということであります。  さきに述べたように、東南アジア地域は製造業を中心とした企業の海外展開や観光客誘致など大変重要なエリアだと認識いたしております。  しかしながら、多くの自治体が東南アジア地域に注目する中、一地方自治体である佐賀県が独自に事業を展開しても、やはりそこには限界があるんじゃなかろうかと考えております。  そこで、東南アジア地域において九州各県が共同で海外事務所を設置、運営することにより、九州各県が一体となったオール九州での活動が展開可能となり、各県の特徴や強みを生かした相乗効果も期待できるものと考えておるわけでございます。  また、こうしたことが将来的には、例えば九州各県が共同で、東南アジア地域の大変おくれております生活インフラ、特に上下水道などの整備を、ハードは企業、ソフトは自治体というコラボも考えられますし、ほかにもいろんなインフラ整備に協力するといったことも可能にするのではないかと考えております。  県では、東南アジア地域における九州各県代表による海外事務所設置、運営について、可能性を探るべきではないかと考えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。  第四番目、県営クリーク防災事業についてでございます。  この件につきましては、一般質問もやりましたし、委員会質問も何回となくやっておりますが、これは平成二十五年度から本格的に事業が始まりまして、いろいろ課題もあったようでございますので、またあえて取り上げたということでございます。  佐賀平野を縦横に走るクリークは、農業用水を安定して確保する機能のほかにも雨水を一時的に貯留し、地域を洪水から守る防災的な機能を有するなど、農業者はもちろん、県民にとっても大きな社会資本であります。  これらのクリークは、昭和四十年代から圃場整備事業等により整備されてきておりましたが、近年、クリークののり面崩壊が拡大、進行しており、隣接する農地や農道に悪影響を及ぼし、営農や交通車両にも支障を来しております。  また、崩壊した土砂がクリーク内に堆積することにより、クリークの持つ雨水の貯留機能や洪水を排除する機能が低下し、湛水被害の増大につながるのではないかと懸念もいたしております。  このような中、佐賀平野のクリーク整備については、知事のマニフェスト二〇一一において約十年で整備が終了するよう取り組むことが示されたとともに、「佐賀県総合計画二〇一一」の“進”重点項目に位置づけられるなど佐賀県の重要な事業の一つとして実施されているところであります。  このため、経済対策による補正予算等を積極的に活用した事業の実施が図られており、約十年間で整備が終了するようしっかりと取り組んでもらいたいと考えておりますが、平成二十五年度の事業実施状況を見ますと、公共事業が集中したことにもよりますが、施工に必要な敷き鉄板の資材、あるいは重機、建設業者の技術者の不足等がありまして、入札不調の案件もあったと聞いております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず、全体計画でございます。  佐賀平野におけるのり面対策が必要なクリーク延長は膨大でありますが、木柵工による県営クリーク防災事業の全体計画及び実施状況はどうなっておるのか、県土づくり本部長にお伺いいたします。  二点目、事業の執行についてであります。  平成二十五年度は敷き鉄板や重機、技術者の不足等で入札不調があったと伺っておりますが、事業の円滑な執行についてどのように取り組んでいかれるのか、県土づくり本部長にお伺いいたします。  第五問目、県物産館の設置についてであります。  佐賀県の物産を一堂に集め、紹介、販売する施設については、これまで旧佐賀商工会館内に設置されていた佐賀県産業振興センターで担ってきたところでありますが、社会情勢の変化から近年は個人消費者向けの販売機能が主となり、県内物産を展示、紹介し、取引のあっせんを行うことを目的とした当初の目的との乖離が見られることから、佐賀県商工会館が解体されることを機に、同センターは平成二十六年四月一日をもって廃止になったところであります。  しかしながら、佐賀県に来県する観光客に佐賀県の物産を広く紹介し、そして購入いただくところが県内にはないということから、そうした機能を持つ、いわゆる物産館についてその設置が急がれるところであります。  廃止となった産業振興センターが立地する佐賀商工会館は、御承知のとおり駐車場も狭く、使いづらい面もあったことから、新しい物産館については観光客が立ち寄りやすいところで、例えば、佐賀城本丸歴史館や博物館、美術館周辺など多くの観光客が集まるような場所に設置することが望ましいと考えておるところであります。  現在、県では新たな物産販売拠点に向けた可能性調査を実施しておると伺っております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず一点目、可能性調査についてであります。  可能性調査ではどのような調査を行うのか、また行っているのか、農林水産商工本部長にお伺いいたします。  二番目、今後のスケジュールについてでございます。  可能性調査を踏まえた上で、今後どのような工程を考えておられるのか、農林水産商工本部長にお伺いいたします。  最後になりましたが、県立高校再編についてであります。  佐賀県教育委員会では、平成三十年度から新たな生徒減少期に対応するとともに、科学技術の発達やグローバル化等に伴う社会経済情勢の変化に対応するため、昨年十一月十四日に「新たな生徒減少期に対応した佐賀県立高等学校再編整備実施計画」のたたき台を策定し、公表されたところであります。公表後は関係市町に説明するとともに、関係地区ごとに地区説明会を開催し、学校や地域の関係者などからさまざまな意見を伺ったと聞いております。  私は、このたたき台で提案されている普通科と専門学科、あるいは異なる専門学科の組み合わせによる再編案については、学校運営面で問題があるのではないかと感じておるところであります。  具体的な名前を出して若干失礼かと思いますが、例えば、杵島地区の再編計画案として、地区内には佐賀農業高等学校、あるいは杵島商業高校、白石高校とございますが、この三校を最終的には一つの高校に統合する案が提示されておりますが、農業科、商業科、普通科の異なる学校での再編については、教育方針や学習形態、学習内容が異なることから学校運営面では問題があるのではないかと思っております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  一番目、地区説明会の参加者からの意見についてであります。  たたき台公表後、関係地区ごとに開催された地区説明会では参加者の方々からどのような意見が出されたのか、教育長にお伺いいたします。  それから、二番目でございますが、再編の組み合わせについてであります。  再編の組み合わせについては、同じ学科同士の再編がよくはないかと思っておりますし、また、杵島地区の三校には地元の中学校だけではなくて、鹿島、武雄、佐賀など他の地区からも多くの高校生が進学しているところであり、杵島地区だけでなく、もっとエリアを広げて他地区と普通科の高校同士、あるいは専門学科の高校同士の再編を検討すべきではないかと思いますが、どのような考えをお持ちなのか、教育長にお伺いいたします。
     三番目、今後の計画策定のスケジュールについてであります。  たたき台において、計画案の策定予定を七月ごろ、計画の策定予定を十月ごろとされておりますが、さまざまな意見がある現状からすると、今後、もう少し時間をかけて関係者に十分な説明をし、議論を重ねながら進めていくべきではないかと考えております。  今後の計画策定のスケジュールについて、教育長はどのように考えておられるのかお伺いいたします。  これは質問とは関係ございませんが、知事さん、「夏の火鉢と旱の傘」という言葉を御存じですか。知事さんは御存じかなと思っておりましたが、今、NHKの大河ドラマで「軍師官兵衛」をやっておりますが、黒田官兵衛が息子にいわゆる譲って、その息子が黒田家を継いだときに、黒田如水という名前ですが、彼が息子長政に言ったと言われております。本当に言ったか言ってないかわからんですけどね。  いわゆる「夏の火鉢と旱の傘」ということで、今で言えば組織のありようといいますか、あるいは人事の妙といいますか、人材の活用方法といいますか、リーダーとしての心構えを言ったと思っております。  夏は火鉢は要りませんし、天気の日に傘は要りません。最近は紫外線よけの日傘は要るかもわからんですけど、ただ、冬になればどうしても火鉢も要りますし、雨が降れば傘も要るわけです。  要は、人間は何か使い道があるということで、とにかくそういう目を持って国家を運営しなさいということだろうと思っております。非常に含蓄のある言葉でございます。  ここからは老婆心でございますが、知事さんも三期目が今年度で終了されるわけですね。ですから、引き続き四選目を目指して頑張られるのか、それとも中原に鹿を逐われるのか、はたまた第三の道を選ばれるのか、いわゆる神のみぞ知るというところだろうと思うんですが、組織内に置く身として、「夏の火鉢と旱の傘」で非常に短うございますので、頭の隅にでも置いてもらえればいいんじゃなかろうかと思っております。これは老婆心でございます。  以上で質問を終わります。(拍手) 28 ◎古川知事 登壇=古賀善行議員の御質問にお答えします。  私からは、まず「さが桜マラソン」についてお答えを申し上げます。  まず、大会を終えた感想についてでございますが、ことしも「さが桜マラソン」、おかげさまで無事成功裏に終えることができました。地元の皆様、警察などの関係機関、ボランティアの皆様、応援していただいた皆様、本当に感謝をすべき皆様方はたくさんいらっしゃると思っております。  去年もランナーの中で高い評価を得ていたこの「さが桜マラソン」でございましたが、おかげさまでことしはもっと高い評価を得ることができております。  ことしの六月十七日現在ということではございますが、二〇一四年に開催された約九百のマラソンの中で、「さが桜マラソン」は全国第三位の高評価を得ております。第四位が東京マラソンでございまして、それ以上に高い評価をランナーの方から得ているということでございまして、これも協力していただいた皆様方のおかげだと思っております。  具体的な声としては、「佐賀県の多くの人たちの温かい対応に感謝と感動の気持ちを味わえた」、「心のこもったさまざまなおもてなし、優しい佐賀がますます好きになった」、こうした声を直接いただいているところでございます。  昨年は第一回ということもあって、いろいろわからないところもございましたけれども、さまざまいただいた声を改善に結びつけたといったところも今回評価が高まっていることにつながったのではないかと思っております。  例えば、昨年いただきました声として、四十二・一九五キロを走っていると、どうしても途中トイレに何度か寄らなくてはいけないわけでございますけれども、自分が寄りたくなったときにそのトイレにたくさんの人が並んでいたときに、順番を待ってでもそこで済ませるべきか、あるいはその次まで待てるのかという判断をするのに必要な情報というのは、その次のトイレが何キロ先かという情報なんだそうであります。  一回目の「さが桜マラソン」のときには、そういったことが必要だということがわからずに、ただ単にトイレはこことしか書いてございませんでした。そのように次は何キロ先なのかということを書いてもらうと助かるよという声をいただいたので、ことしはそういったことを入れて表示をするようにいたしました。  こうしたこと一つとってみても、やはり声をいただいて、それに対して誠実に応えていっているというのがこの「さが桜マラソン」のよさではないかと思っております。  また、県内のフルマラソン参加者、議員から御紹介をいただいた方もそのお一人かと思いますが、県内からフルマラソンに参加された方の数が前回と比較して約千人ふえました。初めてやってみたけれども、やっぱりおもしろかったといったことでやろうという方、あるいは友達がやったというので自分もやってみようと初めて参加された方、そういった方だろうと思います。  このように、「さが桜マラソン」がフルマラソン化されたことを契機としてランニングを始めたり、マラソンにチャレンジするという県民がふえたということだと思っております。  こうしたことを通じて、多くの県民の方々に走る楽しみや自分の健康などに関心を持っていただくいい機会になったと思っておりますし、多くの方々が佐賀県にお越しいただいています。  市内のホテルはいっぱいでございましたし、鳥栖や、あるいは一部は県外までこぼれていたというような話なんかもございまして、佐賀県の情報発信、観光振興、地域の活性化にも大いに貢献したものと考えております。  今後とも、「さが桜マラソン」が全国のランナーの方から日本一という高い評価を受けるようになるよう磨き上げていきたいと思っておりますし、また、県民の皆様から四月の第一日曜日は「さが桜マラソン」だねと心待ちにしていただけるような大会にしていきたいと感じたところでございます。  次に、新たな国際戦略について、私からは東南アジア地域での展開及び九州各県共同による事務所の設置、運営についての二点、お答えを申し上げます。  まず、東南アジア地域について、どのように位置づけをしているのかというお尋ねでございますが、東南アジア諸国、ここ数年の実質GDP成長率は五%程度で推移をしております。安定した経済成長を続けていると言えるかと思います。  また、ASEAN十カ国の人口は合計で約六億人でございます。そして、年齢構成も大変若いということもございまして、今後より一層のマーケットの拡大が期待されると思います。  また、タイ、マレーシアからの日本への観光客については、これまで必要だった観光ビザが免除になりました。これに続いて、総理のほうからも次はインドネシアだということの御発言をいただいておりまして、インドネシアから日本に来られる観光客について、ビザの免除の検討が行われております。フィリピンやベトナムについても、今後、可能性があるかもれません。こういう観光客誘致の面からも、いわば追い風が吹いてきていると思っております。  こうした位置づけ、考え方は、一人私だけでなく、県内の企業、あるいは観光の関係の方々も同じように考えておられるようでございます。  県では、商工会議所連合会及び佐賀銀行と連携して立ち上げました「ものづくりアジア研究会」で、ベトナム、タイ、カンボジア、ミャンマーへ経済視察を行いました。参加された企業の皆様は非常に刺激を受け、具体的な商談を現在検討されているところも幾つもあると伺っております。  今後は、今年四月に佐賀県国際ビジネスサポートオフィスを設置いたしましたので、ここを中心にして、ジェトロ佐賀貿易情報センターなどとも情報交換をしていきながら、県内企業がこうした地域に進出をしていく、あるいは取引をしていくということに対するきめ細やかな支援を行いたいと考えております。  また、観光客誘致、「佐賀牛」を初めとした県産品の輸出拡大、こうしたものについても可能性は高いと考えております。そのためにも、東南アジア地域における佐賀県そのものの認知度を上げていかなければいけないと考えております。幸いなことに、タイからは先般二度にわたって、映画やドラマの撮影というものが佐賀県内で行われたりしました。しかしながら、数多く撮影されている映画や、放映されているテレビドラマということを考えますと、日本、佐賀を舞台としたものが撮られたからといって、飛躍的に認知度が向上するということには、必ずしもならないと思っておりまして、こうしたことについてはかなり手間暇をかけ、相当の量の働きかけや露出をしていかなければいけないだろうと思っております。  いつもこの場で申し上げているように、メディアを使って働きかけることとあわせて、個人のお客様がどう情報を発信していただくのかということについて、しっかりとした意識と工夫をしなければいけないと思っておりまして、いずれにしても、この東南アジア地域、これから大きく発展する地域でございますので、ほかの地域に先駆けて佐賀県にお客様が来ていただけるように、取引関係が生まれていくようにしていきたいと思っておりますし、現在、実施に向けて進めております多言語のコールセンターについても、現在は英語、中国語、韓国語の三カ国語でスタートさせることを決めておりますが、その次の展開としてはタイ語を、できれば今年度中ぐらいの早いタイミングで展開したいと思っておりますし、その次にはマレー語──マレー語とインドネシア語はほぼ一緒でございますので、マレー語、インドネシア語についても、多言語のコールセンターの対応言語とすることによって、佐賀県は非常に観光がしやすい県だと言っていただけるようにもしたいと考えております。  私から最後でございますが、九州各県共同によります海外事務所の設置、運営でございます。  これについては、今月の初旬に別府市で開催されました九州地方知事会の会議において、新規の政策協議事項として取り上げられました。結果的には、この新たな共同事務所の設置について研究をしていくことになりました。  この席上、私は、単独でやるよりは共同運営について検討していくことには大変意味があることだということを申し上げました。そして例えば、インドネシアなどは非常に魅力的な可能性があると思う。観光客誘致や経済面においてもと発言をいたしました。  インドネシアは、いまだどこの県も事務所をまだ出しておりませんので、そういうまだどこも出していないところに新しく共同で事務所をつくるというほうが、既存で出ているところを一個にするというよりはスムーズなのではないかという発言をしたところでございます。ぜひとも、このことについては各県共同の研究成果として実行できるようになればと思っているところでございます。  なお、やっぱりその際、課題になるのが、例えば「佐賀牛」などがいい例でございますけれども、各県それぞれ輸出を目指しているブランド和牛というのがございまして、それを共同で売っていこうとするときに、仮に各県からの派遣職員でこの共同事務所を構成しますと、例えばどこかのほかの県の人が、「佐賀牛」をちゃんと売ってくれるだろうかということが心配になったりもするわけでございます。そういう気持ちもわからないわけではございません。ただ、私が思っておりますのは、各県からの派遣職員と考えずに、現地で公募をすればいいのではないかと思っておりまして、別に県庁職員でなければこの事務所の仕事ができないというわけではございませんので、商社の方であるとか、あるいは現地の事情に詳しい方であるとか、そういった方々を公募してやれば、どこかの県からお金をもらって派遣されているからというようなこともないのではないかとも思っておりまして、今後の検討の際にはそのような提案もしていきたいと思っております。  いずれにしても、これから飛躍が期待される東南アジア地域における展開については、できれば九州各県共同のほうがいいと思っておりまして、さまざまな提案を九州各県に対して行ってまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 29 ◎石橋農林水産商工本部長 登壇=私からは、二点お答えさせていただきます。  まず、消費税率引き上げ後の県内の経済情勢を踏まえた今後の県の対応についてでございますが、先ごろ示された、いわゆる骨太の方針の素案によりますと、消費税率が引き上げられたことによる反動減は、これまでのところ想定内という見方が多いというふうにされているものの、国としては引き続き、経済対策の執行状況や耐久財などの需要動向を慎重に見きわめつつ、必要があれば機動的な政策対応を行って、経済再生に向けて万全を期すというふうにされてございます。  県といたしましても、この経済情勢の変化に適切に対応できるように、消費税率引き上げに伴う反動減からの回復していく状況でございますとか、あるいは国の動向を引き続き注視してまいります。  続きまして、いわゆる物産館の設置についてのお尋ねでございましたが、まず可能性調査についてでございます。  新たな物産販売拠点につきましては、これまでにも有識者や関係者にも意見を伺うなどして検討を行ってきたところでございます。  その中で主な意見といたしましては、県内に設置する場合は、観光地が分散していることから、場所の見きわめが大切であるということ。あるいは、集客に必要な要素をしっかりと検討する必要があるということ。また、県内に設置する場合は、観光客だけでなく地元の人にも愛される施設にすべきであるなどの御意見をいただいているところでございます。  こうした御意見を踏まえ、県内における物産販売拠点の整備につきまして、専門的見地からの調査を踏まえた検討が必要であるというふうな考えから、今年度、その整備に向けた可能性調査を実施しているところでございます。  この調査におきましては、整備の方向性を整理した上で、想定するターゲットでございますとか、ニーズの分析、あるいは考えられる事業手法の検討を行いまして、また、それらを踏まえてふさわしい場所、持たせるべき機能、あるいは運営方法などについて調査を実施しているところでございます。  今後のスケジュールについてでございますが、今年度実施している新たな物産販売拠点整備の可能性調査につきましては、年度末までかかってということではなく、年度内のできるだけ早い時期に取りまとめを行い、その後、設置に向けた具体的な検討に入っていきたいというふうに考えてございます。  そうしたことから、現時点ではいつまでにというスケジュールを答えることはできずに申しわけなく思っておりますけれども、国内外の観光客などに対して、きちんとお土産物を提供できる拠点がないという今の現状といいますのは決して好ましい状態と思っているわけではございません。できるだけ早い時期に実現できるように努めてまいります。  以上お答えいたします。 30 ◎副島県土づくり本部長 登壇=私のほうから、県営クリーク防災事業につきまして二点お答えいたします。  まずは、全体計画及び実施状況についてでございます。  平成二十年度にクリーク実態調査というのを行いまして、その結果によりますと、佐賀平野のクリークの延長は全体で約千五百キロございます。このうち、のり面の整備が完了しているのはその半分の約七百五十キロでございまして、残りの半分、約七百五十キロが未整備の状況でございます。  このため、約百七十キロを国営事業で、残りの部分を県営事業で取り組むことといたしておりまして、木柵工による県営クリーク防災事業につきましては、全体で約五百八十キロを予定しているところでございます。  県営事業につきましては、平成二十四年度から事業に着手し、これまでに十一地区の採択を受けておりまして、総延長四百九十五キロメートル、総事業費三百三十二億円と予定しているところでございます。  まだ未採択の佐賀市の南部、いわゆる旧東与賀町、及びみやき町につきましては、平成二十七年度以降の採択を目指して、現在、鋭意準備を進めているところでございます。  次に、実施状況といたしましては、これまでに約三十六億円の工事契約を行いまして、ことし五月までに約七十キロの整備が完了しております。また、これに対する進捗率は約一四%となっているところでございます。本年度は、これまでの事業費を上回ります約五十三億円を予定しておりまして、平成二十六年度末には水路延長約九十三キロを整備する予定でございまして、これを終えますと約三三%、三分の一が完了するということでございます。  それと、御心配の事業執行について御指摘がございました。  昨年度は議員御指摘のとおりでございます。二十四年度の大型補正がございました影響で、敷き鉄板や重機、それから技術者の不足が発生いたしまして、年度途中から入札不調の案件が多くなったところでございます。  このため県といたしましては、発注ロットの工夫や入札参加資格における地域要件の緩和などを行いまして、入札不調の解消に努めてきたところでございます。本年度は昨年度と異なり、建設業者の一部では、資機材や技術者の準備も整っているという声も聞いているところでございます。このため、今後の工事については業界の状況を見きわめつつ、円滑な事業執行を行うこととしているところでございます。  また、クリークの整備につきましては、かんがい期が終わる十月以降の施工となりまして、工事が集中するため、昨年度と同様に工事請負者が資機材や下請業者の確保などに苦慮する場面も出てくるかと予測しているところでございます。このため、早期発注に努めることはもちろんのことでございますが、転作により夏場でも施工可能な箇所につきましては、直ちに発注をいたしてまいりたいと考えております。これらを通しまして、年間を通しまして工事の平準化を図ってまいります。  いずれにいたしましても、佐賀平野のクリークは地域の貴重な財産でございまして、農業の振興や県民の安全・安心の確保のために、今後ともクリーク整備を確実に推進してまいります。  私からは以上でございます。 31 ◎伊藤文化・スポーツ部長 登壇=私からは、「さが桜マラソン」についての御質問のうちに、次回大会開催に向けた改善点についてお答えいたします。  ことしの「さが桜マラソン」につきましては、参加したランナーの皆様から、昨年の大会をさらに上回る高い評価をいただいております。これは大会運営に参加いただいたボランティアスタッフの皆様や沿道で応援をいただいた地元や県民の皆様の御支援があったこと、さらには、前回大会時のランナーの皆様の御意見や御要望を受けて、スタート時の混雑解消策を講じたり、佐賀駅と大会会場であります佐賀県総合運動場との間の無料シャトルバスを運行するなど、さまざまな点で改善したことも高い評価につながった要因ではないかと考えております。  次回大会に向けてでございますが、例えば参加ランナーからは、「沿道での応援者は多く、拍手も多かったが、佐賀県の県民性なのでしょうか、発声が少なかったです。『頑張れ』というかけ声があれば、さらに力が湧きます」と、そういう意見を聞いております。確かにそうだなと納得する部分もありますので、さらに応援を盛り上げるような方向についての工夫も必要だというふうに考えております。  また、女性ランナーの参加申し込みが全体の約四分の一を占めていることや、子供を預けるところがあれば参加しやすいという女性ランナーの意見もございました。女性ランナーの視点からも、より満足度の高い大会としていくことを考える必要があるというふうに思っております。  これらの意見や要望等を踏まえまして、「さが桜マラソン」がランナー、スタッフ、応援者が一体となって盛り上がる県民総参加の大会となるよう、関係機関と協議しながら、来年に向けた改善策を検討してまいります。  以上でございます。 32 ◎黒岩国際・観光部長 登壇=私のほうからは、新たな国際戦略についてのうち、海外拠点の成果、課題についてお答えいたします。  まず、成果でございますが、瀋陽と香港の海外事務所、また佐賀県国際ビジネスサポートオフィスに設置しております上海デスクの計三つの海外拠点におきましては、開設から三年弱の活動を通じまして着実に成果が生まれてきているところでございます。  主なものとしまして、まず瀋陽代表事務所でございますが、ここは佐賀県が日本の自治体として初めて瀋陽に開設したということで、県と遼寧省政府との関係が一段と強化されております。瀋陽久光百貨店でのジャパンフェアにおきまして、佐賀県デーを設けて、県産品や観光をPRし、これがうまくいきまして、同百貨店での県産品の継続的な販売につながるといったこともあっております。また、学校交流につきましては、嬉野高校と遼寧省遼陽市の高校との間で、友好交流に関する覚書が締結されたといったようなこともございます。  それから、香港代表事務所でございますが、「佐賀牛」の香港輸出におきまして、他のブランド牛の攻勢が強まる中、平成二十五年度は約二十七トンと、過去最高を更新しておりまして、これは香港代表事務所が百貨店やレストランなどへのこまめな営業活動を行うとともに、百貨店等での「佐賀牛」フェアといった販売促進活動を精力的に行ってきたことによるものと考えております。また、佐賀酒、有田焼など、他の県産品の販路開拓や現地メディアへの働きかけなどによる観光客誘致にもしっかり取り組んできたところでございます。  それから、上海デスクにつきましては、初めて海外展開に取り組もうとされている中小企業が、中国現地で市場調査や商談を行う際に同行するなど、手厚く、きめ細やかな支援を行ってきたところでございます。このようなことから県内企業からの相談も多く、頼られる存在になっているとともに、企業の海外展開への関心をより一層高めるといった効果も生まれてきているところでございます。  次に、課題でございますが、三つの海外拠点におきまして、政府間交流や経済交流、人や文化の交流など、さまざまな分野での取り組みを行ってきているところでございますが、こうした取り組みが現地における佐賀県の認知度向上にどれだけつながっているかといった点につきましては、まだまだ十分ではないと感じております。  また、現在、中国との新規取引を目指す企業の支援や「佐賀牛」以外の佐賀酒を初めとした加工食品の香港輸出の促進、学校間交流の事前調整など、現在進行中の取り組みを着実に成果に結びつけていく必要があると考えております。  海外拠点につきましては、それぞれの地域の特性に応じた取り組みをさらに強化し、新たな成果を一つでも多く生み出していくとともに、現地における佐賀県の認知度向上のためにも力を入れていきたいというふうに考えているところでございます。  私からは以上でございます。 33 ◎池田教育長 登壇=古賀議員の御質問にお答えをいたします。  県立高校再編について三点お答えをさせていただきます。  まず、地区説明会の参加者からの意見についてのお尋ねでございました。  「新たな生徒減少期に対応した佐賀県立高等学校再編整備実施計画(たたき台)」の地区説明会の参加者からは、さまざまな意見や要望が出されたところでございます。  主なものといたしましては、それぞれの学校に伝統や歴史、特色や実績などがあることから、高校をそのまま地域に残してほしいという御意見、それから普通科と専門学科、あるいは異なる専門学科の組み合わせによる再編案が、十分な教育効果を上げることができるのか疑問があるという御意見、それから将来の子供たちのために望ましい教育環境を整えることを第一として、地域からの意見も聞きながら慎重に進めてほしいという御意見などがございました。  そのほかに再編による通学利便性の低下などを心配する声や、各校舎を残す校舎制が実際にできるのかといった意見も聞かれたところでございます。  次に、再編の組み合わせについてのお尋ねがございました。  たたき台の具体的な再編整備計画では、地域の生徒が減る中、異なる学科の学校であっても再編して学校の全体規模を確保し、運営体制を保つことで、各学校の教育内容を学科として地域に残すことを基本といたしております。  同じ学科同士の再編を考えた場合、学校間の距離が遠くなることから、再編して校舎を統合せざるを得なくなるということで、いずれかの地域から学校、学科がなくなる可能性がございます。議員からは、杵島地区の三校には他地区からの中学生が多く進学しているという御指摘がございました。同じように、杵島地区からも多くの中学生が他地区へ進学しているという事実も一方ではございます。こういうことを考えますと、なくなる可能性が杵島地区にもあるということが一方では言えるかと思います。  また、議員御指摘のように、確かに異なる学科同士の組み合わせの場合、例えば普通学科と専門学科の再編では、進学に重点を置く普通科と就職に重点を置く専門学科とは、経営方針や進路指導などで異なるものがありまして、全体としてまとまりがたいという課題があるのは事実でございます。  こうした課題を解消するためには、新しい取り組みが必要でありますので、学科の独自性の確保、進路指導体制の複線化、新しい学校経営理念や組織マネジメントの確立、そして教職員の意識の共有化などについて、他県の事例を踏まえて取り組んでいくことで課題を解消していきたいと考えているところでございます。  最後に、今後の計画策定のスケジュールについてのお尋ねがございました。  現在、たたき台公表後、地区ごとに開催した地区説明会で出された意見等を集約、整理した上で、改めて関係市町に説明し、意見等を伺っており、あわせて全県的視野から、また教育内容の充実を図っていく観点から、業界団体や有識者からの意見聴取も行っているところでございます。  今後、これらの意見等を受けまして、さらに十分検討し、県議会はもとより、地域や学校関係者との必要な協議や調整を行いながら、計画の策定を進めていきたいと考えております。  計画策定に当たりましては、時間をかけて丁寧な説明や必要な協議、調整を行っていく必要があると考えておりますが、一方で、計画策定後は再編対象校の教育内容の検討や施設整備等に一定の期間が必要となりますことから、できるだけ早期に計画策定できるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上です。 34 ◎古賀善行君 登壇=再質問を何点かやりたいと思っておりましたが、時間も大分押しておりますので、一点だけ再質問させてもらいます。  高校再編についてですけど、学校の統廃合あるいは再編ということになりますと、ほとんどの方がなかなか首を縦に振るということは非常に難しいと思っておるわけです。  ただ、小中学校については自分たちの固有の事務でありますので、どうしても生徒が減って学校の経営が成り立たんということになりますと、統廃合やむを得ずということで首長さんが計画を立てられ、議会が承認して統合ができていくと。  いろいろ市民、町民の不平不満はあっても、そういう形態になっておるわけですが、県立高校については、一義的に自分たちがその計画を策定して実行していくということにはならないわけでございますので、こう言ってはなんですが、首長さんを初め議会、それからそこの高校のOB会、PTA、そして周辺の人々、この全てが賛成ということにはならないと思います。  そういう意味では、教育長の御苦労は大変なものだなと思っておるわけでございますが、計画案によりますと、再編計画の案を七月いっぱいぐらいにまとめて、十月ぐらいに実施計画をきちっとしたことで策定したいということでございますが、先ほど教育長の答弁を聞いておりますと、なかなか地元の方、あるいは地区の方々が納得されたかということには、恐らくほど遠い状況にあるんじゃなかろうかと思っております。
     そういう意味では、計画を余りだらだらだらだら延ばすということはいかがなものかと思いますが、少なくとも今年度内ぐらいに決定するというぐらいの、半年ぐらいの余裕を持って、その間、関係者あるいは地元の方々の意見交換、あるいは説得といいますか、そういうのも非常に大事じゃなかろうかと思っております。  再編はやったけれども禍根を残したでは、今後の運営もなかなか大変と思われますので、その辺も含めて教育長の御所見をお伺いしたいと思います。  以上です。 35 ◎池田教育長 登壇=古賀議員の再質問にお答えをいたします。  古賀議員の御指摘は、地元では賛成という声は聞かれていないはずだと、もっと地元とも意見調整を図って、もう少し時間をかけるべきではないかといったような御指摘だったかと思います。  現に私どものところには、同窓会を中心に市町からいろいろな要望書、意見書が出ております。そのほとんどが学校をそのまま残してほしいといったような要望でございました。  それは、確かに考えてみますと私もそうですけれども、自分の学びやに対する愛着というのはございます。  一方で私どもの考えるべきものは、本当に将来、例えば、今の小学校高学年ぐらいの方が平成三十年度には高校生になるわけでございます。そういった方々の御父兄さん方の意見、そういったものもしっかり受けとめる必要があるかと思っております。  卒業生、OBの方々の熱い思い、一方で将来自分の子供たちを通わせるときに、果たして地元の高校が自分の子供を通わせるだけのすばらしい学校であるのだろうかと、そういったことも気になさるだろうというふうに思います。  この間、私がある県民の方からお聞きしたところ、自分には孫がおると。その孫はすぐ近くに高校があるんだけれども、そこには行っていないと。どうしてかというと、自分のやりたいクラブがないといったようなお話でございました。どうしても単独でそのまま高校を残してしまいますと、クラスが少なくなり、クラブ活動も少なくなり、そうした子供たちの要望に応えられないということも多々出てこようかと思います。  そういったことをいろいろ考えながら、私どもは将来の子供たちにとってどうあるべきかということを真剣に考えていかなければならないと思っております。  そのために議員から御指摘があったように、地元との協議、地元との意見すり合わせというのは今後もやっていかなければならないというところは同じ気持ちでありますけれども、一方で平成三十年度から生徒減少が始まりますものですから、それに間に合わせるためには平成三十年四月から手前に逆算して計画を立てていく必要があります。  先ほど申しましたように、場合によっては施設整備をする必要がある場合も出てまいります。それから、それぞれの高校ごとに教育内容をどうするのかといった検討をする必要があります。これには少なくとも一年はかかります。  そういったことを考えますと、丁寧にしていかなければならないというのはもちろんそのとおりですけれども、余り悠長な話ではないというところが一方ではございます。  そういったことで、私どもは誠心誠意、これからの数カ月間、懸命に取り組んでいきたいというふうに考えております。 36 ◎副議長(藤木卓一郎君) 暫時休憩します。     午後三時四十一分 休憩 平成二十六年六月二十日(金) 午後四時十分 開議  出席議員    三十五名     一番  江 口 善 紀     一五番  岡 口 重 文     三二番  石 井 秀 夫     二番  原   康 彦     一七番  伊 藤   豊     三三番  留 守 茂 幸     三番  古 賀 陽 三     一八番  内 川 修 治     三四番  石 丸   博     四番  服 巻 稔 幸     一九番  田 崎 信 幸     三五番  木 原 奉 文     五番  川 崎 常 博     二〇番  大 場 芳 博     三六番  竹 内 和 教     六番  定 松 一 生     二一番  古 賀 善 行     三七番  福 島 光 洋     七番  八 谷 克 幸     二二番  指 山 清 範     三八番  藤 木 卓一郎     八番  徳 光 清 孝     二三番  土 井 敏 行     九番  藤 崎 輝 樹     二四番  桃 崎 峰 人    一〇番  米 倉 幸 久     二五番  石 倉 秀 郷    一一番  向 門 慶 人     二七番  武 藤 明 美    一二番  坂 口 祐 樹     二九番  稲 富 正 敏    一三番  宮 原 真 一     三〇番  中 倉 政 義    一四番  原 田 寿 雄     三一番  伊 東 猛 彦 欠席議員    一名    二八番  宮 崎 泰 茂 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   古  川     康          副   知   事    坂  井  浩  毅          副   知   事    牟  田     香          統 括 本 部 長    西  中     隆          くらし環境本部長     古  谷     宏          健康福祉本部長      船  津  定  見          農林水産商工本部長    石  橋  正  彦          県土づくり本部長     副  島  良  彦          経営支援本部長      山  口  康  郎          文化・スポーツ部長    伊  藤     正          国際・観光部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       古  賀  俊  光          交通政策部長       西  村     平          会 計 管 理 者    西  村  宏  之          公 安 委 員 長    諸  隈  博  子          警 察 本 部 長    長  嶋     良          教 育 委 員 長    牟  田  清  敬          教   育   長    池  田  英  雄          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       中  島  博  文          同    副事務局長          議事調査課長事務取扱   蓮  把  邦  彦          総  務  課  長   向  井  久美男          政務調査室長       毛  利  明  彦          議事調査課参事      前  田  利  則          総務課副課長       松  本  定  利          議事調査課副課長     篠  田  博  幸          議事調査課議事担当係長  山  口  義  徳          同    議事担当主査  佐  藤  隆  一         ○ 開     議 37 ◎議長(木原奉文君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。 38 ◎徳光清孝君(拍手)登壇=県民ネットワークの徳光清孝でございます。  今議会、一般質問最後の質問者となりました。六時二十分から「WOOD JOB!(ウッジョブ)」という映画が始まるそうですので、それまでには終わりたいというふうに思っています。そういった意味からも、古川知事を初め、執行部の皆さんの簡潔な誠意ある答弁をよろしくお願いいたします。  まず第一問目は、認知症の人の見守りについてであります。  介護の社会化を目指しまして、平成十二年度に介護保険が導入をされて今日に至っております。  ことしの一月の段階で、要介護認定者は全国で五百八十万人、県内でも四万三千人に上っております。そしてまた、そのうち七十五歳以上の後期高齢者が全国で四百九十万人、佐賀県内でも三万八千人に上っておりまして、実に認定者の約八八%を占めております。当然ながら、高齢化が進むにつれて、介護を受ける高齢者が年々増加しているのが現状であります。  そのような中、先日、年間一万人を超える認知症の方が行方不明になっているというような報道が相次いでされております。警察庁の調査によりましても、昨年一年間に認知症が原因で行方不明になったとして各県の警察に届け出があった認知症の方々は、全国で一万三百二十二人になっております。佐賀県では五十二人となっていることが判明をしております。そのうち今でも所在が確認されていない方が全国で二百五十八人に上っております。  また、別のマスコミの調査によりますと、認知症などの疑いで身元不明のまま、現在、保護されて施設で暮らしている方は全国で少なくとも五十七人以上だというふうに言われております。  厚生労働省の研究班によりますと、六十五歳以上の高齢者の一五%が認知症となり、全国で四百六十二万人いるんではないかと推計をされています。県内では二万人ぐらいだろうと言われているところであります。  これらの現状を考えますと、改めて認知症の人を地域でどう見守っていくのか、その体制をどうつくり上げていくのかというのが今後の課題として考えられると受け取っております。  そこで、次の点について質問いたします。  まず、行方不明の認知症高齢者の実態把握についてであります。  認知症の人が年間一万人以上も行方不明となっているとの報道を受けまして、県内の詳しい実態把握が必要であろうと思っています。国も同様の動きをしているとも聞いているところでありますが、佐賀県として、県内の行方不明の認知症高齢者の実態把握をどのように取り組もうとしているのかお尋ねをいたします。  続いて、今後の県内の対策についてであります。  介護施設に入所をしておられる認知症の方は介護施設の職員の方がしっかり見守る体制ができているというふうに思っています。しかしながら、在宅で介護を受けている認知症の人に対する見守りについては、介護者だけでは限界があると思っております。行方不明になることを事前にどう防ぐのか、また仮に行方不明になったときに、いち早く保護ができる体制をどうつくるのかが求められていると思っております。  今後、市町や介護施設、あるいは警察などとも連携をしながら、県としても地域で認知症の人を見守ることができるような対策をとる必要があると考えますけれども、佐賀県として、どのように取り組もうと考えているのかお伺いをいたします。  第二問目は、空き家対策の一層の推進についてであります。  人口減少や少子・高齢化、核家族化が進むにつれて、県内でも空き家が増加傾向にあることは皆さん御承知のとおりであります。  統計によりますと、平成二十年で佐賀県の空き家率は一一・一%となっておりまして、全国平均の一三・一%を下回っているとは言いながらも、この二十年間でほぼ倍増をしております。皆さん方も、多分地域を歩いたときに、やっぱり年々空き家がふえているなということを実感しているのではないというふうに思っています。特に売り家とか、入居者募集とか、そういった掲示が全くない、そのままの空き家がふえているというふうに私も受け取っております。  空き家であっても適切に管理をされていれば問題はありませんけれども、適切に管理されずに廃墟となっている空き家も多くなっております。その結果、地域の景観を阻害したり、あるいは倒壊のおそれ、不審者の出入りなど、安全上も、景観上も、あるいは防犯上も問題となっております危険空き家が地域の大きな課題であろうというふうに思っています。  これらの状況を受けまして、県内市町では平成二十四年度から「空き家の適正管理に関する条例」を制定いたしまして、対策に乗り出してきております。  現状を聞いてみますと、なかなか所有者が特定できない、あるいは特定ができても、撤去の同意が得られない等々、実際的にはなかなか空き家対策が進んでいないのが現状であるというふうに思っております。  これらの空き家対策は、第一義的には市町村が取り組む課題であるため、現在、条例を制定しているのはほとんど市町村であります。ただ、県が条例を制定することで、全県的に取り組みを進めようとしている事例もあります。  和歌山県でありますけれども、和歌山県の場合は、安全上というよりも、景観保全が目的ではありますが、空き家の廃墟対策としまして、「建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例」というものを平成二十三年七月に成立をさせ、平成二十四年一月から施行されております。  内容は、例えば廃墟への対策としては、周辺住民からの要請により、撤去などの必要な措置の勧告や命令が出せるような仕組みとなっておりまして、一方で地域住民によるまちづくりという面でも効果が期待をされているというふうに言われております。
     本議会でもこれまで空き家対策については、たびたび取り上げられてきましたけれども、改めて次のことについて質問をいたします。  まず、県内の空き家対策の現状と認識についてであります。  県内で新たに条例を制定した自治体もあると聞いておりますし、条例に沿って適正管理に向けたさまざまな取り組みが実施をされていると思っております。改めて県内の現状はどうなっているのでしょうか。また、県として、その現状をどのように認識をしているのかお尋ねをいたします。  次に、市町との連携の強化についてであります。  これまでも県は県内市町と意見交換会を開いたり、あるいは恒常的に相談を受けたり、県として市町との連携を図っていることは承知をしております。  そこで、市町との連携をいま一歩深めまして、ネットワークを構築し、例えば、共同で対策事例を研究するというようなことも含めて、県として取り組みを強める時期に来ているのではないかと思いますが、その点に対する見解をお伺いいたします。  空き家対策としては最後になりますが、県としてのさらなる取り組みについてであります。  先ほど述べました和歌山県の条例でありますけれども、施行後二年が経過しております。条例制定後には約百件余りの相談があり、そのうち五十件余りを現地確認しているということであります。地元からの撤去の要請は一件ありまして、ことしの四月に勧告を行っていると聞いております。条例に基づく実績はまだこの勧告の一件だけでありますけれども、マスコミで報道されることによりまして、廃墟家屋の所有者も問題意識を持ち、自主的に撤去する事例も出ているなど、意識の向上や抑制効果も出ているところであります。  佐賀県としても、条例制定の検討が必要な時期に来ているのではないかと思いますが、執行部の見解をお尋ねいたします。  第三問目は、交通死亡事故対策についてであります。  車社会が進むにつれまして、交通事故も発生する可能性が高くなるのは当然のことであります。そのため、警察を初め、各関係団体はいかにして交通事故を起こさないようにするのか、どう事故を防ぐのかというさまざまな取り組みを行っております。  また、最近では自動車メーカーも交通事故防止の機能を高めた自家用車の開発や販売に力を入れてきております。  これまでの警察を初めとする各関係団体の努力で、佐賀県内では交通事故死亡者はだんだんなだらかに減少してきておりました。また、高齢者が関係する事故が多いことを受けまして、地域の老人会などとも連携を深め、高齢者を対象にした交通事故防止の啓発事業を積極的に実施してきたことも承知をしております。  しかし残念ながら、ことしに入ってから、全国的には交通事故死亡者が減少している中で、県内では増加をしております。五月末までの人口十万人当たりの死亡者数は三・六人となりまして、全国ワーストワンとなっております。五月末までで既に三十人の方が交通事故で亡くなっておりまして、昨年同期に比べますと、十二人も多くなっております。  このような現状を受けて、佐賀県警も大変危機的な状況であるという認識をお持ちになり、新たに対策を強めているとも聞いております。  そこで、次のことについて質問をいたします。  まず、ことしの交通死亡事故の特徴についてであります。  近年は、先ほど言いましたとおり、県内でも交通死亡事故は減少傾向にあったのに、ことしになって交通死亡事故が急増したことを県警としてどう受けとめているのか、どのような特徴があると受け取っているのかお尋ねをいたします。  そして、今後の交通死亡事故対策についてでありますが、佐賀県警では、先ほど言いましたとおり、危機的な状況であると捉えまして、既にさまざまな取り組みを始めていると報道されています。改めて関係機関との連携を深めたり、啓発等、今後の交通死亡事故対策を具体的にどう進めようとしているのかお尋ねをいたします。  第四問目は、土砂災害防止対策についてであります。  佐賀県内も既に梅雨に入っております。佐賀県内ではまだ大雨という状況にはありませんけれども、全国的には既に豪雨で被害が出ている地域もあります。豪雨や台風などによります土砂災害は全国で毎年必ず起こり、とうとい人命が犠牲になることもあります。また、最近では、気象条件の変化によりまして、予測がつかないゲリラ豪雨の被害も多発しているところであります。  さて、雨や台風によります深刻な災害は土砂災害であります。佐賀県においても一万カ所余りの土砂災害危険箇所があると聞いております。  その対策には、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に指定をしますソフト対策、そして土砂災害防止工事を実施するハード対策があると伺っております。どちらの対策にしましても、対象住民の理解と膨大な予算、あるいは時間がかかり、一気には対策が進まないのが現状であります。ただ、県民の命を守るためにも、例えば、最近の経済対策などの財源も有効に使いながら、計画的にできるだけ早く整備することが求められております。  改めて次の点について質問いたします。  まず、土砂災害警戒区域指定の取り組みについてであります。  数年前に報道されましたけれども、全国的にもこの警戒区域を指定するソフト対策が余り進んでいないとのことでありました。警戒区域に指定するには、地形や地質などの調査を実施し、そしてその調査結果に基づいて住民説明会を開催するなど、数々の段階があり、時間もかかると言われております。警戒区域に指定することは、災害に対する住民の備えも進むなど、大変大切な対策であります。  そこで、お尋ねをいたします。  目標年度を定め、計画的に進めることが重要だと思いますが、現状、どのように取り組んでおり、今後どのように計画をしているのかお尋ねをいたします。  次に、土砂災害防止対策工事の取り組みについてであります。  土砂災害危険箇所の中でも優先順位の高い要対策箇所に対するハード整備は、平成二十二年度末で整備率が約二六%でありました。厳しい予算状況ではありますが、要対策箇所に対するハード整備にどのように取り組んできており、今後の計画はどのように進めようとしていくのかお尋ねをいたします。  第五問目は、原発問題についてであります。  東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故が起こってから三年三カ月が経過をいたしました。  福島第一原発は廃炉に向けた取り組みが続いていますが、まだまだ事故の収束もできておりません。最近では、放射性物質を含む地下水が漏れ出すなどのトラブルが続いておりまして、有効な対策もとられていないのが現状であります。  きょうの報道を見ますと、福島に世界的に廃炉を研究する研究所を設けて、世界的な技術でもって廃炉を進めていこうといったような構想もあるやに報道されております。  また、避難をしている区域の除染作業が続けられていますけれども、住民の方々が再びふるさとで事故前のような生活を取り戻すめどは、これまた全く立っていないのが現状であります。  九州電力管内では、原子力発電所が全て運転を中止し、約二年と半年が経過をいたしました。この間、国民の節電努力や他の電力事業者などからの融通受電で原発の稼働がなくても電力需給を乗り切っております。ことしの夏も、九州電力の発表によりますと、計画停電や目標値を定めた節電要請などをしなくても乗り切れるという需給計画になっております。  火力発電所がフル稼働していることの不安も確かに指摘をされておりますけれども、改めて原子力発電所が本当に必要なのか疑問を感じるところであります。  一方、原発の再稼働に向けては、現在、原子力規制委員会が新規制基準に基づいて適合審査を行っております。規制委員会は、九州電力の川内原発を優先審査し、この夏にも審査が終了するのではないかとも言われておりますが、まだまだ見通しは立っておりません。  いずれにしましても、審査が終了し、原子力規制委員会により新規制基準に適合すると認められた場合には、国は原子力発電所の再稼働を進めるとしておりまして、九州ではことしじゅうにも再稼働問題が大きな焦点となるのではないかと受けとめております。  また、福島第一原発の事故を受けて、原発の安全対策とともに原子力災害に関する防災計画も大きく見直されてきました。玄海原発から半径五キロ圏内が予防的防護措置準備区域、いわゆるPAZ、半径三十キロ圏内が緊急時防護措置準備区域、いわゆるUPZに指定をされ、万が一事故が起こった場合は三十キロ圏外に避難をするという計画になっております。  ことしの四月三十日には三十キロ圏内の住民が圏外に自家用車で避難する場合、どれくらいの時間がかかるのかというシミュレーション結果が公表されたところであります。  そこでまず、避難時間推計のシミュレーションについて質問をいたします。  今回、県が発表いたしました、玄海原発で重大事故が発生した際の住民避難時間を推計したシミュレーションでありますけれども、五十二のケースというさまざまな条件設定のもとでシミュレーションされております。  問題は、その条件設定が実際の事故の際の避難を考えた場合、妥当と言えるのかどうかであります。  例えば、推計の基本ケースを見ますと、避難の開始については、まずPAZ圏内の住民が先に避難をし、三十キロ圏外に避難が終了した後にUPZ圏内の住民が避難するという二段階方式になっておりますけれども、この設定が本当に現実的なのかどうかも大変疑問であります。  UPZ圏内の住民に避難指示が出た場合も、既にその以前から住民の方々は避難準備を終えているという設定にもなっております。  推計ですので、一定の条件のもとでシミュレーションするということは理解できますけれども、このように総体的に条件設定自体が大変甘い推計であるというふうに私は考えておりますけれども、知事に見解をお尋ねいたします。  次に、避難受け入れ市町との協議についてであります。  玄海原発から三十キロ圏内の住民が圏外へ避難する計画が立てられ、それぞれの避難住民の受け入れ自治体も決められております。  しかしながら、避難の受け入れ計画は、どの程度の住民をどのように、どのくらいの期間受け入れるのかなど自治体によって認識はまちまちであります。  また、このような広域避難の受け入れが初めてのことでもあり、受け入れ自治体も戸惑っているのが現状であります。避難する自治体と避難を受け入れる自治体との十分な協議がまずは必要ではないかと思いますが、見解をお尋ねいたします。  次に、再稼働と避難計画など防災対策についてであります。  現在、新規制基準に適合しているかどうかの審査が行われておりますが、やがて審査も終了し、次の段階は原発の再稼働を判断することになります。  仮に規制基準に適合し、安全対策が完了したとしても、もう一つの重要な対策であります避難計画などの防災対策が確立しないことには再稼働を判断できる状況にはならないと私は考えております。県内の自治体を見ましても、到底一、二年で防災体制が完了する状況ではありません。  現実的に原発事故は起こるということを皆さん御承知であります。そういうことを考えるならば、原発の安全対策だけで判断するのではなく、避難計画などの防災対策が整備され、完了することも再稼働を判断する条件とすべきでありますが、知事の見解をお尋ねいたします。  次に、市民団体に対する対応について伺います。  福島原発の事故後は、さまざまな方々が原発に不安を感じ、みずからが原発をなくす運動にかかわる人が大変多くなっております。この間、佐賀県でも多くの県民や市民団体が熱心に活動を続けております。その方々や市民団体に対する県の対応について、今後はぜひ改めていただきたいというふうに思っています。  例えば、県に抗議に来るとか、あるいは不特定多数に呼びかけて集結するような集会とかの場合は、県の庁舎管理上も一定の制限が必要であることは私も十分理解ができます。しかしながら、例えば、アンケート結果をもとにした県への要望や要請、あるいは質問状の提出などについては、不特定の人ではなく、どのような団体であるかも判明をしており、内容もはっきりしているのでありまして、一定の人数や時間の制約があるにしても、しっかりと部屋を準備して対応することが当然であると考えております。  今後は、県の対応としてそのようにするべきと思いますが、見解をお尋ねいたします。  最後の六問目でありますが、教育問題について大きく三点質問をいたします。  まずは、佐賀県小・中学校学習状況調査についてであります。  県の小・中学校学習状況調査は、平成十四年度から抽出調査で始まり、平成十八年度からは悉皆調査としてこれまで実施をされてきています。調査の実施後は、当然ながら結果を分析し、それぞれ学習指導に生かされてきたと受けとめております。  こうした中、今年度からは四月実施に加えて十二月にも二回目の県の小・中学校学習状況調査を実施するとのことでありますが、次の点について質問をいたします。  年二回の調査実施についてでありますが、これまで十二年間、年一回の調査で学習指導の改善などに生かしてきたと思いますが、これでは不十分だったのでしょうか。  これまでの調査結果、そして指導方法の改善に生かしてきたことをどのように検証し、今回、二回実施の方針になったのかお尋ねをいたします。  次に、調査の実施時期についてであります。  学習状況調査の結果については、児童生徒の個別の指導に生かしていくのであるならば、実施時期は県内一斉実施ではなく、学校の行事あるいは実態に合わせるよう、ある程度は学校の裁量に任せていいのではないかと思いますけれども、池田教育長の見解をお尋ねいたします。  次に、教職員の負担軽減についてであります。  これまで教職員の多忙化が指摘され続け、学校現場においては、多忙化解消に向けた取り組みがなされております。  調査を年二回実施するということになりますと、採点やその後のパソコンへの入力、あるいはその分析等々、現場教職員の負担がふえるのは間違いないと思っております。  県の教育委員会として、教育現場の負担軽減をどう考えているのかお尋ねをいたします。  教育の二番目としまして、土曜日等を活用した教育活動について伺います。  佐賀県の総合計画二〇一一に「土曜日等を活用した教育活動の充実」が掲げられておりまして、土曜日等の効果的な活用の推進や先進事例の研究、情報提供などに取り組む市町を支援することが盛り込まれております。  その後、平成二十四年度には実践研究校として県内九つの小中学校で取り組まれておりまして、その概要を県の教育委員会としてまとめ、市町へ情報提供しております。  その内容を見ますと、教科書を使用した授業というよりも体験学習、授業参観、親子活動などが多くなっております。また、成果としては授業時間数の確保が容易になった。保護者の参加のしやすさなどが挙げられているところであります。  一方、課題としては、教師の振りかえ休日の取得が困難である、部活動との調整がある等々が挙がっております。  県内では半分程度の市町で実施されているようでありますが、今年度からは佐賀市においては全ての小中学校で正規の土曜授業を導入する方向で検討していることが先日の佐賀市議会の審議の中で明らかになっております。  そこで、次の点について質問いたします。  まず、学校週五日制との整合についてであります。  学校週五日制が導入されて定着している現在、土曜日等を活用した教育活動と学校週五日制導入の趣旨との整合性をどのように考えているのかお尋ねをいたします。  次に、実施に当たっての課題についてであります。  土曜日等を活用した教育活動に取り組むに当たって、県の教育委員会としてはどのようなことが課題であると考えているのかお尋ねをいたします。  続いて今後の取り組みについてでありますが、先ほど言いましたとおり、総合計画二〇一一では、平成二十六年度は県内二十の市町全てで実施するという目標を立てておりますけれども、今後、県の教育委員会としてどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。  最後の質問になりますが、いじめ対策についてお尋ねをいたします。  昨年九月に施行されました「いじめ防止対策推進法」の規定に基づきまして、現在、県では法の趣旨を踏まえた佐賀県におけるいじめ防止等の対策を取りまとめました基本方針の策定や、ことしの三月に条例制定されました佐賀県いじめ問題対策委員会を初めとする委員会や組織の設置に向けて取り組まれていると聞いております。  一方、いじめ防止対策推進法では、市町や学校についても県と同様にいじめ防止のための基本方針の策定や、いじめ問題に対応するための組織を設置することなどが求められております。  これを受けまして、現在、市町の教育委員会や学校におきましては、法に定められております体制整備に向け取り組まれているものと考えておりますけれども、取り組みのあり方や、あるいは進捗状況などに違いが生じているのではないかと懸念をしているところであります。  社会全体でいじめ問題に取り組むことが今回の法制定の趣旨であることを踏まえますと、教育委員会や学校、関係者だけではなく、県民全体でいじめ防止に取り組まなければならないと受けとめております。  そこで、次の二点について質問いたします。  まずは、佐賀県いじめ防止基本方針についてであります。  これについては、現在、パブリックコメントが実施されておりまして、今後、所定の手続を踏まえ、七月末までには策定されると聞いております。  策定後は、この基本方針に基づく取り組みが効果的に行われるよう、どのように進めていくのかお尋ねをいたします。  最後に、市町教育委員会及び学校への支援についてであります。  法の規定によりまして、先ほど言いましたとおり、市町の教育委員会や学校にはさまざまな組織を設置することが義務づけられております。  まずは、これらがスムーズに設置できるよう県の教育委員会として支援することが重要だと思いますが、どのように考えているのかお尋ねをいたします。  以上で一回目の質問を終わります。(拍手) 39 ◎古川知事 登壇=徳光清孝議員の御質問にお答えします。  私からは、原発問題について四点でございます。  まず一点目、今回、県が結果を発表しました重大事故発生時の避難時間推計シミュレーションについて、総体的に条件設定が甘い推計ではないかという御指摘をいただきました。  国の原子力災害対策指針によりますと、発電所に近い五キロ圏、PAZの住民は放射性物質が放出される前にあらかじめ避難をするということになっております。
     一方で、五キロから三十キロ圏、UPZと呼ばれるところの住民の方は、原則屋内退避だとされています。そして、緊急時モニタリングをしてみて、放射線量が基準を超える地域があれば、その地域を特定して避難を実施するということになっているんですね。  こうしたことを考えると、本来、避難時間シミュレーションというものをやっていくときにも、五キロから三十キロ圏、UPZの住民の方の避難というものは、どこか特定の地域の方々に避難していただくということをシミュレーションとしては行うということが基本になっているようなんですが、私どもは今御指摘いただいたように五十二ケースやりました。  五十二ケースやった中で、このUPZ、つまり三十キロ圏については、その一部分と言わずに全部避難するということを考えようと、全員の人が避難するということをこの五十二ケースの中にもたくさん加えてやっております。  こうしたことは、国の原子力災害対策指針よりも過酷な条件のもとに試算をしているということなんですね。そこはどうか御理解をいただきたいと思います。  それと、例えば、最初にまず近いところの五キロ圏の人が避難をして、その後に今度は三十キロ圏のUPZの住民の方が避難をするというような二段階方式になっているけれども、本当にそれで大丈夫なのかということについても御指摘をいただきました。  国の指針の考え方というのは、二段階で避難をするということなんでありますけれども、一斉に避難をするということもそれはあるかもしれないということで、私どもはこの五十二ケースの中には一斉に避難をするということも含めてシミュレーションをしております。  国から示された基準だけでなく、そのようにもっと厳しくなったときにどうなるのかということも含めてシミュレーションをやっておりまして、私どもとしては、推定結果というのは一つの目安ではありますけれども、甘い想定でやったというふうには考えておりませんで、国が示したものよりはかなり厳しいものをいろいろやったと理解をしているところでございます。  無論、これで終わりということではございません。よりよい防災計画、避難計画にしていかなければなりませんので、そういった気持ちは十分に持っているところでございます。  次に、受け入れ市町との協議がまずは十分必要なのではないかというお尋ねでございますが、受け入れを行っていただく市町、そして、避難をしなければならない市町、それぞれ避難計画というものをつくることになるわけでありますけれども、これについては、避難先施設の受け入れ可能人数を受け入れていただく市町に確認をいたしまして、その上で計画全体についても全市町との間で調整をいたしました。  まずは、担当の段階でいろんなやりとりをし、そして調整をした上で上に上げてきました。最終的には、平成二十三年七月に全市町の首長さんに集まっていただき、もちろん代理の方が来られたところもございましたけれども、そこで県内の全市町の避難計画というものについて御説明をして、それでわかったということで避難計画を県として決めたというものでございます。  また、避難所の運営や避難生活の支援については、玄海町を初めとする避難元の市町が主体となった上で、受け入れをしていただく、例えば、小城市のような市町には避難先、避難する施設を開いていただくことや、避難者を誘導すること、避難所の運営の支援をお願いしておりまして、さらに支援が必要な場合には県や関係機関が支援をしていくということになっております。  このため、玄海町などの避難元市町と受け入れていただく市町との間でしっかりと連携をしていただいて、具体的な話をしていただくことが重要だと考えておりまして、十分な協議がまずは必要という点については、私どもも議員と同じように考えているところでございます。  受け入れ避難のあり方について、避難元の市町と避難者を受け入れていただく受け入れの市町との間で協議をしていただくことを改めてお願いしたところでございます。  次に、再稼働と避難計画との関係について、防災対策が整備され、完了することも再稼働を判断する条件とすべきであると思うがどうかというお尋ねをいただきました。  県としては、国の原子力災害対策指針に基づきまして、県の地域防災計画の修正を行いました。関係の市町におきましても、住民の避難計画が既に策定をされておりまして、これらを活用することで原子力災害への対応は可能だと考えております。  また、今回の避難時間推計シミュレーションの結果も踏まえまして、関係機関との調整などを経た上で、避難計画等の改善を図っていくことにしておりまして、医療機関や福祉施設についても避難計画がなるべく早くつくられるように支援を行っていくなど、不断の取り組みを進めているところでございます。  原子力発電所の立地地域として、再稼働するかどうかということは別にして、地域防災計画や避難計画の充実強化をふだんから図っていくことが必要だと考えているところでございます。  私から最後でございますが、市民団体に対する対応についてのお尋ねでございます。  さまざまな市民団体から要望書等を直接受け取るに当たりましては、この問題に限らずでございますけども、日時や対応の時間がどれぐらいかかるのか、人数等が何人ぐらいになるのか、そうしたことについて、相手方の団体の方と事前に調整できた場合に、会議室などにおいての受け取りを行っております。  しかしながら、残念なことではございますが、原子力発電に関する要望書などの受け取りについて、過去には事前の連絡なく、多数の方が来られて、要望書等を受け取ってくれということを求められたことがございました。また、日時や対応時間、人数等を事前に調整していたにもかかわらず、それとは違う多数の方が来庁されたというふうなことがございまして、職員たちは業務に支障が出たということもありましたし、それだけにとどまらずに、ほかの来庁者にも迷惑がかかったこともございました。  また、この団体とということで事前調整をしていたにもかかわらず、ほかの団体の方も加わってこられたり、予定されていない上司との面会ややりとりの場所を要求されるといったこともございまして、事前調整した内容が守られない、あるいは参加された方々に徹底されていなかったということがあったものでございまして、こうしたことがいろいろあったものですから、県としても会議室などで一定時間お話を聞くというふうな対応を、この原子力発電に関する要望書等の受け取りに関しては行っていなかったところでございました。  県としては、いただいた御意見や御質問にお答えをすることについては、直接持参されたものであれ、メールや郵便などで寄せられたものであれ、回答を求められた場合には、後日、きちんと文書で回答をしております。真摯な対応をしてきております。要望書等の受け取り方につきましても、今後とも事前に日時や対応時間、人数などの調整を行った上で対応をしてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 40 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私からは、認知症の人の見守りについて二点お答えをいたします。  まず、行方不明の認知症高齢者の実態把握についてということでございます。  昨年一年間に認知症が原因で行方不明になったとして警察に届け出があった人数、先ほど議員も言っていただきましたけれども、県内では五十二名でございました。そのうち二十五年度中の発見者が五十名、二十六年度になって一名発見されております。残り一人は現在も所在が確認できていないというふうな状況でございます。  次に、認知症の高齢者が行方不明にならないようないろんな方策について、県は把握をしているのかということでございます。  県ではことし五月に、高齢者の見守り体制とか、あるいは地域でケアの必要な高齢者等への支援の取り組みという二つの項目で、県内の二十の市町に対して調査を実施しております。  その調査結果でございますが、まず、高齢者の見守り体制につきましては、地域の協力事業所や関係団体などとの見守りネットワークが構築をされている市町が七市町ございます。民生委員などによりますひとり暮らし高齢者宅の訪問や声かけを行われているところが十一市町ございます。それから、弁当配達の際に安否確認をすると、そういうふうなことを行われているところが十七市町ございました。  次に、地域でケアの必要な高齢者などへの支援の調査項目でございますけれども、衛星利用測位システム、いわゆるGPSですね、これの位置情報を活用した見守り支援をされているのが四市町ございます。それから、徘回の可能性のある認知症高齢者の情報を事前登録して共有する仕組みをつくっているところが四市町ございます。それからまた、徘回模擬訓練の実施をやってあるところが二市町ございまして、それぞれ地域の実情に合わせた取り組みを行われているところでございました。  次に、今後の対応ということでございますが、まず、認知症高齢者が行方不明になることを事前に防ぐにはどうしたらいいだろうかということでございます。  先ほどもお答えしましたように、例えば見守りネットワークでありますとか、安否確認活動、それから認知症高齢者の事前登録制度など、各市町の工夫によりまして、具体的な方策がいろいろ行われているところはございますけれども、さらにこれを進めるために、地域ケア会議の活用ができるんではないかというふうに考えております。  県では、県内に四十二カ所ある地域包括支援センターで介護保険者・市町が、高齢者の福祉に関する地域の課題等を検討するために、地域ケア会議を開催しております。その中で認知症高齢者の見守りや行方不明時の対応策などについても協議していただくことが有効だというふうに考えております。  また、この地域ケア会議には認知症高齢者の行方不明問題にかかわる警察とか、消防などの関係機関の参加を推進していきたいというふうに考えております。  次に、認知症高齢者の方が行方不明となった場合の対応についてということでございますが、かつては行方不明者が発生したときには、家族の方のほか、御近所の方が一緒になって探すということが、ある程度当たり前だったような気がしますけれども、現在では必ずしもそういう協力が期待できない場合もあるかなというふうに思っております。  現在でも市町によりましては、例えば家族から市町に対して依頼があれば、防災メールであらかじめ登録した方に連絡をしたり、その地元の消防団に対して捜索活動の協力要請を行われたり、あるいは家族からの要請によりまして、防災無線で捜索の協力を呼びかけたり、そういうことをやっているところもございます。  しかしながら、各市町によって、やっているところ、やっていないところございまして、不十分なところがあるのも事実でございます。県内の全域で組織的な対応ができないかということを検討しておりました。  今回、県では、警察本部と市町及び消防団等が連携をいたしまして、行方不明者を捜索する体制づくりが進みまして、ことし一月から実際に行っております。  例えば、警察が家族などから行方不明者届を受理した場合に、この案件が、市町とか消防団への協力依頼をしたほうが有効かどうかということで警察が判断をされ、その場合に家族の意向も確認した上で、行方不明者の情報を市町へ提供し、それを受けて市町が住民への情報提供とか、消防団等による捜索活動につなげるというものでございます。         ○ 時 間 延 長 41 ◎議長(木原奉文君) 時間を延長します。 42 ◎船津健康福祉本部長(続)=行方不明となった場合には、まず、警察に連絡するのが通常だと思いますので、ここを起点として地元の市町と消防団等とをつなぐ、そして、速やかに捜索活動ができるようなネットワークができたというところに意味があるというふうに思っております。  これまで警察から市町への連絡は九件ございます。そのうち消防団等が捜索に当たったのが二件あるというふうに聞いておりまして、一定の効果を上げているというふうに思っております。  また、厚生労働省が、行方不明となった認知症の方等に関する実態調査を六月上旬から行っております。調査中ですけれども、地域の高齢者の見守り活動、捜索活動の実態状況及びその課題でありますとか、見守りネットワーク事業の取り組み状況というものが調査項目となっております。  その分析結果が秋ごろまでにはまとまるというふうに聞いておりまして、県といたしましても、その結果を行方不明高齢者の発生防止とか、早期発見につながる効果的な仕組みづくりに生かしてまいりたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 43 ◎副島県土づくり本部長 登壇=私のほうから、二項目、五点お答えさせていただきます。  まず、空き家対策のうち、県内の空き家対策の現状と認識についてでございます。  老朽化した危険な空き家につきましては、議員御指摘のとおり、建物の倒壊、不審者の出入りなどの防犯上の問題、また景観の阻害など、さまざまな問題があることから、県内の十六の市町で「空き家の適正管理に関する条例」が制定されているところでございます。  また、昨年度は市町の条例に基づきまして、指導が八十九件、勧告十五件の行政指導が行われたほか、国の補助事業がございまして、それを活用いたしまして、二十戸の空き家の除去が行われたというところでございます。  しかし、人口減少が進む中で、今後もさらに空き家が増加する傾向にございます。条例による行政指導を行っても所有者の理解が得られず、除去に進まないこともあるということで聞いております。さらに、所有者不明の空き家では、そもそも行政指導が行えないというような問題も発生しているところでございまして、市町の条例のみでは抜本的な解決は難しいと考えているところでございます。  続きまして、市町との連携強化につきましてお答えいたします。  これまで市町の空き家対策が円滑に進むよう、市町からの具体的な問い合わせ窓口を県土づくり本部内に設置いたしました。この窓口を生かしまして、意見交換会を開催いたしまして、情報の共有化を図ってきたところでございます。  さらに、昨年の意見交換会で市町からの要望を受けまして、空き家の除却に伴う法律相談や空き家の利活用に関連しまして、売却、賃貸、管理代行業の紹介、また建物診断やリフォームの相談などに対応できるよう、弁護士、宅建業者及び建築士などの専門家などの相談体制を充実したところでございます。  今後も、市町から意見を聞きながら、さらなる相談体制の充実を図るとともに、県内や他県の取り組み事例などの情報を収集いたしまして、意見交換会の場で議論するなど、市町との連携強化に努めてまいります。  空き家に関しまして最後の項目でございます。県として、さらなる取り組みということでございました。  御紹介にありましたとおり、和歌山県で条例を制定いたしております。この条例の内容といたしましては、著しい破損、腐食等によりまして、周辺の良好な景観と著しく不調和な状態である建築物に対して、その改修、除去などを勧告、命令できる景観保全を目的とした条例となっているところでございます。  まず、県といたしましては、まちづくりの主体である市町において、景観の保全のみならず、防犯、さらには防災などの観点から、空き家対策を市町で進めていただきたいと考えております。このため県によります条例制定までは今のところ考えていないものの、議員御指摘のとおり、県民意識の向上や抑止力となるような情報発信は必要だと考えているところでございます。  また、市町が空き家対策を進めるに当たりまして、阻害となっている課題の解決にも積極的に我々としても協力をしていきたいと考えておりまして、まずは、所在不明の物件に対しまして、市町の判断で除去できる法整備につきまして、ことし五月二十八日、国に対して政策提案を行ったところでございます。  いずれにしましても、県内の空き家の現状や各市町の取り組みなど、県民意識の向上に向けた情報発信を積極的に行うとともに、市町の課題解決のための法整備等を国に対して働きかけることで、県民にとって暮らしやすい町となるよう、市町と一体となって空き家対策に取り組んでまいります。  続きまして、大きい項目の二つ目でございます。  土砂災害防止への取り組みについて、まず、土砂災害警戒区域指定に対する取り組みでございます。  先ほど全国的にも低いという御指摘がございました。中でも佐賀県の場合、特に土砂災害警戒区域指定は全国の中でも低うございました。このような中、昨今では伊豆大島でも見られますように、集中豪雨による土砂災害が全国的にも多く発生しております。本県におきましても、平成十八年の田頭、府招地区、また、平成二十二年には永山地区など、大規模な土砂災害が発生したところでございます。幸いにもそのときの災害によりまして人的被害はなかったものの、改めて土砂災害防止の必要性を認識したところでございます。  また、土砂災害の危険性がある地区が数多く点在する本県におきまして、まだまだ県民の土砂災害に対する意識は低いものがございまして、大きな被災とならないためにも、周知等の必要があると考えているところでございます。  このため、県民意識の向上、ひいてはそれが避難行動に結びつくよう、おくれていた土砂災害警戒区域の指定を重点的に促進することとし、まずは、「佐賀県総合計画二〇一一」に“進”重点項目として位置づけまして、平成二十六年度末までに二千八百三十六カ所、率で言いますと約三〇%の指定を目標に取り組んでいるところでございます。  現時点における指定率は約二八%と、総合計画に掲げた目標は達成できる見込みでございますが、全国平均の六七%と比べれば、まだまだ低い状況にございます。  このため、今後とも関係市町と連携を図りながら、アウトソーシングの活用などを生かしまして、区域指定が加速度的に進みますよう、最大限努力をしてまいりたいと考えております。  私から最後の項目でございます。土砂災害防止対策工事の取り組み、いわゆるハード整備についてでございます。  ハード整備につきましては、土砂災害から県民の生命、財産を守るために、限られた予算の中で、一つは、家屋数や重要な公共施設など、保全すべき対象を比較いたしまして、効果を判定いたしております。  二つ目に、地形、土質及び傾斜の角度など自然的要件で判断する緊急性がございます。  そのほか、先ほど御指摘を受けておりました災害時の要援護施設など社会的要件で判断する必要性がございます。  これらを総合的に取りまとめまして、優先度の高いところから順次整備を行っているところでございます。  しかしながら、ハード整備を進めるに当たっては、地域住民の理解と協力が必要でございまして、さらには事業を進めていくための予算確保が不可欠でございます。このようなことから、住民の理解促進のための区域指定やホームページでのPRに努める一方、少しでも多くの予算を確保できるよう、国にしっかり働きかけていき、ハード整備が計画的かつ着実に進むよう努めてまいります。  私からは以上でございます。 44 ◎池田教育長 登壇=徳光議員の御質問にお答えをいたします。  大きく三項目御質問がございました。  まず、佐賀県小・中学校学習状況調査について三点お答えをさせていただきます。  年二回の調査実施についてのお尋ねでありました。  佐賀県小・中学校学習状況調査については、国の調査と相互に補完しながら実施しておりまして、本県の学力向上対策において基幹調査と位置づけております。  議員御指摘のとおり、これまでは年一回四月に調査を実施しており、調査結果を各学校に還元する五月中旬以降、学校では指導方法等の改善に取り組むとともに、県教育委員会及び市町教育委員会では、施策の見直しや充実を図っておりましたけれども、これらの指導や施策の効果の検証は次年度の四月の調査まで待つ必要があったところであります。しかしながら、各学校における指導方法については、その効果を検証しながら適宜見直しを行う必要があることから、十二月にも県調査を実施することとしたところでございます。  具体的には、年二回の検証改善サイクルを確立して、四月の調査では国が行う調査と同一教科を実施し、児童生徒の年度当初の学習到達状況を把握、分析するとともに、前年十二月以降の指導の効果を検証する。十二月調査では、四教科、または五教科の調査を実施し、四月以降の学習到達状況を把握、分析し、その後の教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることといたしております。  このことにより、これまでよりもきめ細やかに、かつ早期に児童生徒の実態把握と指導方法の改善ができるものと考えております。  次に、調査の実施時期についてのお尋ねでございました。  佐賀県小・中学校学習状況調査の結果は、児童生徒一人一人の学力を把握し、それぞれの個別指導に役立てることに加え、県教育委員会及び市町教育委員会の学力向上に向けた施策の見直しや充実等に活用いたしております。このため、調査を実施するに当たっては、県全体の状況が把握できる客観的なデータが必要でありまして、全ての児童生徒が同じ条件で調査を受けることができるよう実施日を統一し、一斉に実施することといたしているところでございます。  なお、実施日につきましては、事前に佐賀県小中学校校長会にも意見を伺いましたけれども、佐賀県小中学校校長会からも調査問題の漏れを防ぎ、調査の公平性を保つため、実施日の統一を求める意見が出されたところでございます。  次に、教職員の負担軽減についてのお尋ねでございました。  学力向上対策につきましては、県教育委員会が学校設置者である市町教育委員会と課題認識を共有しながら、連携協力して取り組んでおります。  年二回の県調査のうち、十二月に実施する調査については、本年度から実施するものでありまして、議員御指摘のとおり、これまでに比べ、一部業務がふえるものと考えておりますけれども、県調査は児童生徒一人一人の学力向上に生かし、また、県全体の今後の施策に反映していくための重要な調査であると認識しております。  このようなことから、各学校においては、校長のマネジメントにより教職員にとって過度の負担とならないように校務の調整を行い、業務の優先順位をつけるなどして創意工夫して取り組んでもらいたいと考えております。  また、県教育委員会におきましても、調査の実施時期はなるべく研修会や行事等を入れないなどの配慮をするほか、教職員の出張削減など、教職員の負担軽減に向けた検討を引き続き行っていくこととしております。  いずれにいたしましても、学力向上は佐賀県教育の最重要課題の一つであります。県教育委員会としては、こうした認識を市町教育委員会や各学校と共有しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、土曜日等を活用した教育活動について三点お答えをさせていただきます。  まず、学校週五日制との整合性についてのお尋ねでございました。  「佐賀県総合計画二〇一一」の“進”重点項目に掲げる「土曜日等を活用した教育活動の充実」とは、土曜日、日曜日、長期休業中のいずれかにおいて、公開授業等教育課程に位置づけられた授業、ICTを利活用した教育活動または外国語に関する教育活動を実施し、教育活動の充実を図るものでございます。  学校の週休日であります土曜日、日曜日につきましては、学校週五日制の趣旨を踏まえ、学校、家庭、地域社会が相互に連携しつつ、地域や保護者に開かれた学校づくりの観点から効果的に活用していくこととしておりまして、公開授業や地域人材等を活用した授業、地域の協力のもとに行う体験学習など、学校週五日制の趣旨と整合した教育活動を行うものであります。  次に、実施に当たっての課題についてのお尋ねでございました。  県教育委員会では、「土曜日等を活用した教育活動の充実」に取り組むに当たりまして、平成二十三年度に市町教育委員会と意見交換を行い、その際、土曜日、日曜日に授業を行う教員の勤務体制の整備や、部活動、地域行事との調整が主な課題として挙げられたところでございます。  そこで、市町が土曜日等の教育活動に取り組みやすくするために、指導に当たる教職員の勤務環境の整備として、週休日の振りかえ等ができる期間を勤務日の前四週・後八週から前四週・後十六週へ改めますとともに、同年十二月には運動部活動と土曜日の教育活動との調整につきまして、県中学校体育連盟や県体育協会等の関係団体と協議を行いまして、「第一・第三・第五土曜日の取り扱いについては、市町及び学校が計画する行事や教育活動を優先するなど配慮する」旨を合意し、市町教育委員会へ通知したところであります。  県教育委員会では、こうした実施のための環境整備を行いながら、平成二十四年度には五市町の九小中学校を指定して実践研究に取り組んだところでありますけれども、教職員の勤務体制の整備、部活動や地域行事等との調整については、引き続き課題があることが明らかとなっております。  現在、各市町、学校においては、それぞれの実情に応じて実施時期、実施回数の調整や、家庭や地域、関係団体への周知方法などについて工夫をしながら、これらの課題解消に主体的に取り組まれているところでありまして、県教育委員会としても、市町及び学校の取り組み状況を見ながら、これらの取り組みを支援してまいりたいと考えております。
     次に、今後の取り組みについてのお尋ねでございました。  公立小中学校における土曜日等の活用の取り組みは徐々に広がりを見せており、市町によって一部の学校での取り組みであったり、実施回数やその内容もさまざまではございますけれども、本年度は土曜日、日曜日に取り組まれる予定が十二市町、夏休み等の長期休業日に取り組まれる予定が十六市町にあり、県内二十市町の全てにおいて土曜日、日曜日、または長期休業中のいずれかを活用した教育活動に取り組まれると聞いておりまして、「佐賀県総合計画二〇一一」に掲げる指標は達成される見込みであります。  県教育委員会では、市町における実施状況を改めて調査の上、各市町や学校間での取り組み事例の情報共有が図られるよう、情報提供をするなどして、今後、土曜日等を活用した教育活動が多くの学校に広がっていくよう、市町、学校の主体的な取り組みを引き続き支援してまいります。  最後の項目でございますが、いじめ対策について二点お答えをさせていただきます。  まず、佐賀県いじめ防止基本方針についてのお尋ねでございました。  県のいじめ防止基本方針については、いじめ防止対策推進法の規定に基づき作成するものでございますけれども、現在、作成した方針案について、六月十三日から七月九日までの間、パブリックコメントによる意見募集を実施しておりまして、七月末を目途に策定、公表する予定としております。  策定後は、その趣旨と内容を広く県民の皆様に御理解いただくよう、まずは周知に努めますとともに、学校いじめ防止基本方針を速やかに定めることで、学校が法に基づく体制を整備することができるよう、学校に対する説明会等を開催することといたしております。  また、知事部局とも連携協力しながら、基本方針に基づく対策のあり方などについて協議を行います佐賀県いじめ問題対策連絡協議会を開催いたしますとともに、条例に基づく佐賀県いじめ問題対策委員会を開催することといたしております。  これらいじめ防止対策の体制を整備することで、いじめの未然防止、早期発見・早期対応、再発防止の三つの柱に基づく対策の円滑な実施を図ってまいりたいと考えております。  最後になりますけれども、市町教育委員会及び学校への支援についてのお尋ねでございました。  いじめ防止対策推進法への対応につきましては、議員御指摘のとおり、各地方公共団体がそれぞれの責任と権限のもと取り組むこととされておりますけれども、県全体でいじめ問題に取り組んでいくために、法の施行に伴い、昨年九月と十二月の二回にわたり、市町教育委員会並びに学校を対象といたしまして、法の趣旨等の説明会を開催したところでございます。  また、説明会では、いじめが発生した際、市町においても法に基づく適切な対応がなされるよう、県が定めました学校いじめ対策委員会要綱や佐賀県いじめ問題対策委員会要綱などを参考としてお示ししたところでございます。  県の基本方針策定後も市町への情報提供や連携を図るため、市町教育委員会の代表者を佐賀県いじめ問題対策連絡協議会の委員に任命いたしますとともに、市町や学校における基本方針の策定につきましては、県の基本方針の趣旨説明会を開催し、策定の手引きを配布するなどの支援を行うことといたしております。  また、法に規定されました附属機関の設置等につきましては、複数の市町での共同設置や委員の選定方法などの助言を行いますとともに、取り組みがおくれている市町があれば積極的に指導をしてまいりたいと考えております。  このように、市町と学校へ支援することにより、県と市町が連携協力しながら、いじめ問題に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 45 ◎長嶋警察本部長 登壇=交通事故防止対策に関しまして二問お答えをいたします。  まず、交通死亡事故の特徴等についてでございます。  本年五月末の県内における人身交通事故の発生件数は三千五百六十七件、負傷者数は四千七百七十一人、前年同期と比較しまして、発生件数がマイナス百四十件、負傷者数がマイナス二百五十一人となっております。  一方、交通事故による死者数でありますが、昨日現在で申し上げますと、三十二人と、前年と比較しましてプラス十四人となっておりまして、約七八%ほど増加しているという状況にございます。  このように、今年に入りまして交通事故の発生件数及び負傷者数はやや減少の兆しが見えるものの、死者数は大幅に増加しており、まさに危機的な状況にあると捉え、交通事故防止をその責務とする警察といたしましても、現状を重く受けとめ、対応しているところでございます。  本年五月末までに発生した交通死亡事故の特徴について申し上げますと、一つは、六十五歳以上の高齢者の死者が多く、死者三十人のうち十八人が高齢者で、全体の六〇%を占めているということでございます。一方で、この第一当事者を見てみますと、同じく六十五歳以上の高齢者が約四分の一を占めていると。つまり加害者にもなっているし、被害者にもなっているということであります。  二つ目が、シートベルト非着用の死者数が多く、四輪自動車乗車中の死者十三人のうち七人、五四%になりますけれども、この七人の方はシートベルトを着用していなかったということであります。  シートベルトを着用した場合と着用していない場合では、十五倍の致死率の違いがあるということが今回わかってございます。  三つ目としまして、夜間歩行中の死者七人は、いずれも反射材等の使用がなかったということ。  四つ目が、前方不注視による事故が多く、原因が判明している事故二十件を見てみますと、そのうち七件(290頁で発言訂正)、四〇%が前方不注意であり、その他、安全不確認などを含めますと、やはり運転者の初歩的な注意義務違反により事故が発生しているということが言えます。  五つ目は、本年を見てみますと、県東部での発生が多く、二十八件中十九件、六七・九%が小城市以東の県東部で発生しているという状況にございます。  それから、残念なことですけれども、全国的に飲酒運転の根絶が叫ばれている中、佐賀県におきましても、飲酒運転による死亡事故がことし三件発生しております。  次に、交通死亡事故抑止対策ということについてお答えを申し上げます。  警察では、交通事故の実態を分析した上で、基本的には交通指導取り締まり活動、それから、交通規制なり交通安全施設の整備、交通安全教育といったものを効率的に組み合わせながら対策を講じているところでございます。  その具体的な例を若干申し上げさせていただきたいと思いますが、その一つとしまして、高齢者の交通事故防止対策についてでございます。  先ほど申しましたように、県内におきましては、平成十六年以降、十年連続して交通事故死者に占める高齢者の割合が半数を超えている状況にあります。本年も同様な状況で推移しているわけでございます。中でも、歩行中に事故に遭う高齢者が多いという状況がございますので、老人クラブや高齢者福祉施設などに出向きまして、昨年導入していただきました歩行者シミュレーター、これを活用しました参加・体験・実践型の交通安全教室を開催している。それから、高齢者宅を訪問して、高齢者の生活実態に応じた交通安全個別指導を実施している。県や市町で実施している介護予防とか高齢者の生涯教育、こういった高齢者関係事業を通じた高齢者に対する交通安全指導や反射材の貼付指導といったことを実施して、高齢者の安全意識の高揚を図っているところであります。  二つ目としましては、運転者や道路利用者の対策といたしまして、交通指導取り締まりを初めとする街頭活動の強化を図っているところであります。  先ほど申し述べましたように、シートベルトの全席着用がいまだ一般道路でも徹底されていない、飲酒運転による死亡事故も後を絶たない、さらには横断歩行者があるときに一旦停止しなければならないという義務があるわけでありますけれども、これも守られていない。注意力が散漫、つまり前方不注視などの事故が多いといったようなことがございます。  これらを考えてみますと、やはり基本的に交通ルールを無視というところまでいきませんけど、交通ルールに従っていないなり、運転マナー、モラルの低下というところがうかがえるのではないのかなというふうに思っております。  そこで、警察といたしましては、交通事故に直結するような悪質、危険性の高い違反に重点を置いた取り締まり、ミニ検問や交通の要衝での街頭監視、赤ランプをパトカーにつけて走行するといったようなことを含めまして、こういった積極的な実施を現在しておりまして、道路を利用する運転者の方々に緊張感と交通ルールの遵守の徹底を図ることといたしているところであります。  対策の三つ目でありますけれども、県や市町を初めとする関係機関・団体と連携をした各種対策の実施ということでございます。  御案内のように、交通安全対策基本法等に基づきまして、県や市町におきましても首長さんがみずから交通安全対策協議会などの会長や主宰者となりまして、各地域の交通安全活動にさまざまな取り組みを行っていただいておりますので、これらの市町との連携によりまして県民の方々への交通安全情報の提供、広報啓発等の実施、それから学校や道路管理者と連携をしました通学路や交通事故現場における合同点検、またその点検結果に基づく交通規制、安全施設の整備、こういったもので、交通事故の起きにくい道路交通環境の整備を進めることといたしております。  以上、取り組みの一例を申し上げましたが、県内におきましては、人口十万人当たりの交通事故発生件数並びに負傷者数が全国ワーストワンという不名誉な状況が続いており、結果として、交通死亡事故も増加しているのではないかというふうに考えております。  皆様御案内かもしれませんけれども、労働災害における経験則の一つとして、ハインリッヒの法則というのがございます。これも実は交通事故についても言えるだろうというふうに学者の間では言われております。一件の死亡事故の背後には数十件、数百件の人身事故があると。さらには、その背景に幾千もの交通違反やヒヤリ・ハットした体験というものがあるというふうに言われています。  こういった状況を勘案しまして、死亡事故等の重大事故を防止するためには、やはり人身事故、物損事故、こういった事故総量を抑制していくことも必要である。それから、その背景に潜む交通違反等をなくすること、道路利用者の方に緊張感を持ってもらうということがやはり何よりも不可欠でないのかなというふうに考えております。  それで、この四月以降、交通事故の発生件数の中で四四%を占めている追突事故、これを防止することなどによりまして、交通事故総量を抑制していこうということで、「みっつの三運動」ということをさせていただいております。三秒間の車間距離の保持、方向指示器三秒前三十メートル前というルールがございますので、これの遵守、三分前のゆとりを持った出発というようなことをお願いしております。  また、特定日における一斉街頭指導、さらには六月九日付で警察本部長名をもちまして、県民の皆様への交通安全を呼びかける文書、資料を作成いたしまして、全戸配布、回覧を行っているところでございます。  今後とも、県警におきましては、交通事故分析に基づきまして緊急的、中期的、先行的な対策ということを考えながら、交通指導取り締まりや交通規制、また警察がみずから実施すべき対策を確実に行うとともに、県や市町、関係機関・団体との連携をより一層強めまして、悲惨な交通事故の防止を図っていく所存でございます。  なお、私のほうで、先ほど事故の実態のところで前方不注視による事故が多く、原因が判明している事故二十件のうち七件と読み間違ったかもしれません。八件、四〇%が前方不注視であるというふうに訂正をさせていただきたいと思います。  いずれにしましても、そういった状況で、交通死亡事故対策に全力を尽くしてまいる所存でございます。議員の皆様方の一層の御協力をよろしくお願いを申し上げます。  以上でございます。 46 ◎徳光清孝君(拍手)登壇=皆さんの気持ちに配慮しつつ、再質問をさせていただきます。  原発の問題ですね、一般質問だけではお互い意図するところがなかなかかみ合わないということがありますので、いろんなことを通じて私もその充実に向けて提言等していきたいと思います。  二つだけなんですが、県の資料を見ますと、今回のシミュレーション結果を受けて、例えば、今後の対応として人口密度が高いところへの車の流入をちょっと防ぐ必要があるだとか、福岡の道路も活用したほうがいいんじゃないかとか、そういったことを既に指摘をされています。恐らくそういったことに従って、今後市町との協議が進んでいくと思うんですが、私は県の担当部署だけでシミュレーション結果をそのように分析して次に進むんではなくて、市町も物すごく関心があると思いますので、一度市町も交えた地域防災会議でも結構ですので、そこでこのシミュレーションはどうなのかということは徹底して検証して、その次の段階として課題が見えたので、こういった課題を解決していくというふうにするのがいいのではないかと思いますので、その点について見解をお尋ねいたします。  それから二つ目ですが、知事の答弁ですと県としては国の指針よりもかなり厳しく考えてやっているんだと。例えば、UPZの住民であれば、OIL1ですね、毎時五百マイクロシーベルト、それぐらいモニタリングで出たときに避難指示を出すということになっていますが、県としてはその地域だけじゃなくて、全域の住民が避難した場合というふうに考えているんだということを言われました。  ただ、現実問題を考えると、福島の原発事故を皆さん経験し、知っていますので、もし玄海原発が全面緊急事態となったときには、恐らく三十キロ圏内の人を含めて、私は一斉に自主避難すると考えるのが一番自然な考えじゃないかなというふうに思うんですね。  多分情報も混乱するでしょうし、デマも含めていろんなのが飛び交うかもしれません。そうなると、住民の気持ちとしてはいち早く逃げようということで、恐らく県がいろんな情報を出す前に自主避難する人が基本設計の四〇%どころではなくて、ほぼ七割、八割ぐらいの人が逃げるのが一番自然な考え方ではないかなと思うんですね。  ですから、その場合この推計で一〇〇%自主的に逃げているとすると、二十四時間超しているような推計が出ていますので、その点についてもぜひ詳しい検討を私はお願いしたいというふうに思います。  市民団体については、当初そういった混乱があったということも私は承知をしております。ただ、今の段階で市民団体の人も一生懸命調査をしたりとか、いろんな活動をして県に要望を持ってきていますので、しっかり事前に調整をしていただいて、人数とか時間もしっかり調整をした上で部屋を準備していただくと。県民ホールであったのに私も何回か立ち会いましたけれども、かえって県民の方の邪魔になるし、荷物をがらがらがらっと運ぶ音がしたりとかで集中できないということもありますので、ぜひそういったことでお願いをしたいというふうに思います。  あと認知症の方の見守りなんですが、今お聞きをして、県内各地域でさまざまな工夫をしながら見守り体制をやっているなということはよくわかりました。  ただ一つ、認知症サポーターですね。県の資料によると県内でもう既に五万人ぐらいいらっしゃるということです。恐らく今本部長が首に下げているオレンジの輪っかが研修を受けたというあかしなのかなというふうに思いますけれども、当然認知症サポーターの方もほとんどが普通仕事をされている方ばかりだと思いますので、どれだけの認知症サポーターの方がそのとき見守り隊に加わることができるかどうかは別にしても、せっかく五万人もいらっしゃるんであれば、その方たちとの連携というのもひとつぜひ考えるべきじゃないかというのが一点と、それから、生協が全国で五百二十の市区町村と協定を結んで、生協で配達に行ったときとか、あるいは弁当を配達に行ったときに認知症の方の見守りをするという協定を結んでおります。  県内では、コープさがが今佐賀市とだけ協定を結んでおります。これはある意味大変有効な手段ではないかなと思っています。  例えば、子供見守り隊であれば郵便配達の人とか、タクシー会社の人とか、いろんなことでやっていますので、ぜひコープとの連携も県として今後考えていただきたいと思いますので、その点についてお尋ねをいたします。  最後になりますが、教育問題です。  小中学校の学習状況調査について質問しましたが、当然私も学力向上対策は必要であると思いますし、教科書によって授業をやって、それが理解が進んでいないんであれば、改善をしながらきちんと理解をさせて学力を向上させるというのは当然のことだというふうに思っています。  ただ、十二月に二回目を実施すると。ところが、多分集計をしてしまうのは年末になって、それから分析をして、指導に生かすのは次の年の一月半ばぐらいになると思うんですね。そうすると、学年末でも忙しいということもあるし、もう恐らく三月二十日ぐらいで学校は終わりになると思いますので、その間に十二月に実施した結果が指導改善に行き着くかどうかというと、私は本当にどうなのかなというふうに思うんですね。  ですから、そういうことも含めて今後の調査のあり方については、現場の実態とか現場の意識とちょっと乖離しているんじゃないかなというふうに思いますので、教育委員会も必要ですが、常にそういった現場の先生方との意見交換なりをしっかりやっていただきたいと思いますが、その点について質問をして私の一般質問を終わります。(拍手) 47 ◎古川知事 登壇=徳光議員の再質問にお答えします。  まず、今回のシミュレーション結果そのものについて市町と話をしたらどうかという御提案であったかと思いますが、このシミュレーション結果といいますか、シミュレーションを使っていく過程の中で、県庁だけではとてもできませんでしたので、いろんなところと一緒になってやっておりました。  いわばこの結果については、市町だけでなく、防災会議のメンバーとなっておりますところと一緒になってつくっていったものだと思っているところでございまして、この防災会議の構成メンバーに対してはいろいろ情報提供もし、また御意見もいただきながらこれからもやっていきたいと思っているところでございまして、市町とは避難計画そのものについてはいろいろな具体的な調整をしていかなければいけませんから、それぞれ話し合いをしていただくということは必要かと思っておりますけれども、シミュレーション結果そのものについて市町と協議をするということは今のところ考えておりませんで、ただ、これについてさまざまな御意見がございますから、それをいろいろ改善していく過程においては、市町はもちろんのこと、そのほかのところにもいろいろな話をしていきたいと思っているところでございます。  それと、二番目が一斉避難をしようとするのが自然ではないのかという御指摘をいただいておりまして、それについては、そのような考え方というのもあり得るだろうと私どもも思っております。  それで、今回、私どもがつくった厳しいシミュレーションの中でも、確かに一〇〇%全員が同時に避難をするとした場合には、二十四時間を超える時間がかかるというふうな数字も出ておりました。それをよく分析してみますと、二十四時間を超えているのは決まった道しか通らないと、幾ら渋滞していてもそこの道を通るということを前提にシミュレーションをやっておりますので、そういったことについても、実際に逃げるときにはすいている道を行くとか、そういったことも含めて避難の具体的な内容については、そういった見直しをしなくてはいけないということの話をしているところでございます。  そして、仮にすいている道を行くということを考えた場合には、二十四時間以内の避難はできているという結果になっているのではないかと思っておりますけれども、いずれにしても、そういう普通に考えればこうだということを当てはめてみたときにはどうかということも考えていかないと、現実性のあるシミュレーションとは言えないという御指摘は、私どもも理解をしているところでございます。  ただ、そうはいいましても、皆さんが一斉に避難されるときと系統立って避難されるときでは、結果的にみんなが避難するためにかかる時間が違うのは事実なので、私どもとしても基本はこうだということは、きちんと住民の方々にはお伝えしなくてはいけないと思っているところでございます。  いずれにしても、改善を常にやっていくという気持ちで取り組んでまいります。  それと、市民団体の方々への対応につきましては、私どももかつてはそうやって部屋をとって対応していたということもございます。先日のときには県議の方々にもいろいろ仲介の労をとっていただいて、混乱なく対応ができたというふうにも伺っているところでございまして、職員もそれが嫌だと言っているわけではなくて、過去にいろんなことがあったということでございますので、そういったことがないようにということを議員のほうから言っていただいていると思っておりますので、そういったことを踏まえた対応をこれから心がけてまいりたいと存じます。  以上でございます。 48 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私のほうから、高齢者の見守り、あるいは安否確認について、認知症サポーターでありますとかコープに協力してもらったらどうかという御提案、御質問だったと思います。  認知症サポーターにつきましては、議員から御紹介がございましたけれども、平成十九年から始めまして、県内に研修を受けた方が五万人に上っております。  研修を受けていただいた後、この方たちにその後どういう活動をしていただくかということも一つの課題でございます。御提案いただいた見守りのメンバーとして御協力いただけるかどうかということを検討していきたいと思っております。  ただ、先ほどのコープの件も含めてですけれども、県内全域で一斉にということよりも、先ほども御答弁したように、例えば、地域ケア会議であるとか、小規模なところでやるのが実際的に効果があるというふうに思っております。  見守りもいろんな商業者の方とか事業者の方、いろんな方たちがメンバーを固定する場合もありますし、固定しないようなやり方は実際現地でやっているようです。  例えば、先ほど御答弁しました地域ケア会議の中でどういうふうな形がいいのかというのをそれぞれ御検討いただくような形でお願いをしてまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 49 ◎池田教育長 登壇=徳光議員の再質問にお答えをいたします。  学習状況調査の件についてでございました。  今回の十二月に行うテストの還元といいますか、それが一月半ばぐらいになって、実際残りの三学期で本当にその効果があるのかといったような御指摘がまずあったかと思います。  まず、この還元は、一月の始業式の日には還元できるような体制をとりたいと思っております。今回、私どもが取り組み始めました年二回の調査というのは、秋田県や福井県を参考にしております。  秋田県は、きょうの新聞にも載っておりましたけれども、以前は全国最下位であったと。その後、懸命に取り組みを始めまして、今回、私どもが参考にしましたような取り組みを継続して続けることによって、今では全国一位という実績をつくっているところでございます。  ただ、議員も御指摘ありましたように、現場の声と多忙感とか、そういったものは確かにあるかと思います。私どもは今回これを始めましたので、現場の声を聞きながら、改善すべき点があればそれは改善していくべきだというふうに思っております。現場の声に耳を傾けるということについては、その意を用いていきたいというふうに考えております。 50 ◎議長(木原奉文君) 以上をもちまして、一般質問を終了いたします。         ○ 委 員 会 に 付 託 51 ◎議長(木原奉文君) ただいま議題となっております甲第三十三号議案から甲第三十七号議案まで五件、乙第七十二号議案から乙第八十二号議案まで十一件、以上十六件の議案を皆様のお手元に配付いたしております議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたしたいと思います。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 52 ◎議長(木原奉文君) 以上をもちまして、本日の日程は終了いたしました。あす二十一日及び二十二日は休会、二十三日及び二十四日は議案審査日、二十五日及び二十六日は各常任委員会開催、二十七日は議案審査日、二十八日及び二十九日は休会、三十日は特別委員会開催、七月一日は議案審査日、二日は特別委員会開催、三日は本会議を再開して、委員長報告を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後五時五十分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...